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氷瀑

作者: 山藤里菜
掲載日:2026/06/18

滝は、剥がれる。

その白は、落ちていく。

下方に伸びる氷柱は、華奢だった。

断崖に雪が盛り上がり裾を広げる。

柵に手をかけても、底は見えない。


滝の表半分は、透明に水が滴り踊る。

もう半分は、白く結晶化した。

滝が凍るのを氷瀑というらしい。


水の落下する音は、頭上から降る。

雪を踏む音すら、消してしまう。

冷えた耳が痛い。


水の当たる場所は決まっている。

岩の上でそれは跳ねて消えた。


諦めは、私のものか。


指先は、ひりつく。


氷瀑が軋む。

滝の透明が伝い、白が刺さる。

その中に、恐ろしい結晶を見た。

それは、私の中にもあるのだろうか。


雪がちらつく。

隔てる柵を撫でる。

その指先は凍傷している。


白に霞む。

それは、いつもの。



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