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Một thế hệ quỷ: Trận chiến lửa  作者: Phép thuật màu xanh
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第5章 - 剣と縄、命を懸けた舞

陳明軍チェン・ミングンは長剣を持ち上げ、きらめく苦無の縄をじっと見つめた。

彼は首をかしげ、落ち着きながらも重みのある声で言った。


「どうか教えてください……この武器と中国の長剣、果たしてどちらが勝るのか?」


ヒロキはわずかに微笑み、苦無を回転させ続ける。煌めく刃は湖面に揺れる月光のように光を放つ。

彼は簡潔に答えた。


「試合のみが答えを示すのです、先生。」


ミングンは剣の柄を強く握り、静かにうなずいた。すぐに悟る――第三戦は、これまでのどの試合とも違う。


ヒロキは四股立ちの姿勢を取り、苦無を縄で操りながら円を描く。動きはゆるやかに見えても、その奥に潜む殺気は鋭い。

対するミングンは長剣を胸の高さに構え、視線を外さない。開始の瞬間から、この戦いが前二戦よりも遥かに困難であると知っていた。


突如、ヒロキは苦無を遠くに投げ放つ。縄がピンと張り、刃が畳に突き刺さる。

直後、彼は縄を引き戻し、刃は跳ね返るようにミングンへ迫った。

ミングンは手首をひねり、剣で弾き飛ばす――ギィン!火花が飛び散った。


だがヒロキは止まらない。遠距離では飛び道具のように、近距離では短剣のように――間合いを自在に変え、獣のような攻防を繰り返す。

ミングンは必死に受け流すが、縄は絡みつくように彼を追い詰める。金属音が畳を震わせ、池の鯉さえ跳ねて水を散らした。


――第三戦こそ、本当の試練。


ミングンは深く息を吸い、わずかに竜気を纏って腕力を補強する。だが攻撃には使わない。あくまで防御のため。

その瞳は、激しく回る鋼の輪を一瞬たりとも離さなかった。


ヒロキが突進する。苦無は矢のように放たれ、縄が弓弦のように鳴る。ミングンは剣で弾き、再び火花が散る。だがヒロキはすぐさま縄を引き戻し、間合いを詰めて連撃を繰り出した。


斬る、突く、絡める――次々と迫る刃。ミングンの腕に汗がにじむ。

その時、縄が彼の手首に巻き付き、ヒロキが力を込めて絞め上げる。骨が砕けるかのような圧迫。


危機一髪。ミングンは身を翻し、逆さに宙返りしながら力を逃がし、もう一方の手で剣をひねって縄を外す。

着地の瞬間、彼は足を振り抜き、ヒロキの背中を蹴り飛ばした。重い衝撃にヒロキの体勢が崩れ、縄の制御が乱れる。


場は一瞬、張り詰めたまま静まり返る。鯉の池すら波を立てなかった。


その時、趙可欣チョウ・カシンが外からわざと咳払いをした。

ミングンが視線を向けると、彼女はゆっくりと髪をほどき、箸を弄ぶように縄に絡め、軽く放ってみせた。


――明らかな合図。


ミングンはうなずき、両手で剣を握り直す。

再び激突。予想通り、ヒロキは縄を剣に絡ませる。互いに力を込め合い、縄が悲鳴のように鳴った。


「今だ!」


ミングンは力を一気に解放し、剣をひねる。

バチン!縄が断ち切られ、苦無が宙に舞う。


ヒロキは前に引かれる勢いで体勢を崩し、その瞬間――ミングンが落ちてきた苦無を掴み取り、刃をヒロキの首元に突きつけた。


静寂。畳は揺れ、池は波立つ。だが二人は動かない。


――第三戦、終結。勝者は陳明軍。


ヒロキは驚いた表情を一瞬見せたが、すぐに笑みを浮かべ、深々と頭を下げた。


二人は広間に戻り、芸者が酒と料理を並べる。酒の香りが漂い、刺身は光り、うどんの湯気が立ち上る。鋼の激突は過ぎ去り、残るは静かな宴。


ヒロキは酒を口に含み、真剣な眼差しで言った。

「陳先生、中国の剣法……見事でした。本当に敬服いたします。」


だが彼は続けた。

「ただ一点、最後の一撃には“決め切る鋭さ”が欠けている。もし仇敵と対すれば、時に一撃必殺の決断が必要でしょう。」


ミングンは剣に手を置き、微笑みながらも真顔で応じた。

「確かに。武器だけで言えば、我らの技量は互角だ。しかしもし貴殿が一つの武器――苦無でも刀でも――を極限まで磨けば、その一つで私を圧倒できるだろう。」


言葉は挑発であり、また激励でもあった。

ヒロキは微笑み、再び頭を下げる。瞳には尊敬と決意が宿る。

「……必ず極めてみせます。今日の教え、深く感謝いたします。」


趙可欣は二人を見つめ、心の奥に温かなものを覚えた。戦いは終わったが、剣の余韻はまだ空気に響き、互いを高め合う契約のように刻まれた。


やがて、酒が進み、場が和んだ時。

アヤメが姿を現し、深々と頭を下げた。


「兄上、どうかお許しください。私も……趙小姐と一戦交えさせていただきたいのです。」


刺身を口にしていた趙可欣は目を見開き、思わずむせそうになった。

「えっ……わ、私は……!」


言い終わる前に、ヒロキが豪快に笑って卓を叩いた。

「良い!稀なる縁だ。趙殿、どうか断らず、我が妹に学ばせてやってほしい。」


アヤメの瞳は輝き、大太刀の柄にそっと触れた。その様子は、ずっと待ち続けていた瞬間を迎えたかのようだった。

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