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〜公立高校一般入試3日前〜
ピンク色のカーテンから零れる太陽の光。
外で光っている太陽を遮るカーテン。
埃が宙を舞う私の部屋。
暗い私の部屋。
頭を掻くと髪の毛が抜ける。フケが落ちる。
携帯に貼ってあるプリクラを見ると、携帯を壁に投げつけたくなる。
誰もいないキッチンに下りて、冷蔵庫の扉を開ける。
お父さんが買っていたカップ焼酎を取り出し、リビングのテーブルに置いてあるお父さんの煙草を持って二階に戻る。
カップ焼酎の蓋を開く。口に含み、ゆっくり喉元を通す。
―――不味い。
それでも、自分を抑えられないから飲み続ける。
咽る。
それでも、飲む。全部無くなるまで飲む。
すぐに頭が痛くなった。
次は煙草だ。
キャンドル用の燐寸を取り出し煙草に火をつける。
大きく息を吸うと奇妙な煙が口の中に、喉の中に、肺の中に入ってきた。
すぐに煙草を口からはずした。
咳が止まらない。
―――不味い。
私……なにやってんだろ……。
「ただいまー」
お母さんが帰ってきた。
時間を目覚まし時計で確認する。PM5時。
昨日の夜から今まで、ずっとカーテンを閉め切って酒飲んだり煙草吸ったりしてたんだ。
「お母さん!アカリ知らない?」
頭が痛いけど、酒や煙草をやったなんてお母さんには言えないから元気なふりをしなきゃいけない。
「……ミキ」
お母さんが俯きながら喋ってる。
「どうしたの?」
お母さんの顔色を伺う。
そして、
「ミキ!知ってるでしょ!アカリちゃんは……天国に逝っちゃったの」
って……。
私はお母さんの頬を強く叩いて部屋に戻った。
アカリ……。
大っ嫌い。