短編詐欺や連載ガチャの問題はなろうのポイントやランキングシステムに、読者の読み方と作者の承認欲求が重なって生み出しているものだと思うよ
さて、少し前は連載作品の人気が落ちると、その作品を放り投げて、新しい連載を開始する連載ガチャが問題とされました。
そして最近は短編と称して導入部分の文章だけ掲載し、その評価が高ければ連載しますという、いわゆる短編詐欺が問題になっていますね。
でまあ、それが何で問題になるかといえば、ランキングに乗るくらいには人気作品をかける人のほうが、そういうことをすることが多く見えるからでしょう。
で、まあなぜこういうことが起きるかといえば、根本的にはなろうにおけるポイント制度とランキング制度にあり、さらには読者の読み方と作者の承認欲求が重なって生み出しているものだと思うのですね。
まずなろうにおけるポイント制度の問題ですが、基本的に運営側は明確にポイントを入れるための基準を設けていません。
どういうタイミングで入れるかも自由ですし、星が一つがどう意味でとらえるかも作者や読者の自由ですというスタンスですね。
なので星一つでも評価してるんだからいいじゃんという読者と、星一つという最低評価をされたから泣きたいという作者の間に齟齬が生まれるわけです。
そしてなろうでは序盤のポイントの多さで日間ランキングに乗るかどうかがほぼ決まり、そこで乗れない場合は、その後はほぼ浮上するのは難しいのが現状です。
なので、作者はいかにして序盤でポイントを稼げるかだけをまず考えることになります。
人気ジャンルのランキングが追放や婚約破棄などのざまあばかりになるのも、序盤でポイントを稼げるから当然ですね。
で、ある程度まで話が進み、大抵の作品ではざまあが終わると、読者もそこで満足してしまうので評価ポイントは当然入ってこなくなります。
なので、面白くないと思われているのかなと考えてしまう訳ですが、実際にざまあ要素が終わると途端につまらなくなる場合が多いのは事実でもあるとおもいますね。
そしてほかの作者もまずは序盤の面白いざまあな話をどんどん投稿するので、読者もそういった作品を読みにいってしまう訳です。
そうなると日間ランキングには序盤だけ作品がどんどん増えていくわけですね。
だって、一つの物語としてきちんと山場などがあるかどうか、きちんと作品をまとめているかは、作品評価とまったく関係なく、そのシーンが面白いもしくは面白くなりそうで評価されるのですから当然ですよね?
さらに、そういった作品はまずどう終わらせるかを考えて書かれているわけではなく、まず最初にランキングにのるにはどうすればいいかばかりを考えて書かれる訳ですから、大抵は出オチで序盤だけしか面白くない作品になるのは当然でしょう。
そして読者もそういった作品にほいほいとポイントを入れては、面白くなくなったなと思えば新しい作品をまた読みに行くという悪循環な訳ですね。
これが書籍化のために行っているのであれば、結果としては書籍の打ち切りを加速させているだけだと思います。
だって、序盤以外は全く面白くもなく話としてまとまっていない、しかも展開もどこかで見たような内容の小説をわざわざ金出してまで買いますか?
といってもなろうの運営さんがポイント制度やランキング制度を変えることはないと思うので、今後どうなるかといえば、なろうからの書籍化作品が売れずに打ち切られてばかりになって、なろうからの書籍化がとても難しくなるだけだと思います。
書籍化を目座す、もしくは小説を書くことで金を稼ぎたいと思う人はカクヨムやアルファポリス、ノベリズムなどのサイト投稿で収益が得られるサイトに移動していって、なろうでは趣味で小説を書く人だ大半になっていくのかもしれません。
無論それでもランキングに乗るといううれしさを味わってしまい、その後にだんだんポイントが入らなくなるという現象につらみを感じて、短編詐欺や連載ガチャをやってしまう人は残ると思いますが。