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感動の再会は時としてろくなもんじゃない

「ごめんくださーい」


「はーい! ギルドスターアニスにようこそ! ご要件は?」


この街の冒険者ギルドスターアニス。

ギルドは仕事を紹介してくれたり、人々が交流するのに集まる場所だ。

主に魔法が使えたり、戦うことができる人達にしか出来ない仕事を扱うので一般人は中々ギルドには訪れない。

ちなみに冒険者っていうのは、劣化版勇者とか夢やロマンを求めて仕事もせず旅に出るプー太郎のことを言う(私の偏見)。

つまり私ってことさ!


「お仕事ください」


「えっ!? あっ、はい! 少々お待ちを!」


ん? なんだ、そんなに慌てて。

受付のお姉さんがビックリすることあったかなぁ・・・


「おいおい、お嬢ちゃん勇気あるねー」


「本当、本当! 今仕事ったら楽園の塔に登ることくらいしかねぇぞ?」


ギルドのバーカウンターで昼間から飲んでるおじさんの二人組に話しかけられた。


「えっ?」


「知らねえのか?」


「えぇ、私昨日街を追い出されて無理やり勇者まがいの旅にでてるので」


「あはは! なんだそれ! ねーちゃん彼女にフラペチーノ1杯!」


フラペチーノって、このおっちゃんハイカラだなぁ・・・


「それで? 楽園の塔って? ダンジョンなのは知ってるけど」


「あぁ、最近町外れにできたタワー型のダンジョンだ」


「あそこのお宝すっげぇよ! 下の階なのに宝石とかわんさか出てくるんだ!」


「へぇー」


「だから、皆さん上にはもっと凄いものがあると思い登ったんです。だけど、皆さんそれっきり戻ってこないんですよ。はい、リストとフラペチーノです」


お姉さんがカウンターに持ってきた物を置いて憂鬱そうに喋った。


「本当だ、行方不明者の捜索ばっかり」


「全く、ダンジョンなんて魔族が人間を捕まえる為に作ったものなのに・・・冒険者の皆さんはお宝に目がくらんで入るんだから」


「やっぱり、そうなんだ」


「そうは言うけどよースズちゃん、俺ら冒険者にとってダンジョンは稼ぎ場所なんだよ、それに魔族なんていないぜ?」


「そーそー、宝に目がくらんでそこで一生過ごそうとしてんじゃねーの?」


「そんなわけないでしょう! きっと皆さんあの中で・・・」


悲しそうな顔見せるスズさん。

うん、普通はそう考えるよ。

帰ってこないなら多分死んでる。

あの西の国の人達が奴隷を使ってダンジョン攻略をしようとしてたのも、自分達が危険な目に会わないためだ。


「という訳で、今お勧めできるお仕事はありません」


「ですよねーじゃあ今回のお話はなかった事で」


「話は聞かせてもらった!!」


ギルドのドアが、突然開いて聞き覚えのある声が聞こえてきた。

おいおい、なんで今お前がここに。

感動の再会とか求めてないんだが。


「よっ! 昨日ぶり! アリサ!」


「・・・どーも勇者さん」


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