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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

たとえばこんなTS

作者: シェリエ

推敲もほとんどせず適当に書いた作品です。






こんな話を聞いたことがある人はいるだろうか。


初夢は正夢になる。


一富士、二鷹、三茄子と言われる初夢に見ると縁起がいいと言われるそれに比べれば知名度は低いだろう。

それに科学的根拠は? などと言われると答えようはないし、証明も難しいのだろう。

しかし俺はその話を今この瞬間誰よりも強く信じていたし本当だと''体感''してしまった。


少し時を戻そう。

昨日、大晦日のよる俺は真剣にその話を信じた。

受験の時に神様に願うよりも、腹痛の時に神様に願うよりもだ。

わざわざ神社にお参りをし、今まで一度もやったこと無い除夜の鐘を鳴らすということまでした。

当然枕元にはその願いが成就するように言葉を書き綴ったものをおいておいた。


結果としては願いはこれ以上ない形で叶っていた。


そう朝目覚めると板前のような角刈りはサラサラの腰まで届くような烏の濡れ羽色の髪。

部屋に入ろうとする度頭をぶつけそうになる身長は、手を伸ばしてやっと届く程度に。

硬い筋肉で覆われていた俺の胸板にはこれでもかと言うほどの大きな胸が。

鏡の前にはむさ苦しいキモメン大学生の顔はなく10代後半程の可愛らしく整った顔があった。

それも女の子のものだ。


そう俺は女の子になったなっていた。

性転換。TS。トランスジェンダー。

様々な言い方があれど俺はそれを正しくこの身に体現していた。


ひとつ言っておこう。

俺は性同一性障害と言われるものでは一切ない。

俺の心は男性のそのものだし、男に対して恋心を抱いたこともない。

俺は世の中男性が一度は思ったことがあるであろう可愛らしい女の子になるという希望が他の人に比べて少しだけ強かっただけである。



閑話休題


女の子になったらやりたいことは人それぞれだろう。

おしゃれがしたい、女の子の声で歌を歌ってみたい、女の子と遊びたい、えっちなことがしたい。

他にもまだまだあるだろう。

そこで俺が今一番してみたいことそれは、知り合いにいたずらすることだった。


俺はケータイを取り出し悪友の一人橋口雄也にメールを打つ。

内容を簡単に纏めるといいもの見せてやるからうちに来い。

そんなものだ。

雄也にどんないたずらをするべきか。

一番初めに思いついたのはシンプルに朝起きたら女の子になっていたなっていたと告げる。

確かに驚くだろう。しかしこれはいたずらではなく只の報告だ。却下。

二つ目は俺の妹として接して雄也のことを好きと思わせるような素振りをする。なかなかいい案だが残念ながら雄也は俺に妹がいない事を知っていた。

そこまで考え俺は裸エプロンというものを思い出した。

やることは簡単だ。俺が裸になってエプロンを付け雄也に料理を振舞う。


やることがきまったなら、と俺はナニを作るかを確認するために冷蔵庫へと向かった。







裸で材料を斬る。裸で鍋を振るう。裸で料理を盛り付ける。

エプロンを着けているとはいえスースーする。

料理が8割ほどできたところでチャイムがなった。

すぐに玄関へと向かうがすぐには開けず、しっかりと覗き穴から誰が来たかを確認する。

元男とはいえ今の格好は裸エプロンだ。

もしドアをあけて目の前にいたのが宅配便のお兄さんでした。なんていったら目も当てられない。

案の定ドアの前には普通に雄也がいて

そんな考えは既に頭からは消えていた。


「いらっしゃい雄也さん。」


男の俺の声だったら思うと吐き気を及ぼすが今の俺の声は鈴の音のような可愛らしい声。

そしてそんな可愛らしい声で出迎えられた雄也とは言うと口を必死にパクパクさせていた。

きっと酸欠だろう。


「雄也さん早く上がって下さいよ。ご飯焦げちゃいます!」


そう言って急かすと雄也は無事再起動したらしく、良く分からない相槌を返して前かがみになりながら俺について来る。


「もう少しで出来上がりますからね。」


そう言いながら料理を次々に皿へと盛り付けてはテーブルへと運んで行く。


最後の一皿というところで雄也がようやくまともな言葉を発した。


「ええと、今頃だけど君誰? 確かここ松本優斗さんの家ですよね?」


実に想定道理な質問をされる。

もちろん答えは考えてある。


「誰って松本優ですよ。雄也さんの彼女ですよ? それに優斗さんって誰ですか?」


「あ、あぁ優かゴメンな。なんか勘違いしてたみたいだ。」


雄也は彼女と言う言葉に舞い上がって俺こと優斗の事はどうでも良くなったらしい。嗚呼悲しき友情。


「そんなことより早く食べましょうよ。冷めちゃいますよ?」


「そうだな。いただきます。」


そう言って雄也は料理を食べ始めた。 因みにメニューはというと簡単なサラダにペペロンチーノ、ガーリックトーストに鳥のパルメジャーノ焼きの4品だ。


「どうですか? お口に合いましたか?」


「もちろん!こんなお店みたいに美味しく出来るってすごいね。」


正直な所予想以上に喜んでいた。

それにしてもガン見である。何かは言わなくても分かるだろうがガン見である。


そんなことは言わずに会話は少ないながらに談笑しながら飯を食べ終えると俺はもう少しいたずらしてみることにした。

簡単なことだ俺は雄也に近寄って耳元でそっと囁いた。


「さっきから胸見すぎですよ」


雄也の胸のあたりで指を回しながら言うとあっという間に雄也は真っ赤になった。


「見ていいんですよ? 私祐也さんのこと大好きですから」


そう言うと雄也は耳まで真っ赤になったまま答えた。


「優。愛してるよ」


正直寒気がした。めちゃくちゃ気持ち悪かった。

言うのはいいけど言われるのは嫌だ。

まあネタバレするには絶好のタイミングだろう。


「バーカ俺は優斗だよ。朝起きたら女の子になってたからお前をからかってみたら真剣な顔で愛してるって、めっちゃ気持ち悪い。」


ゲラゲラと笑っているとプルプルと肩を震わせながら立ち上がって……押し倒されたのか?

え? まじ? 無理そういうのいらないから……



続きはノクターンで

注続きません。

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