本部
おまたせしました
──教会本部にて──
「私の服は用意できましたか」
「今日のシチュならこれだろ?見栄の塊みたいな服選んどいたよ」
「流石です」
そう言って彼は豪華なドレスを掲げた。最近彼もいい感じに馴染んできたよう……何よりです。
奴隷とは愛でるもの。他の野蛮な司教達にそれが分からないのがとても残念……そもそも教えの本質も知らぬ者達、無理もない。
「おいおいおい……」
「アフェクション様!何度も言うようですが男の前で着替えるなど……控えてください!!」
「今更ですか?」
「例えそうだとしても……です。世間から貴方様がどう言われているのかご存知ないのですか!!」
確か、変人、奇人、狂人……よくもまぁそんなに思いつくものです。私の領外の信徒達は暇なのでしょうか。
私が教皇になるのは確定した未来、細かいことを気にするような事ではないと思うのですが。
「知っていますよ」
「それなら……」
「まぁ待て。教皇はどれだけ信仰を収めたかだろ?態度は関係ない、そうだろ?」
「そうですよ。よく分かっていますね」
なんにしても今日の会談において我を通せなければ教皇など夢のまた夢……彼女はそれを分かっていない。
教えてあげなければいけませんね。まぁ、それが彼女のかわいい部分なのですがね。
「我を通せなければ教皇など遠いのです」
「それは……」
「今日の議題は重大、そして私が教皇に上がるための足掛かりでもあります。そこに行くのに一張羅を着なくてどうするのです」
「……はっ」
議題のすり替えも上手く行きました。私が教皇となり、世界全土を私の愛玩物にする日も近い。
……ああ、想像するだけで興奮する。世界の全てが私を満たしに来る。女神様が要らないのなら私が貰う……素晴らしきかな。
「さぁ、行きましょう……いずれ貴方のご友人も助けられますよ」
「頼みます」
「あら、敬語を話されると調子が狂いますね……頼まれました。私に任せなさい」
「はっ!」
昔は両性具有など邪魔だとしか思えませんでした。しかし、今は私をそうお造りになった女神に深い感謝を覚えている。
おかげで全生命を平等に私の物にすることができる。ああ……女神様、ありがとうございます。
「あなたは静かにしておいたほうがいいと思います。今の私では庇いきれませんから」
「……分かった」
「行きますよ、衝撃に備えなさい」
床の装置を起動させ、世界樹付近の聖廟へと向かう。彼も彼女も私が拾ってこなければ見ることのなかった神の御業。
可愛らしい反応……これから会いたくもない同胞に会うのですからもう少し堪能したいものなのですが。着いてしまいましたか。
「ごきげんよう」
「また奴隷を増やしたのか。見覚えのある顔だが……」
「監獄塔から連れてきたのです。見覚えがあるに決まっています」
「ほぉ……なるほど、そんな報告は受けなかったが、現場判断ということか」
一番厄……会いたくないのと最初に会うなんて、なんとも運のない。咎められないのなら良しとしましょう。
しかし、街の管理だけでなく塔の管理まで任されていたターレンスから塔が無くなったのは大きいですね。感謝しなければ。
「……蓄魔石の採掘向きの奴隷を連れていますね。譲るつもりは」
「ありません、よく知っているでしょう」
「チッ……この偏愛主義者が」
赤い線が入った白のトーガに見を包んだ青い髪の青年が部屋に入ってきた。この中では扱いやすい方で助かります。
プルーデンス……分別を重んじる一派にして資源を牛耳る唯一の男……。何が分別ですか、欲に従うことこそ人間の本性……。
すべてを慈愛をもって包み込み我がものとすることこそが至高だというのに……教典の本質を読み取れない方が多いようですね。
「相変わらずガタイがよくねぇなぁ〜」
「あなたのガタイが良すぎるだけです。個人差というものを意識してはいかがですか?」
「はっ、ちげぇねぇ」
均整の取れた肉体的……整えられた短い紅髪、まさに節制を体現したような姿は教典の民の在り方としては憧れでしょう。
彼女……テンパランスは私の求める在り方と方向性は全く違いますが価値観は似ている、はずです。
『跪き、傾聴せよ』
「あな……っ!!」
あり……えない、ありえない!!何故この段階でこれ程の御方がいらっしゃる!!この方が天上界にに干渉するなど今まで……!!
そもそも我々の会合に出席なさることなど今までなかったはず、それなのに何故今になってこのような場所に……
動けない……私が、膝を、つけている!?足が、手が、歯が震える。私がその立場に立つというのに、体が動かな……
『面を上げよ』
天上界で唯一神の御意を預かり、神に言葉を届ける事が許された御方、ピューブル天上界支部聖廟長……教皇陛下。
私達では見ることも聞くことも口答えすら許されないまさに天上の存在……いつ見ても震えが止まらない、恐ろしい。
『神は贄をお求めである』
「その事でご報告があります。監獄塔が破られました」
『神は全てご存知であらせられる』
「っ……!!」
街を落とされたことも、私が独自に調査を行ったこともご存知であらせられるという事やはり神は素晴らしいです。
『贄を届けよ、芽を摘み取るのだ。神の再臨は近く……』
「「「「「はっ!!」」」」」
誰よりも早く摘まねばならない。神のお望みを叶える、神の恩寵をより深く感じるために……向かわなくてはならない。
「行きますよ、私の覇道の第一歩です」
「はっ!」
「へ〜……はっ!」
終わったら二人は真っ先にかわいがってあげなくては……3人同時もまたいいかもしれないですが、今は探さなければいけない。
「我々は何を」
「まずあなたは私の部屋に来なさい」
「はい、仰せのままに」
「そしてあなたはあの街を覆う物体の正体を調査してきなさい」
「分かった」
彼女を私に宛てがわれた部屋に連れていき扉の鍵をしめる。彼女の何も分かっていない顔がとても可愛らしくて……いいですね。
「きゃっ……!!」
「ふふふふ♡」
次こそえっちです




