ナニコレ
遅れて申し訳ありません!
前回のあらすじ
サリアにまたヤラれた。
「······ぁ〜あ」
目を閉じていた有紗が、ビクッ!!と震え顔を素早く離した。なにする気だったのか分かんないけど、とにかく眠い。
「起きた?」
「おはようのキスは······?」
「っ///もう、ふざけないでよ」
洗面所に行って顔を洗う。冷たっ、石鹸泡立てるのだるいけどやるか······。うぅ、冷たい。
「あら、遅い起床ね」
「お陰様でね」
「早くご飯にするわよ」
「はいはい」
サリアを追ってダイニングに向かった。いつものご飯の香りg······違う、いつもより豪華そう。
「なんで······?」
「気にしない気にしない」
「そう」
「「「「「いただきます」」」」」
いつもより素材の味がいい。でも料理自体は変わってない。なんでこんな豪華なんだろう?怖いな。
「ごちそうさまでした」
フェイルノートでも手入れするか······。こういう時は武器を手入れして精神統一するしかない。
「ごちそうさまでした。······彼方、おかしくない?」
「有紗もそう思う?」
「やっぱりおかしいよね」
「ごちそうさまでした。······あんた達どうしたのよ」
サリアに聞いてみよう。大人組ならどういう状況か分かるだろう······分からなかったらサリアの株を下げよう。
「こんなにご飯が豪華な理由分かる?」
「記念日じゃないの?」
「あ······知らないのね」
これは株だだ下がり。しかしサリアも知らないとなると本当に何なんだろう?家族サービs
「うぅ······体が痛い」
「あんたは寝起き遅いわね」
「何があったの?」
「これを見るのよ」
えーっと······卒業試験だ、お前達には自力で家に帰ってきてもらう。マジで言ってる?
······あのクソ親父!!ここがどこだか分かってるのか?辺境······つまり未踏域だぞ!?
「取り敢えず水場を探すわよ」
「了解」
「有紗、頼むわ」
有紗の能力は聞いたことないな。どんな能力なんだろう?サリアは確か触れた物に衝撃をくわえる能力だったはず。
「ここは大体家から東に30km離れた場所だったよ。水場は北に500mの所にあるよ」
「水筒が必要だね······ちょっと待ってて」
突きをするには剣が必要だと思ってる人も居るかもしれない、甘い甘い。こんな風に手を突き出すだけで······
「あんた······いつもわざと捕まってたの?」
「どうして!?」
「こんな事出来るなら振り払えるでしょ」
「······確かに」
なんで今まで気付かなかったんだろう?振りほどけば良かったz······サリアにボコボコにされる未来が見える。
「あ······サリア、刃物ある?」
「ペーパーナイフでいいかしら?」
「まぁ、平気」
ペーパーナイフで竹を削って剣っぽい木片を作る。そして、本命の水筒を作る。よし、いい感じ。
「出来た······」
「遅かったじゃない」
「······思った通り壊れたよ」
「それで遅かったわけね」
これで害獣も駆除できる。さて、水場に行こう。これならギリギリ飲める水を確保出来るだろう。
「ふぅ、着いた」
「さ、確保するわよ」
「竹が生えてて運が良かったね」
「······作為的に選んだんじゃないかな」
ギリギリ生存出来る場所に放置したんだろう。父さんは悔しいけど優秀だ、それくらい出来るだろう。
「なるほどね······なら安心じゃない?」
「いや······デビルローチレベルなら大量に出てくる可能性はある」
「え······?」
「なんですって!?」
二人の顔が一気に青くなった。気持ちは分かる。デビルローチを倒せる自信はない。
「出ないかもしれないし、過剰に絶望しないでいこう」
「う、うん······」
「今だけはあんたに任せるわ······」
サリアは腹立つけど置いていくほどイラつく訳じゃないし連れて行くか······。未踏域、生きて越えてやる。
───数時間後───
「······お腹、空いた」
「解決手段は無くはない」
「本当にあるのね!?」
揺らすな揺らすな······ただなぁ、命の危険もあるから気はすすまない······。でもこんな状態でいられるわけにもいかない。
「ゲテモノでも食べられる?」
「食べられるわ!!早くして!!」
「仕方ない、攻撃に備えてね?」
「え、えぇ」
抑えていた魔力を外界に放出した。魔力だけは有り余ってて助かった。これで多分引き寄せられてくる。
「ギチチチチチチチチチ!!」
「ひっ······!!」
「さて、ここからだ」
思った通り引き寄せられてきたな······デビルローチ。こいつを倒せば貴重なタンパク質が手に入る。
──始まった
デビルローチがこちらに飛びかかってきた。早い。しかし、父さんほど早くはない。
これなら無防備な口の中に突きを叩き込める。なんだ······意外に余裕そうだ。
──戻ってきた
「ギィィイィィィィィイィィィイ!!」
「どりゃぁぁあぁぁぁぁぁあ!!」
「ギ、ィイィィイイ!!」
口の中に剣を叩き込んだ瞬間、デビルローチの体液がふりかかった。そのまま剣を上に持っていき、脳味噌を完全に切り裂いた。
「た、倒した······の?」
「そうだよ?さ、早く食べよ?」
「そうね······」
デビルローチの皮を剥がして肉に食らいつく。美味しくはないむしろ不味い。ただ腹は膨れる。
次は二十三日です