授業中
りいなちゃん、集中するのだ。
なぜか遠慮するりいなに、一瞬いらっとして、むりやり机をくっつけたら、おとなしく横に座ってきた。
そう、それでいい。
俺の言うことに逆らうな。俺の隣にいろ。
――――ん?なんで、俺はこんなこと、思ってるんだ!?
しかも、世話係りを容認してしまっているではないか?!??
う~~~む。
これでは、あの髭の思うつぼで、なんか嫌だぞ。。。
俺の手の半分くらいな白桃のような手が、一生懸命、黒板の数式を写している。
首をかしげ、眉を寄せ、エメラルドを翳らせ、真剣に授業を聞いている横顔。
さらっと流れた、金の髪からは、甘ったるいお菓子のような香り。
――――触ってみたら、心地良いだろうか。
「なっ、何をするんです!???」
がたんっ。と、椅子からずり落ちたりいな。
面白い、今度は真っ赤に熟れたりんごみたいで、おいしそうだ。
「別に、ごみがついてた」
「言ってくれれば、自分でとります~~~っ」
「?いいではないか、別に唇くらい」
よくないですっ~~~。
と、絶叫したりいなに、クラスメートはちーんと合掌した。
あぁ、あの「皇」に気に入られてしまったんだね、りいな――――。