魔王?視点
皇君、早くもりいなちゃん内で魔王指定されてしまいましたよ~憐
俺は、絶対にいやだった。
そうだ、認めるものか、嫌がらせで自分から世話係りなど辞退させてやる。
―――と、思っていた。
ついこの瞬間までは――――。
「倉敷りいなです。宜しくお願いします」
ぺこっ。
と、きらきらっと光輝く頭で、それだけで眩しい。
エメラルドのように煌く瞳と、うまそうに色ずく唇―――。
頭を下げてこちらを見つめてきた―――、
胸がぎゅっとひきしぼられた―――。甘い痛みが走る―――。
俺は一瞬、息をすることさえできずに、大きくあえいだ。
何だ!??この可愛い生き物は!!
見たことないぞ!??本当に男か!??
思考がまとまらない。
きっと、そのときの俺は本当にまぬけ顔をしていたと思う。
それほどまでに、りいなは衝撃的だった。
甘美なうずきと共に、俺の心臓にどかどか土足で入り込んできた、いきなり―――。
俺は、きっと見た瞬間から、りいなを拒めない、いや、俺だけのものにしたくて仕方がない、男なのに―――、いや、最早性別など関係無い――、と分かっていたのかもしれない。本能的に。
「では、世話係りということで、ちょうど北條君の隣の席が空いていますし、倉敷君はそちらに座ってください。」
担任の声ではっと意識を取り戻すと、そこには、少しおびえ顔のりいなが立っていた。
「北條君、これからお世話を卒業までさせていただきます。宜しくおねがいします」
にっこり笑ったりいなに、
「りいな、皇だ。」
「は!?」
「こうと呼べ。親しい者は皆そう呼ぶ」
「ええと、では、皇さまで。」
さま付きなのは気に食わないが、まぁいい。時間はたっぷりある。
なぜか俺の顔を見て真っ赤になったりいなに、隣の席にさっさと座れと言った。
りいなちゃん、こう様の、無自覚な笑顔にやられちゃってるよ~~