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Messenger ~伝令の足跡~  作者: kagonosuke
第四章:王都スタリーツァ
132/232

噂話の切れ端 1)


 グリゴーリィーと呼ばれた兵士にお茶の用意をすることになったと告げてから、手伝うことを申し出れば、広い執務室の隣にある給湯室のような場所に案内された。

 茶器とお茶の葉の場所と種類をざっと確認して、リョウは、手早くお茶の準備を始めた。

 五人分とユルスナールは言っていたが、万が一の為に一つ追加して六人分を用意した。ついでに後で、こちら側で仕事に就いている兵士たちにも休憩用に淹れようと思った。

 湯が沸くのを待っている間、執務室の方が急に賑やかになり、客人が訪れたことが分かった。

 それにしても、ユルスナールはとんだ綱渡りをするとリョウは先程の一件を冷や冷やしながら思い返していた。寧ろ、闖入者がブコバルでよかったと思った。究極の選択には違いないが、まだユルスナールにとって身内扱いの人物でよかったと思った。それに余り簡単に流されないようにしなくてはとも改めて思った。特にユルスナールの仕事場である公の場にいる時は。

 ユルスナールは、冷静なように見えて(それは、やはり外見から受ける印象がそう思わせるのだろうが)、時として自分の欲望を優先し、押し通すきらいがあることを再認識した。冷酷で無関心そうな仮面の下には、繊細で情に厚い男の顔が隠れている。その内に潜む激情の一端を知る身としては、その本質を見誤ってはいけないだろう。


 グリゴーリィーにノックをしてもらい、茶器の乗ったワゴンを押して、中に入った。

「失礼します」

 中央の一人掛けの椅子にユルスナールが座り、入口から見て右側のソファーにブコバルとドーリンが、そして、その対面には客人が二人座っていた。

 皆、同じ光沢を放つ華やかな軍服を身に着けていて、傍目には圧巻だった。飴色の優美な曲線を描く調度類と清楚な色合いの壁紙の中で応接間に寛ぐ五人の姿は、まるで一枚の油絵から抜け出て来たような非現実的な光景に見えた。

 ドーリンがこちら側に視線を投げて、その目を軽く見開いたのが分かった。

 まさか、こんなところにいるとは思わなかったのだろう。

 向こうもそうだが、リョウとしてもそうだった。ドーリン自身が出場するかは分からないが、武芸大会に合わせて第五師団の団長であるドーリンも王都入りしたということなのだろう。

 リョウの中では、神経質そうなドーリンと剣の大会とは結び付きそうで結び付かなかった。武闘派というよりも頭脳派の参謀のような印象があったからだ。

 リョウは、暫し動きを止めたドーリンに小さく微笑むことで返した。

 そのまま、ちらりとユルスナールの方を見たドーリンは、視線だけでなにがしかの会話をしたようだ。

 それを目の端に見ながら、リョウはまず客人である二人に先にお茶を出した。

「どうぞ、熱いのでお気を付けください」

「ああ、ありがとう」

 一人は、男らしい顔立ちの人当たりの柔らかい兵士だった。軍人らしく、がっしりとした体つきだが、洗練された身のこなしに歳相応の落ち着いた空気を身に纏っていた。

「どうぞ」

 そして、もう一人は、

「お前は……………」

 ――――――先程の小僧。

 ここに来る途中、迷子になった中庭のような場所で抜き身の剣先を突き付けた迫力美人、確か、スヴェータと呼ばれていた女兵士だった。

 女兵士は、やや吊り上がり気味の目を眇めた。そうすると元々整っている顔付きに凄みが増した。

 鋭い視線が、憚らずに突き刺さる。

 かなり警戒されているらしいことが分かって、リョウは、内心、困惑した。

 自他共に人畜無害な外見をしているとは自負していたが(余り威張れるようなことではないが)、どうも今回は、初対面での印象が相手方にはかなり悪く映ったらしかった。

「先程は失礼致しました」

 リョウは、相手を刺激しないように穏やかに微笑むと再度、丁寧に頭を下げた。

 そして、今度はドーリンの前にお茶の入ったカップを置いた。

「ご無沙汰しております」

「ああ。変わりないか?」

「はい。お陰さまで」

「………リョウ?」

 ユルスナールのもの問いたげな視線に、リョウは手を動かしながら、ここに辿り着く迄の経緯を掻い摘んで話した。迷子になるなど恥ずかしい話なので、余り気乗りはしなかったが、正直に告げない訳にはいかなかった。

 その時に軽く自己紹介をして二人の客人を紹介された。

 女兵士は、スヴェトラーナ・クロポトキンスカヤという名で第二師団の団長とのことだった。因みにスヴェータは親しい人だけが呼ぶことのできる愛称だ。

 この国では、名前を呼ぶ時の愛称の種類が実に多く、その呼称は一つの名前に幾通りもある為、人の名前を覚えるのは中々に大変だった。正式な本名だけでなく、愛称が付いて回るからだ。長い名前を語尾を変化させて少し短くしただけの呼び名なら類推が簡単だが、中には全く関係の無いような音になってしまうものもあった。

 もう一人は、マクシーム・フラムツォフと名乗った。こちらは第一師団の団長を拝命しているとのことだった。

 二人とも威厳のある立派な人たちだった。

 両者の肩書を知らされて、その錚々たる顔触れにリョウは粗相をしてはならないと気を引き締めた。


 一から十まであるスタルゴラド師団の中で、第一と第二は王族が住まう宮殿に勤務する近衛隊だった。

 第一は表、つまり宮殿、及び公的な場所での警備と王族や上級貴族の身辺警護が主な仕事だという。

 第二は裏、要するに後宮での奥向きの警護が専門で、第二には、その警護対象の特殊性から女性の兵士も数多く存在するとのことだった。

 ということは、あの中庭で出会った少女は、第二師団の団長が恭しく接していたことを考えると相当身分の高い名家の子供であったのだろう。もしかしたら、王族のお姫様であったのかもしれない。

 相手が幼子ということもあって、つい、いつもの癖で名前を呼び捨てにしたことを思い出して、リョウは一人青くなった。身分制度の確立された社会では、不敬罪にあたるかもしれないからだ。だとすれば、あの時、傍にいたスヴェトラーナが激昂した理由も納得できた。


「お前は、ルスランの小姓かなにかか?」

 お茶を配り終えた後、ワゴンの傍に控えたリョウにスヴェトラーナが尋ねた。

 リョウは、なんと答えたものかとユルスナールの方を確認するように見た。

 正直に告げていいのだろうか。

 だが、ここに来る途中、散々見習い兵士の振りをしてきた手前、それは少し躊躇われた。

 ユルスナールが静かに頷いたので、リョウは控えめに口を開いた。

「いえ。自分は、今、術師養成所で学んでいる学生です」

「なん…だと?」

 スヴェトラーナは優雅な所作でお茶に口を付けながら片方の眉をくいと跳ね上げた。

「軍部の者でないのか?」

「はい」

 その言葉に、スヴェトラーナは呆れたようにユルスナールを横目に見た。

「………ルスラン。お前、何をやっているか分かっているのか?」

 ――――――ここは関係者以外立ち入り禁止だろうが。

 艶やかな唇から放たれたのは、女性らしい華やかな外見とは真逆の貫禄ある雄々しい言葉で、その内容にリョウはぎょっとした。

 やはり、ここは部外者がみだりに立ち入ってはいけない空間だったようだ。

 普通に考えればそうだ。軍部と言えば国防の要であり、機密事項の多い場所の一つだろう。

 だが、対するユルスナールは事も無げに嘯いた。

「勿論、関係者だ」

「なんだ? その子を、ゆくゆくは騎士団に入隊させようと考えているのか? 今から唾を付けておく気か」

 スヴェトラーナの隣に座る体格の良い兵士、マクシームが、面白そうな顔をして発言者の真意を問うた。

 だが、対するユルスナールは、それに答えることなく、意味深に口の端を吊り上げただけだった。

 余裕綽々な態度だ。

「随分と勿体ぶるな」

 マクシームは、ぽつりと呟くと白けた顔をした。

 リョウがふと視線を移せば、ブコバルは、その隣で静かに、だが、ニヤニヤとした顔付きで成り行きを見守っていた。ドーリンは相変わらず澄ました表情だが、話の内容に合わせて、細い眉が時折ぴくりと動いた。

 するとこのままでは埒が明かないとでも思ったのか、マクシームの視線が逸れて、リョウの方に向けられた。

 じっと先程の答えを求めるように探るような視線を向けられたかと思うと、不意に柔らかく微笑まれた。

 リョウは、狼狽えた。真正面から向けられた男の笑みが、やけに眩しかったからだ。

 無表情の時とはがらりと印象が変わった。それは、相手から情報を引き出したいが為の見え透いた作戦なのだろうが、大の男、しかも軍人がやるにしては、些か茶目っ気があり過ぎるように思えた。

 だが、実際、なんだか憎めない気がしたものだから、やはり男の企みは成功したのだろう。

 リョウは視界の隅でユルスナールの顔色を窺ってから、やや困惑気味に苦笑を返していた。

「いえ、今のところ軍部に入る予定はありません。自分は術師を目指していますので」

「術師の中にも軍籍に身を置くものは多い。典型的なのがすぐ近くにあるだろう?」

 スヴェトラーナが間に入るように口を挟んだ。

 典型的なものとは、なんのことを差すのだろうか。

 不意に虚を突かれた顔をしたリョウに、助け船を出すようにドーリンが言った。

「第三師団の連中は皆、術師の資格を持っている」

「あ、そういうことですか」

 つまり、単に術師を目指しているとの言い方では、軍に入らないという理由には成り得ないのだ。

 リョウの脳裏には、艶やかに微笑む男にしては線の細い上品な顔立ちをしたゲーラの顔が浮かんでいた。ということは、いつぞやのゲーラの勧誘は、第三師団への入団を差していたのかもしれない。

 リョウは、この時、出来るだけ早いうちに術師が軍部に所属する意味とその役割を知らなければならないと痛感した。その前提条件を知らなければ、断りを入れるにも相手が納得する理由にはならないだろうと思ったからだ。

 だが、取り敢えず、自らの意思はこの場でも明確にしておこうと思った。

「自分に軍部での勤めは向いていないと思います。きっと足手まといになるだけでしょうから」

 本心を吐露すれば、スヴェトラーナはまじまじとリョウを上から下に眺めた後、小さく笑った。

「確かに、お前のようないかにも非力な輩には無理だろうな。兵士になるには体力がいる。訓練次第である程度は鍛えられるが、そんな【ラプーフ】のような細さではまともに使えるようになるまで、大分掛かるだろうな」

 【ラプーフ】というのは、確か、細長いひょろりとした根菜だった筈だ。

 そう鼻で笑ったスヴェトラーナの身体は、女性特有のなだらかな曲線を隊服の上から伝えながらも、筋肉質で引き締まり、よく鍛えられていると思われるものだった。無駄な贅肉など付いていない。元々の骨格の違いもあるのだろうが、リョウよりはずっと上背があり、肉厚でもあった。

 至極尤もな指摘に、リョウは内心苦笑いした。

 スヴェトラーナは、どうも歯に衣着せぬ言い方をするようだ。もし、自分が男で、密かに軍部入りを目指しているような若者であったら、それは、相当、身に堪える発言だっただろう。ただ、その言葉に悪意のようなものは感じられなかったので、向こうとしては、悪気がないのかもしれないが。

 だが、スヴェトラーナの竹を割ったような裏表のないさっぱりとした気性は、個人的には好感が持てた。笑顔を浮かべながらも腹の中で何を考えているか分からない輩よりは、かなりましである。

 からかうようにこちらを見たスヴェトラーナに、リョウは曖昧に微笑んで肩を竦めて見せるしかなかった。




 それから、リョウは静かにその部屋を辞した。

 去り際、ユルスナールに『どこに行く?』と聞かれたが、給湯室に片付けをしに行くと断った。自分がここにいても邪魔になるだけであろうし、向こうで働いている他の兵士たちにもお茶を淹れようと思ったからだ。

 【タレールカ(トレイ)】を小脇に抱えて扉を開ければ、部屋の一番奥にある執務机の上で書類に目を通していたグリゴーリィーが、顔を上げた。

「ありがとうございました。グリゴーリィーさん」

 茶器を運んだワゴンを片付けてくれたことの礼を言えば、軽く頷いた後、

「グリーシャでいい。長いから呼び辛いだろう」

 グリゴーリィーは綺麗に撫で付けた金色の髪の下、薄い灰色の瞳を細めて小さく笑った。

「すみません。ひょっとして、上手く発音できていなかったですか?」

 グリゴーリィーの申し出に、リョウは少し情けない気分で眉根を下げた。

 自分がこの国での生活に馴染んだように思えた矢先、偶にこうして些細なことが大きな揺り返しとなって、リョウに現実を見せ付けた。

 人の名前の発音は難しい。

 この国の言葉、要するに、全く異なる言語を習得する際、耳からの情報に大きく依存するのだが、聞こえる音は、大抵、母国語に近い音に変換されてしまうからだ。

 こちらの言語には母国語には存在しない音(発声方法)がいくつもあった。それがきっと正確には聞き取れていないのだと思う。正しく聞き取りができなければ、正しい発音もできない。母国語にない音を聞き取るのは、中々に至難の技だった。

 今ではそれなりにこの国の言葉を淀みなく話せるようにはなったが、新しい単語や言い回しに当たったりすると、思考が途切れることもままあった。母国語の音で言語聴覚が既に確立されてしまっているので、音を似せることはできても、完璧に同じように発音するのは無理な話だった。

 恐らく、周囲にはそれが【訛り】として認識されているのだろう。

 【グリゴーリィー】という名前も、自分ではそれなりに言えた積もりでも、本人には、おかしく聞こえたのかもしれない。名前はその人物を象る唯一の認識符号であるが故に、それが正しく伝えられないことは、とても失礼にあたるだろう。ひょっとしたら、グリゴーリィーは嫌な思いをしたかもしれない。

 そう思い、リョウは恐々として机に座る男を見たのだが、

「いや、そういう訳ではない。単に言い難そうだったからな」

 それが本心なのかは分からなかったが、手にした書類をトントンと揃えながら、穏やかに言い放った。

 自分よりも大分年上だと思われる男性を愛称で呼ぶことに多少の抵抗はあったが、リョウとしては相手の好意に甘えることにした。

「そうですか。それではお言葉に甘えて、グリーシャさんとお呼びしても?」

 そう尋ねれば、グリゴーリィーは、最初の印象を覆すような存外穏やかな笑みをその口元に刷いたのだった。

「ああ。構わない」

「では、自分のことは、リョウとお呼びください」

 『改めて宜しくお願いします』と手を差し出せば、予想に違わず大きな手に包まれた。

 だが、その感触は少し柔らかかった。武官というよりも文官の手だと思った。




 グリゴーリィーに許可を貰い、再び、今度は執務室の中で働く兵士たちの為にお茶を用意することにした。

 気分転換になるように鞄の中に常備している薬草をほんの少しお茶に混ぜ込んだ。その薬草は口内に清涼感をもたらす香草(ハーブ)の一種で、お茶に混ぜ込むと後味がすっきりしたものになるのだ。これは、その昔、スフミ村のリューバから教わったやり方だった。

 人数分のお茶を淹れて執務室の方に戻れば、グリゴーリィーが、窓側に並んだソファーの方へ運ぶように言った。リョウは大人しく頷いて、そこにある低いテーブルの上に持っていた【タレールカ(トレイ)】を置いた。

 リョウの傍にやって来たグリゴーリィーは、その場で机の並んだ方を振り返ると、パンと軽く手を打ち鳴らしてから、大きくはないが、よく通る声で言った。

「お茶が入ったから、休憩にしよう。飲みたい奴はこっちに来い」

 その言葉に、机に座って仕事をしていた兵士たちが、わらわらと集まって来た。

「はい。どうぞ」

 リョウはお茶をカップに注ぎ入れると集まって来た兵士たちに渡して行った。

 兵士は、全部で六人いた。そこにグリゴーリィーと自分を入れると八人だ。

 そして、最後に余った分を自分用に小さなカップに注いだ。

 実際の所、喉が渇いて仕方がなかったのだ。ここに来るまでにかなり歩いた所為である。

 自然と皆、ソファーの周りに腰を下ろすことになった。全員が座るには、些か手狭だったので、中には自分の机の所から椅子を持ってくる兵士もいた。

 お茶にありつけて、リョウは、漸くほっと一息吐いた。

「あ、なんか、旨い」

「さっぱりするな」

「お茶の葉を変えたのか?」

 カップに口を付けた兵士が、口々にそう言って、リョウは少し面映ゆそうに微笑んだ。

「いつも皆さんが飲んでいるものに、手持ちの薬草を少々加えたんです。こうすると後味がすっきりとするので。お口に合ったようで良かったです」

「ああ。美味いな」

 グリゴーリィーも傍で口元を緩めていた。

 思いの外、好評のようでリョウも嬉しくなった。

 ここにいる兵士たちは、皆、物静かで穏やかな雰囲気の人たちだった。年齢はばらばらだ。自分と同じような若者もいれば、壮年の域に入っていると思われる者もいた。北の砦のような溌剌とした、時として喧し過ぎるような賑やかな喧騒とは無縁の感じだ。立ち振る舞いも何処となく気品があって、教養ある文化人的匂いがした。

「へぇ、薬草か」

「君は、薬師なのか?」

 一人の兵士がそう訊いたが、

「……って、違うのか。でも見ない顔だな」

 リョウの左腕に巻かれていた第七師団の腕章とそのすぐ上にある顔とを順に見比べた。

「北の砦の方から来たのか? 隊長たちと一緒に?」

「ん? でも昨日、顔出しに来た時にはいなかったよな」

 謎めいた存在を前にした所為か、興味津々に見つめられて、リョウは居心地の悪さを誤魔化すように微笑んだ。

「ああ、これは、ここに入る為にルスランからお借りしたんです」

「隊長から?」

 兵士の一人が意外そうな声を上げた。そして、周囲にいた兵士たちは、益々訳が分からないという顔をした。

 リョウは上着の腕に付け直した腕章を指先で触れながら、自分が兵士でないことを明かした。

「北の砦の皆さんにはいつもお世話になっていますが、オレは一般庶民です。兵士ではありません。今は、養成所に通っている学生です」

「養成所の生徒か。ということは、君は術師を目指しているのか」

 六人の中で、一番落ち着いた印象を受ける壮年の兵士が静かに尋ねた。

「はい。シーリスのお義兄さんが、そこで講師をしているとのことで、その伝手を頼って、今回、こちらに入学することになったんです」

 それからリョウは、こちらに来ることになった経緯を簡単に話した。


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