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Messenger ~伝令の足跡~  作者: kagonosuke
第三章:工業都市プラミィーシュレ
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追憶の影


 カマールとユルスナールが仕事の話を始めたのを見て、作業場を離れたリョウは、簡単な軽食をカマールの為に用意した後、鞄の中に小さな包みが入っているのを確認してから、その場を後にした。

 リョウが向かった先は、カマールの自宅兼工房から、通りを二つ、三つ程越した所にある鍛冶職人たちの寄り合い(ギルド)だった。その一角に現在カマールの師匠が暮らしていた。

 その男の名は、レントという。一年半前に正式に鍛冶職人を引退し、仕事場を弟子のカマールに譲って以来、寄り合いの世話になっているとのことだった。

 レントは病に臥せっていた。

 リョウは、リューバのお遣いでその息子(カマール)宛てに持参した薬草以外にも、自分自身で薬草を見繕って持って来ていた。長旅に備えての万が一の常備薬のような扱いだ。その中の一つに、痛みを和らげ鎮静作用をもたらすものがあり、試しにその師匠に薬蕩として飲んでもらった所、思いの外、効用があることが分かり、それ以来、その男を訪ねるのは、この街に来てからの日課のようなものになっていた。

 普段は、弟子のカマールがちょくちょく様子を見に顔を出し、世話をしているようなのだが、この所、仕事が立て込んでいるのか、忙しそうにしているカマールを見て、その替わりにと手伝いを申し出たのが切掛けでもあった。


 鍛冶職人の寄り合い(ギルド)がある建物は、立派な石造りのもので、中には通常の事務所の他に医療機関とも呼べる場所や引退した鍛冶職人たちが暮らす居住棟があった。

 この街に暮らす鍛冶職人は、皆、この寄り合い(ギルド)に登録されている。

 この場所では、街の各地に散らばる鍛冶職人を客の求める希望やその分野によって紹介したり、原料となる金属鉱石などを職人たちに卸したりする仲介を行っているとのことだった。

「こんにちは」

「おう、坊主。今日もおやっさんの所か?」

「はい」

 入り口で受け付けにいた人に挨拶をして中に入る。ここ数日、毎日のように訪れるリョウの顔は、その風貌の珍しさも相まってか、既にギルドの人達には馴染みのものとして認識されていた。

 入口からずんずんと奥に進むと渡り廊下を挟んで別の棟が現れる。その場所は、現役を退いた身よりの無い鍛冶職人たちが暮らす居住区域になっていた。

 入口の直ぐ傍には、医務室があった。

 そこのカウンターの中にいる人達にも通り一遍の挨拶を返して、リョウは迷わず、カマールの師匠が暮らす部屋を目指した。


 扉の前で、小さくノックをする。

 中から聞こえてきた了承の合図にリョウは扉へと手を掛けた。

「失礼します。こんにちは、レントさん。お加減の程はどうですか?」

「おう、坊か」

 大きな枕を背に上半身を起こしていた男がゆっくりと振り返る。そして、訪ねて来た人物の姿を捕らえると目を細めた。

 大きく切りとられた窓枠の下には、様々な小鳥たちが止まっていた。レントの膝の上には、餌を入れた小さな丸い皿が置かれている。恒例の餌やりの時間だった。

 リョウが中に入ると一瞬だけ、賑やかなお喋りが止んだ。だが、入ってきた相手を認めると、直ぐにまた小さな多重音声のさえずりがこだまし始めた。

 これは、レントと小鳥たちの情報交換の場でもあった。ほぼ寝たきり状態で自ら身体を動かすことのできないレントは、この居住区域の外に出る事が出来ないどころか、他人の介助なしには部屋の外へ出ることすらままならない状態だ。そんな状態のレントに代わり、この街の様子、噂話などを、小さな饗応をしながら、聞きだしているのだ。

「で、そいつはどうなったんだ?」

 レントがその少し特徴的なしわがれ声で問えば、一斉に幾つもの答えが返ってくる。

『そうそう。その後は、もうぱったりよ』

『音沙汰なし』

『音沙汰なし』

『呆れたものねぇ』

『そんなもんでしょ』

『そうよ』

「ハハ。そうかい」

 普通の人が耳にすれば、それは他愛ない小鳥たちのさえずりに聞こえるのだろうが、【術師】であるレントには、それらは意味を成す言葉として聞こえていた。

 勿論、それはこの場にいるリョウとて同じことだった。

 リョウは集まった小鳥たちから掛けられた挨拶ににこやかに返すと、肩に掛けていた鞄をテーブルの上に下ろし、早速、支度に取りかかった。

 鞄の中から小振りの瓶に入った軟膏を取り出す。それは、切り傷や化膿止めとして【ストレールカ】をほんの少し混ぜ加えたものだった。

「レントさん。背中の具合を見せて貰ってもいいですか?」

 小皿の中身がすっかりなくなると、窓辺にいた小鳥たちは一斉に飛び立って行った。

 途端に、先程までの賑やかさが遠ざかる。鳥たちは、窓の外にある大きな木の枝に止まったのか、お喋りの余韻が切れ切れに聞こえてきていた。

「ああ。すまねぇな」

 口の端をほんの少しだけ吊り上げて、レントは苦み走った男らしい表情をした。生粋の職人を思わせる風情だ。親方の顔には沢山の深い皺が刻まれていたが、すっかり白くなった頭部には、まだまだ豊かに髪が生えていた。この国の男達と比べれば、その体格は小柄な部類に入るようにも見える。だが、その姿も今現在のレントの在り方しか知らないリョウには、それがレント本来の姿なのかどうかは、分からなかった。鍛冶職人という職業柄、往年の現役時代には、その身体は、逞しい筋肉で覆われていたかも知れないからだ。

 レントがこの居住区に暮らし始めてから約一年半、来た当初はまだ一人で歩行が可能な程であったが、ここ三カ月程の間に急速に身体の自由が利かなくなり、今では半分以上寝たきりの状態になっていた。


 その背中には小さな床擦れが出来ていた。

 初めてこの場所を訪れたリョウの目の前で、顔を顰めて身じろいだのが、ちょうど五日ほど前のこと。 その背中を庇う様な仕草が、リョウには酷く気になった。親方が半寝たきり状態だとのことを耳にして、ちょうど思い当たる節があったのだ。不躾を承知で背中を見せてくれと頼んだ。

 そして、寝間着代わりにしている簡素なシャツの下から現れたのは、リョウの予想を遥かに超える身体の状態だった。

 レントの全身は紫色の痣で覆われていた。そして、その腰に近い背骨の部分には丸い炎症が出来始めていた。幸いにして床擦れは初期のものだった。

 だが、それ以上に、リョウの注意を引いたのは、背中一面に広がる紫色の濃淡だった。地図の等高線のように緩やかに広がりを見せる色の波。肌の上を舐めるように広がる色水の軌跡のようでもあった。

「ハハ、済まねぇな。けったいなもん、見せちまって」

 背後で息を飲んだリョウに、前を向いたままレントが軽く笑った。

「あの、………これは、……もしかして…………」

 リョウの脳裏には、かつてガルーシャから耳にした話が思い出されていた。

 あれは、ガルーシャが愛用していた短剣(ナイフ)のことを話していた時だった。この国の短剣(ナイフ)を始めとする刃物類は、鍛冶職人が精魂込めて作り上げているもので、鍛冶屋も【術師】の範疇に入るという話を聞いた時だった。

 この一本の短剣(ナイフ)は、人にとっては単なる物を切る為の道具にしか過ぎないだろう。だが、この短剣(ナイフ)には、これを作り上げた職人の魂が注がれている。鍛冶職人は文字通り、己が命を削ってこれを作っているのだ。これは、その命の欠片とも言うべきもので、刃物を手にする時、その事実を忘れてはいけない。

 いつになく真剣な色をその瞳に乗せて、ガルーシャは諭すように語った。

 そして、穏やかな口調が次に紡ぎ出したのは、鍛冶職人が罹るという不治の病のことだった。刃物を鍛える時に用いる鉱物の所為で彼らは毒を浴び続ける。その結果、彼らが迎える最期は、往々にして過酷なものが多いのだと。体内に蓄積される毒物の所為で、徐々に身体の自由が利かなくなるのだと。

 ガルーシャ自身、懇意にしている鍛冶屋もいるから、なんとかして発症を抑えたり、症状の緩和が出来ないかと、色々と試行錯誤を続けていたが、未だにその解決方法は見つかっていないのだと、少し悔しそうに眦を下げてその話を締めくくった。


「ああ。おめぇは……初めて見るか」

 肩越しにちらりとこちらを振り返ったレントの顔は、色を無くしたリョウの表情とは違い、とても穏やかなものだった。

 それは、この男が、この現実をしっかりと受け止めていることを示していた。

「はい。話には聞いてはいましたが」

 だが、やはり、話に聞くのとそれを実際に目にするのとでは随分と違う。

 リョウは慌てて動揺を内側に引っ込めた。上手くいっているかは分からないが、微笑んで見る。

 本人がしっかりとこの現実を受け入れている以上、他人が騒ぐのは余りにも失礼なことだった。

「すみませんでした」

 自分の対応が大人げなかったことを謝れば、

「ハハ、可笑しな奴だ。何を謝ってんだか」

 反対に軽く笑い飛ばされてしまった。

 レントは、ふと窓の外へ視線を投げながら、静かに切り出した。

「この痣を中にゃぁ、勲章だなんて言う奴もあるがな。俺にとっては相棒さ。こいつは、てめぇを鍛冶屋だって知ら示す【証】みてぇなもんさ。少なくとも、俺はそう思ってる。こいつとももう長い付き合いになるからな。今更、がたがた騒いだりなんざぁしねぇさ。見てくれはわりぃが服を着ちまえば分かんねぇしな。鍛冶屋はみんなそんなもんだろうよ」

「―――はい」

 その言葉の中に凝縮されたこの男の人生に、リョウは、ただただ、そう返事を返すのが精一杯だった。


 やや停滞した空気を入れ替えるようにリョウは顔を上げた。

「あの、この部分に床擦れが出来始めていますね。化膿止め用に軟膏を持っているので、塗ってもいいですか?」

 ここで漸く、元々の用件を思い出した。

「あ? 背中の腰んところか?」

「はい」

「そいつぁ助かる。この間から、なんか、じくじくしてよ。変な按配だったんだよ」

 リョウは軽く頷いて見せると、鞄の中から、自分用に作って置いた軟膏を取りだし、蓋を開けて手に取った。

「少し、しみるかもしれません」

 念の為、前置きをしておく。

「ああ、そんなの屁でもねぇさ」

 薬を塗る為に赤く変色している部分に指が触れれば、レントが小さく呻いたのが分かった。歯を食いしばって痛みを耐えたようだ。


「で、なんなんだ、そいつは」

 薬を塗り終えた後、出された問いにリョウは半ば驚きつつ答えた。

「ご存じありませんでしたか。これは『床擦れ』といって寝たきりの状態の人が気を付けなければならないことなんです。長時間、同じ姿勢をとって横になっていると、その部分が空気に触れないですよね。そうすると皮膚が呼吸を出来なくて細胞が壊死してしまうんです」

 レントが寝間着を着直すのを手伝いながら前に回れば、

「あ? 壊死ってのはなんだ? 分かりやすく言ってくれよ」

 眉を顰めた男の顔が見えた。

 ガルーシャからそっくりそのまま教わった言葉は、やはり専門分野に特化したもので、日常的に使うものではないようだ。

 リョウは、もう一度、平易になるように慎重に言葉を選んだ。

「ああ。すいません。早い話が、空気に触れない部分が腐ってしまうんです」

「腐る……だと?」

 男の表情が凍りついた。

「はい。今は、まだ少し赤く腫れている段階ですが、これが進むともっとぶす黒く紫色に変色して膿を持ってきます。そうすると肌の部分がぐちゃぐちゃになるので、中々治りが悪くなってしまいます。その部分から他の黴菌が入ったら、そこから死に至る場合も考えられるんです」

 脅している積りは全くなかったのだが、その時の自分が持て得る知識を総動員して、説明をすれば、レントは心底、驚いたように目を見開いて、その顔の表面をつるりと撫でた。

「はぁ~、そいつぁ、驚いた」

「ですから、なるべく、こまめに寝返りを打って。正面だけでなく右向きになったり左向きになったりと空気に触れさせる必要があるんです」

「成程ねぇ。若いのにてぇしたもんだ」

「いえ。あの、もし御迷惑でなかったら、明日もここに来てもいいですか? 暫く、薬を塗る必要がありますし、これは個人的に作ったもので、床擦れ専用ではないので、効果の程が分からないんです」

 その申し出に、レントはしきりに感心をしたように首を縦に振った。

「ああ。いいぜ。この薬も坊が作ったんか?」

「はい」

「おめぇさんは【薬師】かなにかか?」

「いいえ。少し齧っているだけです。あの、カマールさんのお母様を御存じですか?」

「カマールの母親か?」

 急に飛んだ話題に首を傾げたレントにリョウは種明かしをするように微笑んだ。

「カマールのお母さんは、【薬師】でもあるんです。いつもお世話になっていて、教えてもらったんですよ」

 軟膏の作り方や薬蕩の作り方は、本当はガルーシャからの知識であったのだが、リューバから教わったことも多いので、便宜上、そういうことにしておいた。

 その言葉にレントは納得したようだった。

 そして、背中の状態を見る為に、リョウはレントからその後の訪問の約束を取り付けたのだ。

 そんな遣り取りがあったのは、ここに来た初日のことだった。


 寝間着の上を脱いでもらって、背中を向けてもらう。この五日間、通い続けたお陰が、背中の患部は大分薄くなっていた。

「随分と良くなりました。あともう少しですね」

 薬を塗り終えると、リョウは安堵したように微笑んだ。

 続けて痛みは無いかと訊けば、

「ああ。大分楽になった。恩に着るぜ」

 茶目っ気たっぷりに片目を瞑って見せたレントにリョウは可笑しそうに笑い、部屋の隅に置かれていた小さな丸椅子を手に取ると、レントが身体を起こしている寝台(ベッド)の傍に腰を下ろした。

「それでは、始めますね」

「ああ。すまねぇな」

 上着の袖を捲り上げて準備をしたリョウに、レントは大人しく頷いた。

 それから、リョウが行ったのは、簡単に言えば、按摩(マッサージ)のようなものだった。

 寝たきり状態だと身体の血流が滞ってしまう。放って置けば、血栓が出来て、心筋梗塞のような突然死を引き起こしてしまう原因になり得るからだ。その状態を少しでも緩和する為に、足先から手の先、末端から中心部分に血液が流れるようにマッサージをしていった。それもここに通い始めてからの日課のようなものになっていた。


 レントの姿にリョウは無意識に自分の祖父のことを重ねていた。

 祖父が亡くなってから、もう随分と経つが、最後、死に目に遇えなかったことが心残りであった。祖父は、その晩年、ヘルニアから来る神経痛の所為で、半分以上、寝たきりの状態が続いていた。遠く離れた場所に暮らす祖父母に、生前、最後に会ったのも随分と前のことで、報せを受けた時には、既に祖父はこの世を去っていた。

 祖父の背中には、大きな床擦れが出来ていたと言う。

 祖父が亡くなったのは、その治療の為に入院をした先の病院だった。床擦れの具合も良くなってきたとの話を聞いて、今度、休みを取ってお見舞いに行こう、そんな話が出た矢先のことだった。その時の悔恨は今でも忘れられずに残っていた。


 レントの身体には、足の先にまで痣が広がっていた。

 その痣は、高い技術と能力を持つ術師程、その影響は強く出ると聞いた。カマールの師匠は、この街でも一、二を争う高名な鍛冶職人だったと近所で店を構えている人達は話していた。

 その力が徒となる。なんと皮肉なことだろう。

 そして、彼らが、その身を削って作った刃は、この街を闊歩する男たちの腰にぶら下がることになるのだ。

 その剣が抜かれるのは―――――――――人を(あや)める時だ。

 綺麗事では済まされない、この世界の現実を一つ、見つけた気がした。

 リョウ自身、そのことをどうこう言う積りはなかった。いや、口に出来る筈がなかった。

 カマールを見ていれば分かるが、鍛冶職人たちは自分たちの仕事に大いなる誇りを持っている。彼らは、その理由は色々あるのだろうが、自ら鍛冶屋の道を選び取った人達だからだ。

 自分が出来ることといえば、少しでも症状が和らぐように薬蕩を作ったり、暇潰しに話し相手になるのが関の山だろう。

 そう。何処まで効果があるかは分からないが、こうして少しでも楽になるようにと身体を摩りながら気持ちを込める。

 ガルーシャやリューバの言う【お呪い】の中に、効力を発揮するものがあれば良いのにと思わずにはいられなかった。それすらもこの世界のことをまだ良く知らない自分にとっては身勝手で僭越な気持ちに当たるのかも知れないが。

 リョウはそんなことを思いながら、手を動かした。

 レントには、ここまで来る途中に垣間見た街の様子などをポツリポツリと話す。

 それは、どこか遠慮がちな小さなノックの音が響くまで続いた。


 控え目なノックの後に部屋の中に現れたのは、濃紺の外套を身に纏う長身の男、ユルスナールだった。

 レントは戸口に立つ男の姿を認めると、少し目を瞠って、それから眦を下げた。

「おやおや。こいつぁ珍しいのが来たもんだ」

 飄々とした中にも懐かしそうな声が上がる。

「ご無沙汰しております」

 ユルスナールは小さく頭を下げると、寝台(ベッド)の方に歩みを進めた。

 リョウは、丸椅子から立ち上がるとさり気なく脇に避けた。

 鍛冶屋繋がりでユルスナールはカマールの師匠であるレントとも知った仲であることが、二人の間に流れる空気から見て取れた。

 暫く振りの邂逅。カマールの所を訪れるのは年に一度と言っていたので、二人の出会いも恐らく一年振りになるのだろう。

 それならば積る話もあるだろうか。


 二人の邪魔をしないようにリョウは席を外すことにした。

「お茶を淹れますね」

 一言、レントに断りを入れる。

「ああ。頼んだよ。その辺にあるだろう?」

「はい」

 目があったユルスナールは、リョウに一つ頷いて見せた。

 壁際の戸棚から、茶器とお茶の葉を取り出す。同じように中に入っていた薬缶を手に取って、少し離れた場所にある共同の台所に向かった。

 擦れ違いざま、ふとユルスナールが腰に佩く長剣に目が行った。

 あの剣にも同じようにそれを作った鍛冶屋の想いが沢山詰まっているのだろう。

 己が命と引き換えに誂えられた一振りの剣。

 その使い手であるユルスナールは、それをどう感じているのだろう。

 そんなことを考えた。


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