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Messenger ~伝令の足跡~  作者: kagonosuke
第三章:工業都市プラミィーシュレ
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流言の裏側

 その夜、旧知の友を尋ねたユルスナールは、長椅子に腰を下ろすと背凭れに身体を預け、長い脚を持て余すようにして組んだ。

 ここは、【スタルゴラド第五師団】が拠点とする【ツェントル】の中にある最も奥まった箇所の一角である。この場所を取りまとめる所長が利用する、ごく個人的な客人をもてなす為の私的(プライベート)な部屋だった。

 「―――――で。その後の収穫は?」

 ユルスナールからの問い掛けに、硝子戸の中からボトルを取り出して手元のグラスに琥珀色の液体を注いでいたドーリンは、器用な手付きで均一に【ズブロフカ】がグラスを満たしてゆく様を眺めながら、静かに口を開いた。

 「噂の出元は分からん。今となってはな。大体、噂とはそういう類のものだろう?」

 至極まっとうな正論を吐いた男の背中をユルスナールは、ちらと一瞥しただけだった。

 それはユルスナール自身もよく分かっていた。


 ――――――ガルーシャ・マライには最後の弟子がいて、その教えを全て受け継いだ。

 ――――――ガルーシャ・マライは、弟子に全てを引き継ぐとその身を隠した。


 そんな噂が、(まこと)しやかにスタルゴラド国内に広がり始めていた。

 ここ、【プラミィーシュレ】に赴任するスタルゴラド第五師団・団長ドーリン・ナユーグの元にも同じような事柄の事実確認を求める公文書が極秘に軍部経由で王都【スタリーツァ】より舞い込んで来ていた。

 「大体、おかしいとは思わないか?」

 ドーリンは、琥珀色の液体が薄く注がれた低いグラスを手に振り返った。

 その神経質そうな顔は、ある意味あからさまで、不機嫌であることを隠そうともしていない。旧知の間柄である相手に、今更、取り繕うものなどなかった。

 「何故、この時期(タイミング)なんだ?」

 ユルスナールは差し出されたグラスを受け取ると、暫し、グラスを手に中にある液体を弄ぶようにして揺らした。そうすると、小さなグラスから立ち上るようにしてアルコール度数の強いふくよかな香りが鼻先を掠めた。

 「………確かに」

 それはユルスナールも不可解に思ったことの一つだった。




 ガルーシャ・マライが、王都にいる連中に背を向けて、隠遁生活を始めたのは、もう十数年以上も前のことだった。そして、この国の遥か北に位置する広大な森の片隅をその安寧の地に定めた。

 それは【スタリーツァ】にいる貴族や術師達も当然のことながら良く知ることだった。何せ、ガルーシャ自身が関係者の前で、田舎に引っ込むことを高らかに宣言したのだ。当時、王都の術師養成学校で教鞭を執っていた【稀代の術師】の突然の引退宣言に、周囲にいた連中は、それこそ吃驚仰天、大騒ぎをしたのだ。皆、こぞってガルーシャを引き留めようとしたが、元より頑固で己が信念を曲げないところのある相手に敵う者などいなかった。

 それ以降、ガルーシャ・マライはこの国の表舞台からは姿を消した。だが、この世界から完全に雲隠れした訳ではなかった。細々とだが、外界との交流はあったのだ。

 それでも、術師の然るべき伝手を持たない人々にとっては、ガルーシャ・マライに繋ぎを取ることは容易なことではなかっただろう。隠遁したガルーシャの住みかを訪ねるのは論外のことだった。


 ガルーシャ・マライは森に暮らしている――――――それは、術師であれば、若しくは、その手の話題に関心のある者であれば、誰もが知り得た事実ではあったが、その住居を訪れた者は一人としていなかった。いや、何人たりとも訪ねることが出来なったと言うべきだろうか。

 それは、ガルーシャ・マライが森の入口付近にちょっとした呪いのようなものを仕掛けていて、許された者以外は辿りつけないようにその界隈に結界が張り巡らされていたからだ。

 しかしながら、それを知る者は多くはなかった。その所為で、ガルーシャの居場所は中々に謎めいたものであったのだ。そこから転じて、ある一部の人たちの間では、ガルーシャの存在そのものが謎めいたものになっていた。

 普通の人々には、雲をも掴むような存在であったガルーシャも、交流のあった一部の然るべき人々にとっては、少し偏屈で奇特な所のある【生身の人】であったのだが、その事実を知る者は、余り多くはなかった。


 そのガルーシャ・マライが、この世界を旅立ったのは、今年の春のことだった。

 それから、半年以上の時が流れていた。

 ガルーシャは、その旅立ちを声高にした訳ではない。自分を含め、然るべき人物の所には、何らかの形で伝令を飛ばしたりして繋ぎを取ったようだ。ユルスナールの所には、その最期の時を共にしたリョウが来た。

 そして、その報せは気紛れな獣たちの情報網をも通じて術師仲間にも伝わってゆくのだろう。

 そろそろガルーシャ・マライの所在が取り沙汰される頃合いだろうとガルーシャと比較的深く親交のあったスフミ村の女術師は語っていたと彼女と接触を持ったロッソとキリルの報告にはあった。

 ユルスナールの所にも【スタリーツァ】からガルーシャの所在確認を求める依頼が来ていた。


 しかし、巷に流布している噂話は、そこから、もう一段階進んでいた。

 ガルーシャの最後の弟子―――――その文言を耳にして、ユルスナールがまず思い浮かべたのは、リョウの存在だった。

 ガルーシャの最期にひっそりと寄り添ったその存在が、何故か表沙汰になり、曲解され、とある一部の間で、変に人々の注意を引きつけることになっている。

 具体的なことは何一つ伝わってはいないが、それも時間の問題だろう。ガルーシャの件で神経質になっているこの国の上層部や他の思惑を持つ輩にとっては、その存在は決して無視の出来るものではなくなって来ているのだ。真偽を確かめる為に強引に接触を持とうとするかもしれない。

 そのことに思い至った時、ユルスナールは愕然とした。  

 そして、そのようなこの国の政治的思惑にリョウを巻き込んではならないと決意を新たにしたのだった。

 ユルスナールにとってリョウの存在は、単なる【師匠が残した遺児】という枠組みには到底収まりきらない、大切な存在になっていた。

 この腕に抱いたあの温かい肉体を失うのは、最早、考えられなかった。




 「―――――で、本当の所はどうなんだ?」

 ――――――お前は何か知っているんだろう?

 そのまま沈思熟考した相手に、ドーリンは反対側の長椅子に同じように腰を下ろすとその長い脚を組んだ。

 ユルスナールが、ガルーシャと親交があったことをドーリンは知っていた。

 ユルスナールは、視界の隅でドーリンの興味津々な視線が自分に注がれているのを認めたまま、グラスの中身を啜ると徐に目を閉じた。

 「ガルーシャ・マライは、この春に旅立った」

 静かに切り出された言葉に、ドーリンが動きを止めた。

 「それは…………本当か?」

 「ああ。ガルーシャの旅立ちには、リョウが立ち会った」

 「なんだ…………と?」

 滅多に動じることのない男の顔が、驚きに固まった。

 「ならば、あの少年がガルーシャ・マライ殿の弟子だというのか?」

 矢継ぎ早に出された問いにユルスナールは、静かに首を横に振った。

 「いや。リョウはガルーシャの【弟子】ではない。そもそも、ガルーシャに【弟子】はいない」

 「なんでそんなことが言える? 確かめたのか?」

 ドーリンの目裏には、昼間、街のスタローヴァヤ(食堂)で食事を共にした線の細い少年の姿が浮かんでいた。

 癖の無い黒い髪に黒い瞳。その色彩もさることながら、その顔立ちは、この辺りでは余り見かけることのない珍しいものだった。

 一言で言えば、異質。だが、その外見的な異質さを感じさせない位、その子は周囲の空気に馴染み、溶け込んでいた。それをドーリンは不思議にさえ思った。

 昼間、自分の記憶が正しければ、会話の端に、あの子はガルーシャからこの国の知識を得たと話していた。それは、詰まり、ガルーシャに師事したということではないのだろうか。

 「あの子は、この国の人間ではないのだろう? どういう経緯で、ガルーシャ殿に目通りが叶ったのだ?」

 余程の然るべき伝手がない限り、隠遁したガルーシャ・マライに接触することは難しいというのが、この国の上層部の見解だった。深く結界に守られた土地でどうやってガルーシャに会うことが出来たのだろうか。

 「…………俺も、その辺りのことは、詳しくは知らん」

 少しの躊躇いの後、言い放たれた言葉にドーリンは吃驚して、まじまじと相手の顔を見た。

 それは、友人にしては余りにもお粗末なことに思えた。

 ユルスナール程の男が、長く軍籍に身を置き、第一線で任務に当たってきたこの男が、そんな初歩的なことを調べ上げていない。そんなことがあるだろうか。


 ユルスナールは肘かけに身体を凭せ掛けると、片手で頬杖を突いた。

 その顔には、どこか苦々しい表情が浮かんでいた。【らしくない】ことをしているという自覚は、本人にもあるらしい。

 「リョウは………不思議な奴だ」

 いきなり始まった男の唐突とも言える述懐に、ドーリンは、訳が分からないと言う顔を向けた。

 その視線は、どこか困惑に似たものだった。


 ドーリンが知るユルスナールという男は、冷静沈着、理路整然とした論理派で、用意周到、端々にまで注意を怠らない几帳面な性質だ。それは、自分にも通じる所が合った。

 情報分析も得意としており、集めた情報を俯瞰的に見ることが出来る広い視野の持ち主でもあった。

 そんな男は、これまで曖昧な部分を残したまま、感情のままに突き進むというようなことは決してなかった。

 ドーリンとしては、ユルスナールがやけにその子に肩入れをしていることが気になっていた。

 冷酷で自他共に厳しい強面で通っている第七師団の隊長が、率先して世話を焼いている子がいる。ブコバルからそんな話を聞かされた時は、なんの冗談かと思った程だ。

 だが、実際に、ドーリンが昼間、目にしたのは、我が目を疑う程の事態だった。感覚的な違和感は拭えない。その事も併せて尋ねようと思っていた。


 「確かに、髪の色も瞳の色も顔立ちも…………この辺りでは見ないものだ」

 客観的に見て、その顔立ちも整っている部類に入るだろう。好き者には好まれそうな感じがする。

 真っ直ぐに引かれた黒い眉は、その者の意志の強さと潔さを表わしているように思えた。伸びた背筋は、華奢ながらも凛としていて、癖の無い黒髪と相まって涼しげな印象をもたらす。だが、一見、取りつき難そうな第一印象とは裏腹に、言葉を交わした空気は、とても柔らかく落ち着いたものだった。

 今日の昼間に感じた様々なことを思い浮かべながら、取り敢えず、一目で目に付く外見的な特徴を真っ先に上げたドーリンをユルスナールは制した。

 「それはそうだが、そういうことではない」

 簡潔に言い放ったユルスナールの対面でドーリンの細い眉が訝しげに上がった。

 「リョウは、どこの国の者なんだ?」

 場合によっては、他国の寄こした間者の類とも取れるだろう。身元のはっきりしない人物がガルーシャ・マライの傍にいた。それは見る者が見たら、随分とキナ臭いものに映るだろう。ガルーシャ程の人物が、そう易々と間諜の罠に嵌るとは思えないが。例えば、ガルーシャの影響力とその力を何としてでも自国に取り込みたいと考える己が国の【上つ方】たちにとっては、邪魔な存在であるかもしれない。

 だが、ガルーシャ・マライがこの世を去った今、その辺りの事情も変わってくるだろう。

 そんなことを考えていれば、

 「知らん」

 「は?」

 ドーリンにしては、真っ先に、当然の疑問を口にしたはずであったのに、すぐさま返ってきた簡潔な否定の文言に、暫し、思考が止まった。

 「だから、知らん」

 「…………………」

 ドーリンは、余りのことに言葉を失った。

 そして、考えを纏めるようにこめかみにその長い指を当てると、目を閉じた。

 「………ルスラン。……お前、一体、何をしているんだ?」

 思わず唸るような声が出ていた。

 何という後手の対応だろう。ドーリンにはそう思えて仕方がなかった。


 不意に落ちた沈黙の後、ユルスナールはゆっくりと息を吐き出した。

 「前に、一度、尋ねたことがあったが…………どうも上手くはぐらかされてしまった」

 本来なら、その場で踏み込む事が出来たのだ。だが、敢えてそれをしなかった。いや、あの時の自分にはそれが出来なかった。

 思い出すのは、朝靄の中、砦の傍にある泉での一時だった。

 何かを懐古するように、自嘲気味に小さく笑ったユルスナールを見て、埒が明かないと思ったのか、ドーリンは論点を変えた。

 「ならば、質問を変える。お前はどうやってあの子と知り合ったのだ?」

 ユルスナールは、その問いに、どこか懐かしそうに目を細めるとゆっくりと息を吐き出した。

 「リョウと出会ったのは、この春の終わりだ。ガルーシャの遺書ともいうべき【封書】を持って、北の砦を訪ねて来ていた。元々、ガルーシャが旅立った後、俺を探して旅に出る積りであったところを偶々、森で負傷したうちの兵士を拾って、介抱してくれていた。それがきっかけだった。

 【封書】は本物だった。ガルーシャの印封がしっかりと付けられていた。中には、ガルーシャの手でしたためられた手紙があった」

 「ならば、尚更、【弟子】ではないのか?」

 遺書を託される程の人物だ。客観的に見て、それは、その少年がガルーシャに受け入れられていたことを意味していた。

 「いや、ガルーシャの手紙には、ただリョウのことを頼むとあった。最後の家族だと。そう書かれていた。弟子という言葉は何処にもなかった。あの偏屈なガルーシャがどんな顔をしてそれを書いたのかと思うと今でも不思議で仕方がない」

 そう言って、ユルスナールは目を細めた。

 そこにはその男には珍しく、穏やかで優しい微笑みが浮かんでいた。

 真実は今となっては、闇の中。残された人間は、手の内にある断片から、それに近いものを手探りで拾ってゆくしかない。


 「リョウには、術師の素養があるのではないか?」

 ガルーシャがその少年を手元に置いた理由をドーリンは問うた。

 「ああ。それはあったみたいだな。日常的なことを中心に教わっていたらしい。それにリョウは獣たちの言葉を解する。俺も初めて会った時は、新しく入った鷹匠かと思ったぐらいだ」

 ユルスナールの目裏には、自分の愛馬キッシャーと仲睦まじい様子で話をしていた時の横顔が浮かんでいた。今でもその時の衝撃は印象として強く残っていた。

 「キッシャーとも仲がいい」

 「お前の黒毛とか?」

 ――――――あの気性の荒いと有名な馬とか?

 別名【黒き雷】との二つ名を持つキッシャーは、その気位の高さとその気性の荒さで、この国の軍部の間ではそれなりに名が轟いていたようだ。

 再び、目を丸くしたドーリンに、ユルスナールは可笑しそうにひっそりと笑いを噛み殺した。

 「ああ」

 ユルスナールの口から次々と明らかにされるリョウの人物像に、ドーリンは大きく息を吐いた。

 ガルーシャ・マライが受け入れ、獣たちとも意志の疎通が出来る。そして、術師としての基本的な素養を持つ人物。

 現在、術師の頭数は世界的に見て減少傾向にあった。

 術師としての能力と素養を持つ人間をこの国は求めていた。

 ガルーシャ亡き今、その存在は、この国が喉から手が出る程欲しい人物になるに違いなかった。


 「リョウは、【術師】としては登録されているのか?」

 「いや、まだだ。【術師】になる為の勉強をしているとは聞いている。だが、まぁ、リョウのことだ、恐らく【術師】が認可制であることすら知らないはずだ」

 昼間、この国では国民食である【ペリメニ】を知らないと言ったことを思い出して、ドーリンは慎重に言葉を選んだ。

 「この国のことは、全く知らないと言って良いのだな?」

 「ああ。そう思った方がいいかもしれん。何せ、この国の言葉もガルーシャから教わったと言うぐらいだからな」

 「何だって!」

 心底驚いたのか、珍しく大きな声を上げたドーリンに、ユルスナールも小さく笑った。

 この扉を開いてから、ドーリンの驚く顔ばかり見ている。ここまでこの男が感情を顕わにするのを見るのは初めてのことではないだろうか。

 頭の隅で、ユルスナールはそんなことを思った。

 「ああ。流暢にこの国の言葉を話すが、よくよく聞けば訛りが多少ある。それに言葉遣いも教師がガルーシャだったから仕方がないのだろうが、随分と堅苦しい物言いをする。だが、大したものだ」

 大きく息を吐いたドーリンを横目に、ユルスナールは尚も言葉を継いだ。

 「その辺りのことも含め、明後日の晩に確かめればいい。リョウはああ見えて、大人だ。言えることと言えないこと。伝えるべきこととそうでないこと。その辺りの線引きは意外にしっかりとしている。いずれ本当のことを話してくれればとは思うが、今、無理に全てを訊き出そうとは思わない。アレにも色々あるようだからな。だが、少なくとも、俺はリョウを信じている。それだけだ」


 そう言って、友人を見たユルスナールの瞳には、静かだが確固たる意志が強く潜んでいた。

 その真摯で真面目な言葉に感心したのも束の間、

 「大人………だと?」

 最初の方で引っかかった言葉がドーリンの思考を中断した。

 「ああ。言ってなかったか? この国の人間を基準に考えるとえらいことになる」

 「おい、あの子は幾つなんだ?」

 思わず口に含んだ酒を噴出しそうになって、ドーリンは慌てて口元を拭った。

 そんないつにない相手の動揺をユルスナールは愉快気に見遣った。

 「それは、俺の口からは言えんだろう。まぁ、機会があれば、明後日、聞いてみることだな。やり方を間違えなければ、教えてくれるやもしれん」

 そして、何を思い出したのかユルスナールは可笑しそうに笑った。

 「まぁ、何はともあれ、明後日の晩だ。楽しみにしているといい」

 そう言って、ひっそりと込上げてきそうになる笑いを噛みしめた男の脳裏には、当日、リョウの本来の姿を見て、きっと茫然自失か、腰を抜かす程驚愕を顕わにするであろう友の姿が思い浮かんでいた。

 男の薄い唇が弧を描く。

 急に上機嫌になった旧知の友を、ドーリンは胡乱気な眼差しで見遣る。そして、その意味深な男の口振りに、実に嫌そうに眉を顰めたのだった。

 こうして、【ツェントル】の片隅でひっそりと行われた男二人の暫く振りの再会は、ひっそりと幕を閉じたのだった。


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