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優しい灯  作者: 豆大豆
1章
49/145

気持ちのかたち3

咲は自分の部屋で机の上を眺めていた。

机の上には、ラッピングの準備が整えられている。

昨日買ってきた、オレンジピール入りのトリュフが入った白い箱。

自作のトリュフは、特に形のいいものを3個だけ選んで、小さな袋に詰めた。

さらに、ラッピング用の袋とリボン、そして未記入のカードが一枚。



ラッピングの袋を手に取り、

まずはオレンジピールのトリュフを箱ごと入れる。

見た目の存在感もあり、どうしても目立ってしまう。

その上に、自作のトリュフを乗せる。

買った箱の隅に寄り添うぐらいで、ちょうどよかった。


最後に、カードを手に取った。


最初は書かなくても良いと思った。

でも、やっぱり、ひと言だけ書くことにした。


「いつもありがとう」


筆圧は弱め。

途中で何度も迷って、書き直したくなったけど、そのままにした。


右端に、猫の顔を描く。

まんまるの輪郭と、三角の耳。

いつか、ノートの隅に描いていた猫を、悠が見つけて笑ってくれたっけ。


(……思い出してくれたらいいな)


咲は、自分でも気づかないくらい小さく笑って、

カードも袋に入れたあと、ラッピングの口を閉じて、リボンを何度か結びなおした。

うん……それっぽくなったと思う。


明日、本当に渡せるかはわからない。

タイミングも、言葉も、まだ考えていない。


でも。

持っていくだけでも、少しだけ自分が前に進める気がした。


(受け取ってくれるかな)


少しの不安と、期待が胸に宿っていた。


その夜、眠る時。

咲は袋を枕元の棚に置いて、布団にくるまった。


袋の中には、咲のあたたかい気持ちが優しくこめられていた。

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