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優しい灯  作者: 豆大豆
2章
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変わる放課後①

「学校が終わったら連絡ちょうだい。駅前で待ってるから」

「うん、ありがとう」

朝、家を出る前、お母さんとの短い会話。


昨日の夜に塾に行くことを相談して、さっそくお母さんと一緒に申し込みに行くことになった。

放課後になったら、急いで駅前でお母さんと合流してそのまま塾に行く流れだ。

それだけで、成績に関しては少しだけ光が見えた気がした。

まだ何も解決したわけじゃない。あとは私が頑張るしかないけど、自分の選択が行きたい未来につながっていると思えた。



放課後。

私はカバンに荷物をまとめた。

同じクラスの友達は「じゃあ、また明日ね」と私に手を振って教室を出ていく。

私も「またね」と小さく手を振り返した。

皆、それぞれに受験に向けて準備をしているのだろう。


私は図書室に顔を出して、日向くんと夏海さんに「塾に行くから、図書室で勉強ができなくなる」と伝えるべきか、迷った。

だけど正直、気が進まなかった。

伝えるべきなのは分かってるのに、ふたりのところに顔を出すのに抵抗があった。

それでも、図書室に向かおうと決めて、廊下を歩いていった。


図書室のドアの前に立ち、扉を開けようと取っ手に手を伸ばした。


ふたりはもう来ているかもしれない。

きっとふたりは、いつものように私を笑顔で迎えてくれて、話を聞いて、塾に行くという私の選択を尊重してくれるだろう。


そう考えたところで、伸ばした手を戻してしまった。

今の私には、その優しさも正しさも、突き刺すような痛みを感じるだけだろう。



……私、ほんと嫌な奴だな。


図書室に背を向けて、カバンを肩に掛けなおして、昇降口へと向かっていった。

早足で歩く自分一人の足音が廊下に響く。

途中、笑いあいながら友達と並んで歩いている生徒とすれ違う。

今はそれが妙にうらやましく思えた。

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