表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/20

第11話



 神社に着いた後、俺たちは仕事に行くために準備をした。


 準備っていっても、そんな大層なことじゃない。


 和茶は神社の周りでは、周囲の人間にも見えるように実体化する。


 最初に出会った時と同じように、手に触れたり、声を発することもできる。


 神にはそれぞれ「土地」というものがあって、自らの「神力」と密接に結びつく領域が存在する。


 この領域のことを通称“神域“と呼び、神が現世へと具現化することができる範囲のことを指す。


 わかりやすく言えば、「神社」とは神が鎮座する場所であり、現世へと通じることができる“通り道”でもある。


 神社の敷地としての大きさはピンキリだが、神聖な場所と外界の境界を分けるのは、「鳥居」になっている。


 この神社にも存在するが、鳥居の外に出れば、和茶も実体を保てなくなり、力を失う。


 逆に鳥居を潜れば、それは彼女の領域に侵入したことになる。


 そしてその境界の役割を担う鳥居には、別の側面があった。



 「さ、行くぞ」



 人間の姿になった彼女は、俺に合図を送る。


 さぁっと風が立ち込め、木の葉がひらりと宙に舞い上がる。


 俺は全身の力を抜いた。


 目を瞑り、呼吸を整える。



 『風の満ち渡る刹那よ、翳りし影の縁を捉えよ』



 響き渡る軽やかな声。


 伸ばした手のひらに、風が回転する。


 和茶は「風」の力を操る神だった。


 彼女の神号は、志那都比古神しなつひこのかみ


 “解言”を唱え、自らの力を解放する。



 ゴオッ



 半径数メートル以内の範囲で突風が吹く。


 それは“合図”だった。


 彼女が唱えた言葉は、自らと契約したものを呼び起こすため。


 自らの力の半分を受け渡した「者」との融合を、促すためだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ