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探し者  作者: 千斗
第一章 地獄屋
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更新遅れ、申し訳ありません!!

 世に変人と呼ばれる人は大勢いる。天才と称されている人は裏を返せば変人であり、過去のいつかにおいては天才ではなく変人だった。逆に言うならば、今変人と呼ばれている誰かも、未来のいつかにおいて変人ではなく天才となっているかもしれないのだ。もちろんその観点を適用するなら、誰しもが変人であり天才である可能性を持ちうる――僕も例外なく当てはまる。

 地獄先輩なんて、当てはまる中の当てはまるだ。

「お前は、戸西の使いで来たと、そういうわけで間違いないな?」

「はい、一字一句間違いありません」

「そうか」

「ご理解頂けましたか?」

「無論だ」

「でしたらこの手首に巻いて柱に縛りつけてある紐のようなものをほどいてもらえませんか」

「紐のようなもの、ではなくて、それは紐だ」

「気にするべき点はそこじゃないのでは!?」

 そう、僕は何故か。いや、本当に何故なのかわからないのが現状なのだが。

 手首を拘束されていた。残念ながら手首だけ分離できるわけでもないので、手首を、というか僕自身が拘束されているわけだった。

 まずは、何故僕がこうなったかを――いや、事実僕にも何故かはわからないが――説明しなければならないようだ。

 あの時。

 地獄屋という(であろう)建物を発見し、もしや地獄先輩に関連するものでは?と思った途端に真後ろに音もなく現れた地獄先輩は、

「何故ここにいる」

とそう言うや否や、

「不届き者めが」

と僕を紐で拘束した。

 何故拘束されたんだ。そもそも、なんで紐なんて持ってるんだ。

 なんて考えていれば。

「痛い!痛いですから痛い地獄先輩!何するん痛いですか!」

引きずられて地獄屋の中に運び込まれた。

「地獄先輩、痛いです!」

「うるさい黙れ」

理不尽な。

 地獄先輩は乱暴に部屋の中へ僕を放り込んだ。地獄先輩は見た目はかなり細身だが、見た目以上に……異常に力がある。僕だってけして軽い方じゃない。少なくとも平均の日本人男性並みなのだから。まぁなんと言うか、力がある無いは置いておいても人を部屋に放り込むという行動自体間違ってはいるのだけれど。

「夏凪と言ったか」

目が怖い。確実に裏の人の目をしている。裏の人ってあれですよ、「ヤ」で始まるあの方達ですよ。

「何故お前がここにいる」

「えっと、僕はですね……戸西先輩から地獄先輩に届け物をするように頼まれて……」

壁が凹んだ。しかも、顔のすぐ横の壁が。地獄先輩が殴ったせいで。僕、死ぬかもしれないな。お父さん、お母さん、今まで育ててくれてありがとう。

「戸西の使いだと?はっ、何でもかんでも戸西の名前を出しておけば良いと思いおって」

また凹んだ。逆側の壁が凹んだ。つまり、次は僕の顔面しかない。

 地獄先輩って、こんな人だったの?というか、戸西先輩はどんな人のところに僕を使わせたんだ……。これは戸西先輩による僕の殺害計画じゃなかろうか。

「もう一度聞くぞ。お前はどうしてここにいる」

これは、どう答えるべきなのだ。次はない。確実に次はない。答えを間違えば待ち受けるは死だ。暗い。暗過ぎる。嫌だ。お届け物一つで死んでたまるか。

「戸西先輩に届け物を頼まれて来ました!!!」

死ぬな僕!いや、殺さないで地獄先輩!

「はっ。笑わせるな」

 死んだ。

 僕の精神が。

 僕を肉体的に殺すあの壁凹ませパンチ(ダサいとは思うがネーミングなんてできたもんじゃない)を繰り出されることはなく、地獄先輩は嘲笑うようしてから僕に近づくと――紐を柱にくくりつけた。

 あれ?助かったはずなんだけど。

 ――そうして、今に至った僕だった。

「地獄先輩」

「何だ夏凪」

「ですから、紐。ほどいて下さい」

「嫌だ」

断られた。即答だ。

「何でですか!?そもそも、どうして僕は拘束されてるんですか!?」

「理由を説明しろと?」

地獄先輩の目がまたもや裏の人の目だった。先程のパンチといい、本当に裏の人ではないのだろうか、この人は。とにもかくにも理由は説明してもらわなければさすがに納得がいかない。

「案ずるな、そう大した理由ではない」

大した理由もなく拘束しないでもらいたい。

「お前がここに来てしまったから拘束したというのは一つ目の理由だ」

一つ目?それが一つ目ということは、二つ目や三つ目があるということだろう。全く思い当たる節がないので推測なんてできはしないが。

「二つ目……というか、俺としては主たる理由でもあるが――お前に興味があるんだよ、俺は」

 地獄先輩は僕の目の前でそう言った。


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