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優しい灯  作者: 豆大豆
1章
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言葉の風景7

最後のグループが戻ってきたのを確認して、教卓の前に立つ秋が静かに口を開いた。


「皆さん、戻ってきましたね」


少し間を置いて、つづけた。

「日常の風景を文章にするのって、意外と難しかったと思います。

でも、皆さんは書いてくれました。それだけで充分です。

授業はこれで終わりです。お疲れさまでした」


その時、放課後の始まりを告げるチャイムが鳴り響いた。


教室の中では、生徒が帰り支度を始めた。

咲と悠も荷物をまとめて席を立った。


廊下からは、先ほどとは打って変わって放課後のにぎやかさに包まれていた。

咲が荷物が入ったカバンを肩にかけると、


「藤音さん」


教室のざわめきに紛れて、悠が声をかけてきた。


「俺、今から図書室にちょっと寄るけど、藤音さんは?」


言い終えてから、悠はそっと視線を逸らした。

誘ったというより、ただ聞いただけ。そんな空気を装っているように見えた。


咲は間を置かずに、小さくうなずいた。


「……うん。私も、寄ろうかなって思ってた」


それを聞いた悠の表情が、少しほっとしているように見えた。


「そっか。じゃあ、いこう」


並んで廊下を歩く咲と悠の間には、やっぱり言葉は少ない。

だけど、それが居心地の悪いものじゃないことは、もうふたりともわかっていた。

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