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タイムマシーン ランドセル 徹夜

古びた赤いランドセルを抱えていた。

六年間を共に過ごした相棒は、今は随分と小さく見える。所々汚れていて、綺麗な赤が薄れていた。

これを背負って多くの友達と過ごす校舎へと向かって歩いていたのは、遥か昔のことだ。懐かしの学び舎を後にして、まだ見ぬ世界に希望を持って羽ばたいて、もう何十年も経つ。あの頃のキラキラとした純粋な気持ちはとうに消えていた。期待を持って飛び込んだ世界は想像よりもずっと厳しかった。揉まれて潰されて叩かれて、随分と荒んだ心に育ってしまった。あの頃の自分が今の自分を見たらどう思うだろう。

ランドセルの中身は空っぽだった。何も入っているはずはないのに、なにか大切なものが詰まっているかのように重く感じた。理想と現実の違いに苛立って昔の持ち物を全て捨ててしまった時でも、何故かこのランドセルだけは捨てられなかった。

少しのほつれと汚れがやけに目立つ。しかし、この程度なら新品同様とまではいかなくても直せてしまうだろう。そう思い立って、クローゼットの奥に仕舞ってある裁縫道具を引っ張り出した。

別に、またこれを使うわけではない。直してもなんの意味もない。しかし、剥がれた布を縫いつけ汚れた革を擦るという作業に意味もわからず没頭した。あたりはもう真っ暗。明日の予定は何もない。


未完。

余裕でアウト。

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