第一章 hermit 弐
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───ひとときの沈黙。
「やはり私達は天上人だったのですね」
問い掛けるような奏の声が、突然沈黙を破った。
それまで薫のほうを向いていた香蓮は、今度は奏のほうを向いた。
「そうじゃ。おぬしらの瞳と髪の色、そして…ここにおることが何よりの証拠じゃ」
そんなことは当然だ、というように彼女は頷いた。
「では、私達は天上界に戻るのですね」
「は?何言ってんだ、お前?」
薫は奏の言葉が理解できていないようだった。
顔をしかめて、訝しげに彼のほうを見た。
二人のやり取りを見ていた香蓮が興味を示したのは、奏のほうにだった。彼女は奏に声を掛ける。
「おぬし、自らの力で封印を解いたのか。流石、我の弟子なだけある」
彼女は微笑みながら言った。その微笑みはまるで、女神の微笑みのように眩しく、美しかった。
彼女に見とれている彼の額には、彼女の額の紋章の位置と同じ位置に、月をかたどった紋章がうっすらと浮かんでいる。
「まだ、記憶が少しずつ戻ってきたくらいです」
奏は跪いて彼女を見上げ、照れて頬を薄紅色に染めながら言った。
薫は訳が解らないまま、立ち尽くしている。
「ならば、力も復活させねばのう」
そう言いながら、彼女は手招きをする。
すると二人は、滑るように彼女の元へ移動させられた。
何かに掴まれているわけでは無い。かといって何かに押されているわけでも無い。
流れの無い水面を滑らせる。相当なチカラを持っていなければ無理な芸当だ。
それを彼女は易々とこなしていた。




