CHANGE?!
ブーッブブーッ。
「莉央ー!起きなさーい!朝よー!」
一階からは母の起こす声が聞こえてくる。
目覚まし代わりの携帯のバイブレーションを止める。
AM6時。
「…朝が来ちゃったよ。」
…?
やばい…。
昨日、怒鳴り過ぎたせいか、声がいつもより低い…。
これじゃあ、まるで明け方のスナックのママではないか。。
莉央は大きく、ため息をつくと、ベットから降りて、トイレに向かった。
ふうっ。
莉央はいつものようにトイレに腰を下ろした。
…ん?
なんか、股間に違和感が…?
…?
…?!
えっ!?
バタンっ!
ダッダッッッ。
莉央はトイレから出ると、勢いよく階段を降りた。
「ちょっと、莉央ぉ?もっと静かに降りて来なさいよ」
母がイラつきながら莉央に言う。
「なっ!そんなことより大変なの!お母さん!」
「何よ、朝っぱらか騒々しいわね?」
「私、…男になっちゃったの!!」
「…えっ」
「莉央…あんた、まさか…」
「…信じられないとは思うけど…」
緊張が走る。
莉央はつばを飲み込む。
新聞を読みながらコーヒーを飲んでいた父と、母が顔を合わせ頷く。
そして父が口を開いた。
「まぁ…なんと言うか、莉央もそう言う年になったっていう事だなぁ?母さん。」
父親がワザとらしい咳払いをする。
はっ?
「…えぇ。そうねぇ。なんだか感慨深いわ。あの小さかった莉央が…。大人の男に」
えっ?
「だが、莉央、父さんから、これだけは言っておく。」
父が真剣な目をしてこちらを見る。
そして一言、こう言った。
「避妊だけはちゃんとしなさい!あちらさんの人生にも関わる事だからな!」
およっっ?!
「そうよ!相手を大切にするっていう意味でも大事だかね。まっお父さんと私は学生結婚だけどね〜」
「だね〜全然説得力ないね〜ん」
あははっと2人が笑い合う。
「…いや、そう言う意味ではなくてね?」
あまりの、両親の勘違いっぷりに、莉央は全身の力が抜けていくようだった。そして、朝からリアルな親の恋愛事情なんぞ、聞きたくは無い。
「あっそうそう、莉央、さっきから"私"とか、変なオカマみたいな言葉使いやめなさいよ?男の子が気色悪いわ」
…?!
「そうだぞ、そんな喋り方じゃあ、なんだ?明け方のスナックのママみたいだぞ。」
「あら?あなた、スナックに詳しいのね〜」
母親の目が急に鋭くなる。
「あっ、いや、これは一般論であってだな、なあ!莉央?!…って、莉央ぉ?おーい!何処行く〜?お父さんを助け…」
莉央は父の叫びを無視して、二階の部屋に戻って行った。
「男…の子?!」
確かに母はそう言ったのだ。
父も母もまるで私が最初から男だったような口調…。
演技…ではないよね?
莉央は姿見の前に立った。
そして、ゆっくりとパジャマの上のボタンを取った。
…胸が…ない!?
確かに、そんなに大きい方ではなかったが、いや、それにしてもこれはもう、小学生だ。
なんという…。
莉央は恐る恐る、下のズボンを覗き込んだ。
パチンっ!
瞬間、直ぐに閉じてしまった。
同世代の男の人のモノを見るのなんて、初めてだ。(いや、自分のなんだけどね)そもそも、男の人のソレ自体、小学生の時、父親のを見て以来だ。
…衝撃が強すぎた。
でも、なんというか…、男の人も色々なのかな。お父さんのはもっとこう、黒っ…。
…。
違う!そんな事はどうでもいい!
問題は、どうして私が男の子になってしまったのかだ!
そして…。
これから…どうすればいいのか。
莉央は熊のプー太郎を抱きしめた。
よく見ると、部屋も微妙に違っている。
莉央の部屋だけど、莉央の部屋では無い。
壁には男物の制服がかけられていた。
「プー太郎、私、これからどうなっちゃうの??」
「莉央〜!何やっているの?!遅刻するわよーー!!」
再度、下から母親の怒鳴り声が聞こえてきた。




