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魔王の入ったアイテムボックス  作者: ぴよぴよまおう
3/6

太陽光線に焼かれて幻を見る

最初から説明すると、だ。


他の『ゆうしゃ』の末裔の例に漏れず、私もある日突然その力が発現した。何歳で出て来るかってのはランダムらしく、隣村じゃ十何年か前にヨボヨボのお爺ちゃんが急に足腰しっかりとんでもない速度で走り出したって聞いた事がある。情報元は酔っ払いの父であったので、真偽の程は定かでないが、まぁそんな感じ。


私の場合は15歳、それは畑仕事を手伝っている最中に突然やってきた。




。、。、。、。、。、。、。、。、。、。、。、


「あっづー……」


夏の盛り、簡素な帽子を被り、かんかん照りの日の下で雑草の処理に精を出していた時の事。どうでも良いけどさぁ、なんで夏ってあんな暑くて雑草がわっさわっさ生えるんだろう。忌々しい。


で、そんな時、急に横から声が聞こえてきたのだ。


「あ゛ー………ん゛ん゛!!………ぉぃ…おい、そこな娘。」


「あん?」


聞き覚えのない声。

王宮に内定を決めたスミナちゃん目当ての貴族がまた使者でも送ってきたのか?とも一瞬思ったが、どうにも声が近い。すぐ横から聞こえる気がする。

が、その時居たのはそこそこ広い畑のど真ん中。

一緒に作業してた父も近くにはおらず離れた所で雑草の駆除に精を出していた。

いちおー、くるっと見渡す。

うん、周りには誰も居ないね。

ひゅーー幻聴だーーーい。



「おいお前だお前、聞こえておるのか?おーい、耳が遠くなる歳ではあるまいて」



ふむ……。暑さで遂にイかれたかな。幻聴が聞こえる。ムカつく貴族みたいな喋りの、若い男の声だ。こういう時は、塩舐めて水飲んで日陰で休むに限る。


「お父さーん!!ちょっと暑さで死にそうだから一休みしてくるねー!!!」


「おーう!!!分かったーーー!!行ってきなー!!」


.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.,.


で、木陰で水飲みながらだらけてたわけなんだけど。


「なぁおい、聞こえてるだろう。無視は非道いのではないか?なぁ、無視は傷付くであろう。なぁ……聞こえてる、よな……?え、ホントに聞こえてない……?」


声が消えない。そこそこの時間休んだ筈なのになぁ…。疲れてるのかなぁ…。まだ若いのに、今からそんなでは未来の旦那にだって逃げられてしまう。それは御免被りたい。


「クソ……!!久しぶりに外に通じたかと思えばこの仕打ち……。あの男、我の事忘れているのではなかろうな…。口は小さいし女しかおらぬし、全くどうなっているのだ…。」


あーーーーもう何さ何さ!さっきから!!


「耳元でうるさい……」


途端、耳元で更にドンガラガッシャーンッッ!!となんか事故った音が聞こえた。

うるせぇ!!!!!


「は、ハハハハハハ!!なんだ聞こえておるではないか娘よ!!この我を焦らせてくれよって、全く!楽しませてくれるわ!!あ、さては難聴か?それならば我自ら補助魔法をかけてやっても良いぞ?何、対価は何か美味い食い物で良い。この我自ら補助魔法をかけるなどよほどの事が無ければ有り得ないのだぞ?しかしまぁ感謝と称賛はほどほどで構わん!あの小賢しい軟派男は姿が見えんようだし、今後お前に我が至言が届かぬとなると我もまた少々不便なのでな!フフ、お前程の歳の娘ならば自らの肉体に対し恥と感ずる部分もあるやもしれぬが、そんなもの補助魔法でちょちょいであろうが。そこまで気にしなくても良いぞ。うむ、祖先より継がれてきたその血と肉を誇り、胸を張って生きていくが人の歩む正しき道というもの。いやしかし、お前には張るほどの胸はなさそうか……すまんな!補助魔法では胸の大きさはどうにもならぬでな!ハッハッ、もう少しばかり我に魔力が戻りさえすればそれもどうにかなるが、肉体の改造や変形は受ける側の負担が大きくてな、どうも作り変える最中に絶命するか精神が狂いがちでな…。それでも、というのなら然るべき対価と忠誠心を奉ずるのならば五体投地のお前に施してやらん事も無い。狂おうと死のうと我が偉大なる魔により今以上に忠実な僕としてその後も仕えさせてやる故心配などせずとも良い。動く死体リビング・デッドや精神支配の魔法はちと、僕としては不出来ではあるが…ま、問題なかろう!!その貧相な胸、我に任せればたちどころに………」



「うるせえええええええええ!!!!!」



うるせえ!!

うるせえうるせえうるせえ!!!!

なんだウザいし話長いし胸が小さいのは別にいいんだよ需要だって十分あるんだ誇れるステータスなんだよ!!でけえもん胸に垂らしててどーせ不便しかねえからな!!でも重さとかは実際耐えられなくもないし、まぁ今後はどうせ大きくなる予定だからね、それはそれで、うん。

だから勝手に憐れんで貧相とか言ってじゃねえ!!〇すぞ!!


「ムゥ…貴様の方がよほどうるさいではないか…耳が壊れるかと思ったわ。フフン、まぁ良い。特と許そう、今の我は気分が良い。とりあえずホレ、聴覚補助の魔法をかけてやったぞ。対価をよこせ。美味い食い物だ。上質のコアトルのステーキ、50年程熟成させた赤ワイン、あとはまぁ何か冷やした新鮮な果物なんかを食後に頼む。」


む、無駄にお高くとまってやがる。私の幻聴の分際で。

大体コアトルなんてむかーしに絶滅した魔鳥なんでどうやって手に入れろってんだ。幻聴の癖に妙にリアルな事言いやがって。声だけでなかったらぶちのめしているところだ。


はぁ、と溜息混じり。

私はちらりと横を見てみる。


………う~ん、この歳で幻聴と幻覚のコンボは真面目にちょっと困るんだけどなぁ。



「おいそこな娘!聞いておるのか!?おい!この『魔王』たる我が話しかけておるのだぞ、不敬なのだぞ!」


『まおう』の幻かぁ~~……。

続きはかなりあとになるかも

ワンチャンエタるぜ

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