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転生した女マフィアは異世界で平凡に暮らしたい ~暗殺者一家の伯爵令嬢ですが、天使と悪魔な団長がつきまとってきます~  作者: 甘寧
スミリア

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第43話

ワァァァァァ!!!!!


中央へやってくると、結構な見物人がいることに驚いた。

あんまり目立つのは今後厄介になるから避けたかったのに……


(まあいい。()()()()範囲でやるだけだ)


バルコニー席には国王夫妻にアランが座っており、こちらを見下ろしている。





「ほお?エミールを相手にするのか?」

「ええ。どうせやるなら弱い者より強い者とやりたいです」

「くくくっ……あはははは!!!面白い、気に入った。お主の希望通りエミールを用意しておこう」


国王とそんなやり取りがあり、今この場でエミールと対面している。


「父上。やはりこんな事はやめた方が──……」

「黙れアラン。なに、いくら彼奴でも令嬢相手に本気でやるはずなかろう?」


ニヤつく国王と心配そうに見つめるアランだが、そんな親子の会話は当の二人の耳には入ってこなかった。





「やれやれ、とんだ見世物ですね」

「本当、おたくの国王はいい趣味してますね」

「あはははは、けれど、そのお陰でこんな美しいご令嬢と剣を交える事が出来るんですけどね」

「はあ……まあ、お手柔らかにお願いしますよ?」


両者とも模擬剣を構えた。

流石に国王の戯れ如きに真剣は使わない。


勝負は泣いても笑っても一本のみ。


(……矢筈か)


矢筈とは日本刀ではよく見られる構えだが、洋刀にしては珍しい。


「……参ります」


呟くように言うと、先手を打ってきた。

まあ、ちゃんと受け止めてやったやったけどね。


「おや、この一撃で倒れる予定でしたのに……」

「そう簡単に倒されてたまりますか。貴方が思ってる数倍は頑丈にできますよ」

「それにしては、あちらの方々が心配そうに見ておりますが?」


エミールが指した先にいたのはアルフレードとエルス。

その顔は怒りと焦りと不安が入り混じりなんとも言えない顔をしていた。


これは、後が怖いな……


なんて悠長に考えていると、剣が風を切り頬を掠めた。


「ふふっいけませんね。試合中によそ見をしていると怪我をしますよ?」

「仕向けたのは其方でしょう?随分汚い手を使うのね」


嫌味ったらしく言うが、当の本人はあまり気にする素振りがない。

とはいえ、こんなくだらない事で時間を取ってる場合ではない。

私は短期戦派だ。長期戦になればなるだけ不利になる。


(ん~……それは分かってるんだけどねぇ……)


フーッと息を吐きその場でトントンと足踏みし、その勢いでグッと地面を蹴った。


キンキンッと刃がぶつかり合う音が場内に響き渡っている。


見物人達は令嬢如きがエミールと対等に剣を交えていることに驚いて声も出せないでいるようだ。


「──素晴らしい。私の隊の者よりも腕がいい」


恍惚の表情を見せながら、楽しむかのように私の剣を弾いていくエミール。


「ああ……凄いな……」


そんな事を呟きながら剣を振り下ろしている。

心做しか剣のスピードと威力が徐々に上がっている。


(こいつ……!!)


薄々感じていたが、この男……──異常性癖者か!!!


気持ちが昂ってると思ったが、この感じは違う。

これは、人をいたぶる事に悦びを感じるタイプの人間だ。

しかも相手が強ければ強いだけ、いたぶった(負かした)時の快楽が大きいとみえる。


(初対面の時の悪寒はこれか……)


思わず溜息が出た。


「貴方は本当に素晴らしい。女性でこんなに興奮したのは初めてです」


快楽に酔いしれるかのように頬を染めながら話すエミールを見て、背筋に冷たいものが走った。


「まあ、人の性癖に難癖付けるつもりはありませんけど、貴方も大概いい趣味してますね」

「ふふっありがとうございます」

「……褒めてねぇよ」


こんな変態の快楽の為に負ける訳にはいかない。


「ああ、このまま()ってしまいたい……貴方はどんな顔をして()くんでしょう……」


官能的に聞こえる?そんな事微塵もないから。


不気味に微笑みながら攻撃を仕掛けてくるエミールを交わしながら、こちらも手を休めず攻撃を仕掛ける。


(女性に怪我をさせないんじゃなかったのか!?)


お互い模造刀が当たった箇所には痣が出来ており、激戦だと言うことが一目瞭然だった。


「あははははは!!!こんな快感感じたことがない!!もっと、もっと!!私を悦ばせて下さい!!」


そう言うなり攻撃の威力が明らかに変わった。

次の攻撃に備えるために足を踏ん張ろうとした瞬間、足がもつれ体勢を崩してしまった。


しまった!!と思った時にはもう遅かった。


目の前には狂人の目をし、ほくそ笑んでいるエミールが物凄い勢いで剣を振り下ろす瞬間だった。


キンッ!!!


「──そこまでだ」


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