表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/400

 4 スイーツ研究所(3)

                           

                   4 スイーツ研究所(3)

  


「こちらの部屋が検査室になっております。ええと、はがきはご持参されましたよね。はい、まずは、そのハガキをこちらに下さい。それから検査は五人ずつになります。

 大体一回の検査に十五分ほど掛りますから、残りの方は廊下の椅子に腰かけてお待ちください。それではお名前をお呼びいたします」

 ユキオは七番目だったので、二回目に検査室に入ることになる。名前を呼ばれた後、再びはがきを持って入室した。検査の時、それをまた係員に渡すことになっている。


「えええっ!」

 検査室に入ってすぐ何人かが驚きの声をあげた。ユキオも声こそ出さなかったが、確かに仰天ぎょうてんした。


『女性が二人もいる。検査員は女性だったんだ。それにしても、び、美形だ! 顔立ちも、プロポーションも抜群じゃないか!』

 今まで一度も女性は研究所では見たことがなかった。初めて二人の研究員らしい白衣を着た女性に出会った。一人は二十五、六。もう一人は恐らく二十歳そこそこだろう。

 男性の研究員の時には大して気にも留めなかったネームプレートだったが、じっと見て、名前を覚えた。年上の方はキミエ、年下の方はアカリだった。

  

「はい、それでは、検査薬を飲んでいただきます。もしこれで具合が悪くなりましたら、お知らせ下さい。それから……」

 主な説明などはキミエが担当していて、アカリはその助手といった感じである。検査はどうにも不可解だったが、二人の美人に気を取られて、疑問を呈する者はいなかった。


 ユキオも手渡された小瓶こびんに入った検査薬なるものを飲んだのだが、五分ほどでひどく眠くなってきた。

「ああ、眠くなられた方はこちらへどうぞ」

 年下のアカリに言われるままに、別室に入って行ったのだが、そこで椅子に座っているうちにすっかり寝入ってしまった。


 それからどれだけの時間がたったのだろう、気が付くとベットに寝かされていた。しかしどうも様子がおかしい。体のあちこちに機械のようなものが付けられているし、点滴などもされているようなのだ。


『えっ、か、体が動かせないぞ。それになんだか頭が痛い!』

 何が起こったのか、全く分からなかった。意識ははっきりしているのだが、目が開かない。時折強烈に頭が痛くなるのだ。


 その様な状態が何時間続いたろうか、

「あなたは誰ですか」

 女性の声が聞こえた。これは多分、年上のキミエの声だろう。しかし答えようとしても口が開かない。


「あなたの名前を教えて下さい」

 再び同じ声がした。

「……あ、え、そ、……その、えっと、あれ。……ええと、俺は、……、ユキオ、……暁天ユキオ」

 口をうまく動かせずに、かなりつかえたが、何とか名前を言えた。しかし妙だった。聞きなれた自分の声ではない。


「やった、成功だ!」

「やりましたね!」

「いや、おめでとうございます!」

 ユキオの耳に歓声が聞こえてきた。かなりの人数である。スイーツ研究所では一度も聞いたことのない年配の男性の声なども交じっている。


 それから何時間かしてやっとユキオの目は開いた。相変わらず違和感がある。全身違和感だらけである。

『あれ、何だか背が伸びた気がするぞ。一体どうなっているんだ』

 目が開いてから数時間後、徐々に体を動かせるようになった。


「まだ立って歩くのは無理だから、はい、おしっこを出しましょうね」

 今度の声はアカリの方である。めちゃくちゃ恥ずかしかったが尿意が我慢できなくなって来ていたので、あてがわれた尿瓶(しびんに仕方なしに用を足した。しかしその感じも妙だった。男性器の形、特に大きさが違っていた。


『えええっ! 大きいぞ!』

 だんだんに、状況が読めて来た。


『俺は改造されたのか? 勝手に人体改造されてしまったのか? 全身すっかり改造されてしまったのだ!!』

 怒りが込み上げて来た。確かに、以前の自分の体に比べればずいぶん立派になっている。

『しかし、俺はそんなことは頼んでないぞ!!』

 怒りで体が震えた。 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ