表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
優しい灯  作者: 豆大豆
1章
52/145

気持ちのかたち6

図書室どころか、学校全体の気配が静かになったように感じた。

咲は自分の心音が、少しだけ早くなっているのが分かった。


ゆっくりと、バッグの中に手を伸ばして、ラッピングをそっと取り出した。

咲は小さく、深呼吸する。

斜め向かいにいる悠は、精いっぱい手を伸ばしても届かない距離にいた。


だから、椅子を引いて、立ち上がった。


その音で、本を読んでいた悠が顔を上げた。

視線が交差する。


悠の席までの距離は、わずか数歩。

さっきまではその距離が、どうしようもなく遠かった。

でももう、動くと決めた。


咲はゆっくりと向かい、悠の横の椅子を引いて腰を下ろした。

悠のほうに体を向けて、まっすぐに目を見た。


「……あの、日向くん」

消え入りそうな声で、だけどはっきりと、名前を呼んだ。


「……うん」

悠は本を閉じ、しっかりと咲の視線を受け止める。


咲の唇がわずかに震える。

一瞬ラッピングに視線を向けると、またすぐに悠へと視線を戻した。

「……バレンタインだから。

 これ、受け取ってほしいなって、思って」


今朝から守ってきたラッピングの袋を、そっと悠に差し出した。

リボンの結び目が、かすかに揺れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ