三声(さんせい) ◇ いのり ◇ 視点、始点
もうしわけありません、
感想と評価は閉じさせていただきますね。
『三声』
覚えておきたいとおもった
命のこと
震えながら
三度鳴き
逝った命のこと
遠くからの声
微かな響き
気のせいかとおもいつつ
なにもせず流して
過ごしていたことを
力なく立ち尽くす姿
うずくまり震えていたと
生きるために餌をあさり
収集場所を荒らしたこと
跡を散らかしていたと
遅れて聞いたこと
座していたことを
助けられたのだろうか
もっと視る力があれば
もう少し知る意識があれば
重くなるきもち
いりまじる悔い
出来もしないことに
ごう慢であるとおもいつつ
ここにつづり記す
ねこの声を聞いたこと
命を見過ごしたこと
耳にのこるなき声のぬしのこと
ゆく末をおもう
ゆく先をいのりつつ
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『いのり』
マリウポリの20日間
医療現場や街
傷つけられる人の
ドキュメンタリーを見て
いのちをおもいつつ
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人は正義をかざし
偽りの愛を唱えて
人を傷つけ殺す
殺し続ける
そのかたわらで
そうならないように
人を助け救う
救い続ける
神はほんとうにいるのだろうか
いるのならこの愚かな生き物を
どう見ているのか
どう感じているのだろうか
この映像を観る自分はなんなのか
人の撮る映像を観て
打ちのめされる自分は
なんなのだろう
見なければ
知るべきとおもい
傷と悲しみを感じる自分は
傷つける人と変わらない
人はしあわせに
よろこびとともに生きなければと
そう生きたいとおもうはず
そのために
人を傷つけ踏みつける人という
その相反するおこない
争いは人を狂わせるのか
それを観て
打ちのめされるおもい
力なきことはいけないことなのか
どうか
どうか
人が救われますように
私は神を信じないけれど
この時だけ
祈りを捧げたい
ごう慢だと言われてもいい
どうか
人が救われますように
どうか
まだ人のあゆむ道がありますように
あなたはいつまでも
しあわせでありますように
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なにかが起こり
なにかを見つけ
なにかが始まる
ものごとは流転する
できごとは繰り返す
そうして出会い続ける
未完 『視点 あるいは始点』より
かなしみもよろこびも
くりかえしおとずれる
抱えきれなくとも
こぼれ落ちるものが多くても
それでもあゆんでゆこう
いのるおもいは持ってゆきたい