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親友との溝

 突然開いた保健室の扉に目をやると、口元を両手で覆った愛美が立っていた。


「愛美ちゃん!?」


 みるみる愛美の大きな瞳に涙が浮かんでいく。


「風花の裏切者! 明良君が好きなら教えてくれればいいじゃない! ひどい……ひどいわ!」


 そう言って保健室から身を翻して飛び出していく。


「愛美ちゃん、待って! 明良君重い! 邪魔!」


 未だに風花に覆いかぶさる明良を押しのけて、ベッドから身体を起こした。


 明良の神力による治癒はきちんと仕事をしたようで、肩こりすら治っているらしく身体が軽い。


「風花、ちょっと待て」


 明良の制止する声も聞かずに、愛美の後を追いかけた。 


 愛美の背中を追い掛けて前を走って逃げている愛美の二の腕を掴む。


「愛美ちゃん待って」


「いや! 離してよ」 


「お願い、話を聞いて」


「話? ふざけないで……私の明良君への気持ちを知っているくせに! 風花も明良君が好きなら教えてくれれば良かったじゃない! 親友だと思ってたのに!」


 風花は暴れる愛美の両腕を掴む。


「何言ってるの!? 私達親友でしょ?」 


 そう言うと愛美の憎悪がありありと見える瞳が風花を睨みつけた。


「あんたなんて親友じゃない!」


 掴まれた腕を風花の手から無理やり外して、そのまま風花の左頬を平手で張る。


 バチーンと頬を平手で張り飛ばした高い音が廊下に響く。


 痛みに目の前で火花が散ったような錯覚を覚える。


「だいっきらい!」


 そう言って走り去る愛美の後ろ姿を見送るしか無かった。 



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