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戦国リーゼント  作者: 寛喜堂秀介


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22/34

それでも城にゃ違いない



 越前の奪還、加賀かが侵攻。

 中国侵攻に本願寺攻めと、織田家が多忙を極めるなか、信長から、正道に招待の手紙があった。



「兄上からの招待ですの?」


「あァ。安土の山に城ォ作ったから見に来てくれ、だってよォ」



 妻のふみに隣から尋ねられて、正道はうなずいた。

 それを聞きつけて、子供たちが目を輝かせる。



「ちちうえ、近江に行かれるのか?」


「ちちうえ、行かれるの?」


「おォ、三郎、三重。ちょっと行ってくるぜェ」



 娘の頭を撫でながら、正道はふたりにほほ笑む。



「はいっ。熱田の留守はお任せください」


「みえ、いっしょに行きたいの」


「こら、三重。父上は大事な用で行かれるのだから、我がままを言うでない」


「むー。ちちうえ、おみあげね」



 いいお兄ちゃんしている三郎に苦笑しながら、正道は笑って三重に親指を立てる。



「わかったぜェ。織田の叔父さんのぶながによォ、いいもんもらってきてやるから、楽しみにしてろよォ」


「……父上、くれぐれも右大将のぶなが様に失礼無きよう」


「わかったわかった……なにがおかしいんだ、歳三」



 様子を見ていた副ヘッドの佐々木歳三に、くすりと笑われて、正道は目を眇める。



「いや、よくもお前から、こんなにしっかりした子が生まれたものだと思ってな」


「うるせェよ……トシ、お前も安土に行くかァ?」


「よしとこう。武田との戦ではだいぶ無茶をしたからな。お前が出るなら、オレと三郎は残ったほうが、熱田の連中も安心するだろう」



 そんな会話をしながら、ふたりは外をながめる。

 その先には、繁栄を極める熱田の町がある。



「ぱらりらぱらりら」



 馬鹿どもの元気な声が、今日も響き渡っている。







 琵琶湖の東岸を間近に望む安土山。

 そのふもとには、おびただしい人で賑わう街が広がっている。



「ここが、安土かァ」



 パーツをバイクに戻したため、多少まともな外見になった馬に跨り、リーゼントを風になびかせながら。正道はつぶやく。



「へー。ひょっとして熱田より人がいるんじゃないっスか?」


「おォ。なかなか面白いぜェ。さすが、織田ののやることだぜェ」



 舎弟のヤスの言葉に、正道はうなずいた。


 延暦寺を排除し、堅田かたたを従え、さらには琵琶湖周りに配下諸将の城を造ることで、一手に握りこんだ琵琶湖水運の利権。


 安土は人と銭の、一大集積地になっている。



「おお、山田さま。しばらくぶりでございます」



 と、唐突に声をかけてきたのは、見知った顔だった。



「よう、藤吉郎じゃねェか。元気にやってるかァ」


「はっ。主に従い東奔西走とうほんせいそうの日々でございます」



 正道が声をかけると、藤吉郎は元気に答えた。


 藤吉郎は、現在羽柴秀吉を名乗っている。

 出世に出世を重ね、今は信長の息子を養子に持つ一門武将として、播磨はりま国を預かり、織田の中国攻めを指揮する立場だ。



「おう、藤吉!」


「ヤス、久しぶりじゃな」



 親友と言っていい間柄のヤスが声をかけると、秀吉は親しげに肩をたたく。



「おう、お前らァ。つもる話もあるだろォ。オレァ織田のんとこへ行ってくるからよォ、どこかで時間ツブしてろよォ」


「あいや、これはお気遣い、いたみ入ります!」



 正道の言葉に、秀吉は人好きのする笑顔をうかべ、頭を下げた。



「ではヤスよ。わしの屋敷に行くか。かみさんもよろこぶでよ」


「ああ、それならウチもヨメ連れてくりゃあよかったっスねえ」


「こりゃ。お主もあるじに従ってきたのだろうに……今度また来てくれや。実はまた普請ふしんのことで相談があってのう……」







 安土城にひときわ高くそびえたつ高層建築、天主。

 その頂上へと案内されながら、正道は豪奢ごうしゃに飾り立てられた建物内部に感心する。


 天主頂上の部屋に、政務をとる信長の姿があった。



「安土の町を見たぜェ。さすが織田の。やることがでけェ」


「山田の」



 正道が笑って声をかけると、信長は筆を止め、笑う。



「それほどでもない。お主も伊勢湾に人を集めておろう。似たようなものよ」



 正道の場合、人を集めた、というより、結果集まった、という方が正しい。


 なにしろ熱田には金がある。

 職人も商人も、商売のタネも無数にあるし、土木作業や道路整備など、行けばなにかしら職にありつける。

 大半が正道たちの気まぐれと必要に迫られた事情からなのだが、結果として、熱田は東海に名だたる大都市となっていた。



「集まりすぎて、図書のとっつぁんも途方に暮れてたぜェ」


「溢れた人が、安土や岐阜にも流れているのだから、こちらも助かっている」



 窓の外からは、安土の街並みが見える。

 人々の営みを遠目に見やりながら、信長は語る。



「仕事があれば、人は来る。琵琶湖周辺に城を建てて回ったのも、水運支配はもちろんとして、まず、人を集めるためよ」



 信長は安土における楽市楽座令を発している。

 これも、安土に人を集めることを主眼に置いた政策だ。



「守るためじゃなく、人を集めるための城か……ヘンな城だ」



 言いながら、正道は笑う。



「――だけどよ、織田のォ。やっぱり城にゃ違いねえなァ」



 正道の言葉に、信長も笑った。






 信長「町割はこの地図(全国道路マップ)の市街地を参考にお願い」


 丹羽長秀「」




道路マップがあるせいで、

安土城じゃなくて近江八幡城を建ててる可能性が高い気がします。

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