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召喚されて異世界行ったら、全てが終わった後でした  作者: なこまる
ある意味テンプレ
13/80

13:イェ~イ!独り立ち!え?独り立ち?




 例の本の翻訳も終わり、この世界での常識も理解できた。多分。

 とうとう王宮の仮住まいを出て、独り立ちを迎えます!


 ありがとう、先生(アルハトさん)

 薬師師長(ファランさん)、ワカティさん。

 特にワカティさんは、俺を見下しながらも乾燥させる前の薬草を説明してくれた。


〈私の鑑定があれば、不要な説明ですね〉

 アートモが更にワカティさんを見下していたのは、絶対に内緒だ。

〈それにオレ様のサーチがあれば、簡単に採取出来るしね~〉

 美少女に厳しいな、ナビシステム達は。

 ナビ達の声が俺にしか聞こえなくて良かったよ。



「郊外に家を買ったんだって?」

 王様に質問されたので、素直に頷く。

 ここは初日に来た応接室。

 室内には王様と先生と、扉の所に護衛騎士。

 鎧姿ではなく、騎士服に帯剣だ。

「実はまだ実物は見てないんですけど、間取りとか地図で場所とかは確認しました」

 すぐに住めるように先生が手配してくれたから、信用している。


「淋しいから、(たま)には遊びに来てね!」

 王様が俺の手を取ってブンブンと振る。

 友達かな?友達だったかな?

 違うよね?

 色々感謝はしているけど、初日に会話してから会うの2回目だし、親近感とかは皆無だ。

 むしろ会いに来るなら先生にだな。



「で、だ。1人で住むには広過ぎると聞いてる」

 王様が俺の手をパッと離し、中空で手を振る。

 誰かを呼んでいるように。

 扉の前の騎士が横にズレて、扉を開けた。

「失礼します」

 入って来たのは、例のイケメン騎士。

「失礼します」

 その更に後ろから、例の黒魔導士。


 二人が入って来たら扉が閉められた。

 数歩進んだ二人は、揃って頭を下げる。

 騎士は右手の握り拳を胸に当てていて、魔道士は普通に体の横に腕を下ろしている。

 騎士の挨拶は心臓を捧げるとか……いや、騎士じゃなかった!


 ヤバッ。元ネタ漫画だった!「駆逐してやる」な、アレだ。

 巨人が進撃するのかと思ってたら、主人公の事だったんだよな。

 いや、今は巨人はどうでも良い!好きだけど!!



「この二人を君の護衛に()えるから」

 は?王様、お馬鹿さんなのかな?

 勇者を護衛?要らないよね、マジで。

〈護衛という名目の監視だな!〉

 うん。そっちの方がしっくりくるね。


「宜しくお願いします。抱えて逃げるのは任せてください」

 騎士(コイツ)も馬鹿なんだな。

 何で勇者を抱えて逃げるんだよ。

 戦えよ!俺も戦うよ!

 しかもその手つきは、所謂(いわゆる)姫抱っこだよな!?

 何、本気で護衛?する気になってんだよ。

 監視しろよ!!


〈ちょっと……不思議な方ですね〉

 アートモが引いてるよ。

 ドン引きだよ。

〈こわっ!なんかコイツ怖っ!!〉

 初めてガイアの意見に同意したかもしれない。



「宜しくお願いします。色々支え合って行きましょう」

 ニッコリと微笑んで挨拶してくる黒魔導士。

 黒魔導士(こっち)黒魔導士(こっち)で、一癖も二癖もある感じだ。

 常に礼儀正しいが、俺はコイツが「今更かよ!ヘッボいな王国魔術師!!」と開口一番叫んだのを見ている。


 嫌いじゃ無いけどな、腹黒。

 俺を()めたり、(おとし)めたり、(おとしい)れたりしなきゃ、という条件が付くけど!




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