転生理由は、女子力向上修行。
『えるてん!』は毎週 月・水・金 の朝7時に投稿します♪
翌朝。
窓からは朝の木漏れ日。鳥の声が聞こえる。
ティナは布団にくるまり、爆睡中。
リリサ
「ティナー、起きなさーい!」
ティナ
「ん~……あと5分……」
リリサ
「……」
リリサ、無言で掛け布団をめくる。
ティナ
「うわ……まぶし……朝から太陽、本気出しすぎじゃない?」
リリサ
「そんなこと言ってないで、早く支度して。
今日は街案内と住民登録に行くんだから。」
ティナ
「……は~い。」
寝ぼけながら鏡を見る。
ティナ
「うっわ、寝ぼけ顔ですら美少女。」
ティナ
「(やっぱり、夢じゃなかったんだ……)」
鏡の中には昨日と同じ、美少女エルフの姿。
リリサ
「まずは顔洗って、歯を磨いてらっしゃい。そのあと朝ごはんね。」
ティナ
「……じいちゃんと同じような事言ってる。」
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朝食後。
ティナ
「ごちそうさまでした~。
リリサさんって料理上手ですよね!
昨日の祝い膳も、今日の朝ごはんも美味しかったです!」
リリサ(少し声を弾ませて)
「あら、そう?
口に合ったようでよかったわ。」
リリサ
「じゃぁ早速、着替えて出かけましょうか。
着替えはあなたの部屋に用意しといたから。」
ティナ
「はいはーい。」
ティナが自室に戻ると、カーテンレールにかけられたハンガーに、
リリサがコーデした衣服がかけられていた。
淡いミントのカーディガンに、パステルピンクのスカート。
リリサが気合いを入れて用意した服らしい。
ティナ
「……ちょっと可愛すぎるんじゃない?」
ティナ(リビングにいるリリサに向かって)
「リリサさーん!この服、ちょっと可愛すぎると思うんですけどー!」
リリサ(リビングから)
「そんなことないわよ。
今のあなたにとっても似合うはずよ?♪」
リリサがティナの部屋に入ってきた。
ティナ
「別に、住民登録しに行くだけなんだから、
こんなおしゃれしなくてもいいんじゃないですか?」
リリサ
「え?」
ティナ
「ジャージとかないですか?ジャージ!!
動きやすいし、汚れても気にならないし最強ですよ!」
リリサ
「……ジャージ?」
ティナ
「はい。前世では正装みたいなもんでした。」
リリサ
「それは“正装”じゃなくて“妥協”よ。」
ティナ
「ひどッ!!」
リリサ
「第一、今日は街に出るのよ?
住民登録だって立派なお出かけ。」
ティナ
「えー……
でもスカートって落ち着かないし、 座り方気にしなきゃだし。」
リリサ
「……あなた、本当に女の子?」
ティナ
「花のJKでした!」
リリサ(こめかみを押さえながら)
「……信じられないわ……」
ティナ(どや顔)
「友達には“おっさんJK”って呼ばれてましたよ☆」
リリサ (即答)
「知ってるわよ。昨日から嫌というほど。」
ティナ
「即答やめてもらっていいですか。」
リリサ
「いい?
今のあなたは“ガサツなJK”じゃないの。」
ティナ
「え?」
リリサ
「“見た目だけは最上級の美少女エルフ”なんだから。」
ティナ
「見た目だけ……」
少しだけ傷ついた気がした。
ティナ
「……じゃあ中身も最上級になるまで教育される感じですか?」
リリサ
「そうね。それに、その見た目でジャージは罪よ。」
ティナ
「罪!?」
リリサ
「軽犯罪。」
ティナ
「……異世界こわ。」
ティナ
「それにしたって、この服、可愛すぎません?」
リリサ
「何か問題?」
ティナ
「わたしですよ?」
リリサ
「慣れなさい。」
ティナ
「雑!!」
渋々、着替える。
――数分後。
ティナ(姿見を見て)
「……あれ?」
リリサ
「どう?」
ティナ
「悪くない……かも?」
リリサ
「言ったでしょ?私のチョイスに間違いはないわ。」
ティナ
「くっそ……なんか負けた気がする……」
リリサ
「ふふ、こうやっておしゃれも楽しんで、
普通の女の子になっていく努力も頑張りましょ?」
ティナ
「転生して魔王を倒すんじゃなくて“女子力向上修行”を受けることになるとはなぁ……」
リリサ
「あなたなんかに魔王さまは倒せないわよ。まずは街を歩ける女の子になりましょう。」
ティナ
「はいはい……」
リリサ
「じゃ、行きましょうか。」
ティナ
「おー!」




