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【詩集】Shangri-La

雪と湯の花と君と

作者: 野鶴善明


 ホームへ降りたら

 湯の花の香り

 君は白い息を吐き

 静かに降りしきる

 雪を見上げる


 人影もまばらな温泉町

 純白に埋もれた児童公園

 僕らの前を歩く

 放し飼いの柴犬

 ともだちになりたいと

 柴犬は振り返りふりかえり

 僕たちを見つめた


 雪が音を吸い取るから

 僕たちの足音も聞こえない

 つつましい教会

 十字架に降る雪

 神さまが拵えたこの世界で

 愛しい君と過ごす人生


 露天風呂

 湯けむり

 ぼた雪が

 舞い降りてはとける

 湯の花の香りを

 胸いっぱいに吸い込めば

 とろけるように

 身体中の力が抜けた


 窓の外は白い渓谷

 君は瞳をゆらして

 初めての雪景色を見つめる

 僕は背中から

 そっと君を抱きしめる

 やさしく抱きしめる

 


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― 新着の感想 ―
[一言] 冷たい冷たい雪の中から、温かくてたまらない締め括りが素敵でした。 Twitterよりうかがいました。 terra.
[良い点] 「雪が音を吸い取るから 僕たちの足音も聞こえない」 この表現にとても惹かれました。 [一言] 野鶴さん、お久しぶりです。 読ませていただきました。 すごく素敵な詩だったので思わず感想…
[良い点]  >君は瞳をゆらして  初めての雪景色を見つめる  僕は背中から  そっと君を抱きしめる  やさしく抱きしめる いや〜ん 素敵すぎ!! 興奮しました! 今回も素敵な詩をありがとうござい…
2023/02/18 08:16 退会済み
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