5.柄シャツ☆メタモルフォーゼ
ここ数年で暑い時期の私に遭遇したことのある人はご存知かと思うが、私は柄シャツを愛用している。
柄シャツに目覚めたのは比較的最近だ。にわかである。
二年ほど前だろうか。友人の影響で柄シャツを着るようになった。
その友人は遠方に住んでいるため実際に会えるのは一年に一回あれば良い方だろうか。そのため通話でお話することが多い。
ある日の通話でその友人が「柄シャツは良いぞ」と写真を見せてくれた。どれもド派手な柄だった。例えば虎の柄。虎の縞模様ではない。虎そのものがたくさん描いてある柄シャツだ。ド派手。だけどすごく可愛い。そう思った。
実際に会った時も友人は柄シャツを着ていた。シャツだけではない。パンツも柄物であった。柄に柄。でもとても可愛く、かっこよく、似合っていた。素敵だった。
こういう服装良いな。と私は柄シャツを調べた。私も派手な柄シャツを着てみたい。そう思い検索していた時、私の目に飛び込んできたのはタコ足の柄シャツだった。首肩辺り、上から下に垂れるように黒いタコ足が描かれているものだ。カラーバリエーションも豊富で、私は悩んだ結果、蛍光ペンの黄色のような明るい色に黒のタコ足という目立ちに目立つ色を選んだ。
「すごい色」「なぜそれを選んだ?」「でも可愛い」
これが近所に住んでいる友人からの評価だった。本当にそう。すごい色。すごい柄。でも可愛い。私は夏にそのタコ足柄シャツを着るようになった。きっとどこへ行っても目立っているんだろうなとは思うが、好きで着ているので気にしたことはない。
ちなみに待ち合わせの時にこのタコ足柄シャツは大いに役に立った。
「すぐわかった(笑)」と二回は言われている。柄シャツは可愛い上に便利なのだ。
さて、タコ足柄シャツで成功を収めた私は、他にも柄シャツが欲しいと思った。
どういう柄シャツが欲しいか考えた時、メキシコのド派手な骸骨の柄が良いな、と思い、骸骨柄を検索した。しかし自分の納得のいくメキシコの骸骨柄は見つからない。やはり無いのか、そう思った時に流れてきたのは、妖怪がしゃどくろのモデルとなった浮世絵が描かれた柄シャツだった。一瞬思ったのは「これ着たら完全にわんぱくなヤカラだな」だった。でも可愛い。買いました。
実際に着てみたらまあ可愛いこと。お気に入りになった。去年の夏はこのがしゃどくろに大変お世話になった。
去年の秋にはエスニックファッションのお店にて、念願のメキシコ柄(派手な骸骨などが描いてあるもの)を手に入れた。
そして最近、実際に着るのは暑くなってからにはなるが、般若の柄シャツを購入した。気分はウキウキ。浮かれすぎて恐らく数センチは浮いていると思う。
このように、柄シャツ沼で大はしゃぎしている筋肉シマエナガである。
環境云々色々あって、慎みある女性らしいものを着ないと……、と長年思っていたのだが、ここに来てその概念をぶっ壊し、私はド派手柄シャツ大好き筋肉シマエナガへとメタモルフォーゼしたのだ。
ちなみに、今はスカジャンの購入も考えている。秋冬もド派手になりたくてだな。何柄が良いだろうか。それを考えるのも、幸せな時間である。
好きなものを着るのは楽しい。人生の潤いの一つになる。
この好きを大切にしていきたい。そう思う、筋肉シマエナガなのであった。