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優しい灯  作者: 豆大豆
2章
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つかの間の息抜き

夏休み明けの校内模試は、三年生をあっけなく現実に引き戻す。

三人にとって、夏休みに積み重ねた努力と図書室の勉強の成果が現れるか、数日後に届く結果を待つしかなかった。


放課後、三人はいつものように図書室の大きな机に集まっていた。

悠の正面に咲が座り、その横に夏海が座っている。

いつの間にか、咲の横が夏海の定位置になっていた。


模試に頭をフル回転させたためか、もう勉強する元気は残っていなかった。

悠は机に突っ伏しながら気だるげに声を漏らした。


「疲れた……三年の範囲が入ると一気にキツいなあ……」


「うん……でも、春の模試のときよりは解けたかも」


咲も小さくつぶやく。その顔はわずかに安堵の色が浮かんでいた。


「私も前より手応えあり!二人に教えてもらったおかげ」


夏海は咲と目を合わせ、小さく笑みを交わした。


「うん、まあ俺も程々かな…」



悠の動きを真似するように机に突っ伏していた夏海は、ぱっと顔を上げ、口元にいつもの明るい笑みを浮かべた。

「よし、今日は息抜きしよ!カラオケ行かない?」


その提案に二人は一瞬だけ目を合わせた。


「……俺、カラオケなんてもう何年も行ってないなあ」

「私も……」


その空気を察して、夏海はすぐに提案を切り替えた。


「んー、じゃあファミレスはどう?」


悠は少し考えこみ、それからぽつりとつぶやいた。


「……いや、久々にカラオケも悪くないかな」

「私も。あまり歌えないけど……」


二人の言葉に夏海は少し驚くような顔をした。

「えっ良いの?無理に付き合わなくても……」


「いや。むしろ普段行かないから、ちょうど良い機会かも」

「うん。あ、でも歌うかわからないけど……」

「ん、りょーかい!歌うのは自由で!じゃあ行ってみよ!」


その言葉をきっかけに、三人は立ち上がり、外に出る。

空は高く澄んでいるのに、厳しい残暑が遠くの建物を陽炎で揺らめていた。


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