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召喚されて異世界行ったら、全てが終わった後でした  作者: なこまる
ある意味テンプレ
10/80

10:嘘じゃないから!本当だからね!




 俺の無駄に優秀な言語翻訳機能()は、白金貨5枚の仕事をしてくれた。

 白金貨1枚が大体1,000万円だとガイアが言っていた。

 まだ全部は終わってないのだが、生活に必要だろうと先払いしてくれたのだ。

 郊外に広めの家が買えるな!



 この国の通貨単位は、銅貨・銀貨・金貨なのだが、その中で更に細かく分かれている。

 小銅貨、大銅貨、小銀貨、大銀貨、小金貨、大金貨、白金貨。


 しかしガイアが良い仕事をしてしまっているので、俺には全て円換算で見えるのだ。

 白金貨の表面に1,000万とか日本語で書かれてる違和感。

 小銅貨(10)大銅貨(100)小銀貨(1,000)大銀貨(1万)小金貨(10万)大金貨(100万)白金貨(1,000万)

 円換算が見えない物は、贋金(にせがね)なので受け取るなと言われた。

 ガイアが優秀過ぎる件。

 いや、真贋(しんがん)はアートモか?




 さて、肝心のお仕事といきましょうか!

 原文を書き写しながら、ゆっくりと読み上げる。

「えぇと、『イグスリのザイリョウは、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ』」

 え?これって七草!七草粥の七草だよね!?

 大丈夫?5,000万の内容これ!?


「体に良い薬草ばかりですが、スズナとスズシロが解らないですね」

 ファランさん。真面目に仕事しているのに、間抜けに見える悲しさよ。

 だって、検証しているのが七草粥の七草。

「スズナが(カブ)でスズシロが大根だと」

 七草粥。正月料理で疲れた胃を休ませるんだよな、確か。だから胃薬?


 調薬だから、実際には七草粥ではない。

 当たり前か。

 製法も『葉を乾燥させ乳鉢ですり潰し、水から煮出す』とあるからね。

 そして、この『煮出す』は、言葉通りではなく、調薬スキルのある人が魔力を込めながら攪拌(かくはん)する事を指している。

 ファランさんが教えてくれたので、間違いない。



「師匠!持って来たよ!」

 ワカティさんが前半の5個の薬草を籠に持って来た。

「え?蕪と大根!?」

 スズナとスズシロの話を聞いたんだろうなぁ。

 あ!でも料理に使うような大きいのを買ってこられると困っちゃうぞ。


「まだ小さいサイズので大丈夫だと思います」

 横から助言すると、は?みたいな顔をされた。

「調薬なんだから、それ用のを持って来るに決まってるし。ほら」

 先に持って来た5種類の()を見せられた。

 乾燥されていて、薬草っぽくなっていた。


 うぅん。

 小さな親切、大きなお世話だったね!


 この後、ワカティさんはファランさんに「人に物を教えてもらっておいて、なんて態度ですか!」と怒られてしまった。

 なんかゴメンね。




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