◇プロローグ◇~魔法少女編~
私は愛麗。
生まれた頃から不思議な力を持っている。
......でも、知っているのはそれだけ。
お母さんもお父さんも知らない。
どこで産まれたかも知らない。
"愛麗"という名前は後からマスターに付けてもらった物。
マスターというのは私の親に近い存在で、
私が幼い時に川辺で見つけて拾ったらしい。
私は「拾われた」というのに妙に違和感を覚えているのだけれど、
今、私が生きていられるのはマスターが私を拾ってくれたからだからあまり気にしないことにしている。
マスターはいつも私にこんな話をしてくる。
______貴女様のご両親は、貴女様が生まれつき持たれている不思議な力を恐れ、
まだ3才の幼き貴女様を川辺に捨てたのです。
でも、悲しむ事はございません。
私、マスターが貴女様を拾い、
無慈悲な両親との心憂い記憶をけしましたので、ご安心を。
"愛麗"という名前は私が付けさせて頂きました。
愛しくて、麗しい。
そういった意味でございます。
学問、しきたり、常識、全てを教えたのは私です。
貴方様の持たれている不思議な力、「魔術」についても私ならお教えする事ができます。
お困りになった事がありましたら、なんなりと。______
月に一度はこの話を聞く。
聞く度に、いかに私の本当の親が苛虐で、
いかにマスターが優しい人だと言うことを思い知らされる。
本当の親は最低。
だから、私は無理に思い出す必要は無いの。
私は今、16才。
普通の人間とコミュニケーションを交わす事も重要なのですよ。
というマスターの一言によって私は高校に行くことになった。
入学先は明星高校。
転入生という設定で入る事になっている。
言語はマスターに教えてもらってるし、
勉強もマスターに沢山教えてもらってるからなんとかなるはず。
私は期待と不安を胸に、
高校生活をスタートさせた。
そして、高校ではオカルト研究部に入部し、
"魔法少女"としての能力を初めて身内以外の人に見せることになる。
私達の冒険が、
今......
......始まる!