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日常、距離感近くない?

前回のあらすじ

訓練した


「有紗?おはよう······」

「はい、あ〜ん」


 あ、夢か······。有沙にあ〜んしてもらえるなんてありえないもんね。ちょっと大胆な事してみよっかな〜。


「ん······」

「良かった。食べられるみたいだね」

「ん〜」

「うんうん、はい、あ〜ん」


 明晰夢かな?こんな夢毎日見たいわ······いつ目が覚めるんだろう?爪が食い込んだら痛い。あれ·····これ現実?


「はい、あ〜ん」

「ん///」


 どうしよう······超恥ずかしい。ご飯の味が全く分からない。言動が痛い······。落ち着け、寝ぼけている振りを続けるんだ。


「よいしょ······」

「······」


 そ、添い寝·····!!や、やっぱり夢か?でも万一現実だった時を考えて抱きつくのはやめておこう。


「ん〜······」

「······!?」


 抱きつかれた······?胸が腕に当たって気持ちいい。もう後悔はない······今なら事故ってもギリギリ許せる気がする。


「ん······」

「······!!」


 足を絡めてきた······!!これはもう寝てるわけにはいかない。どうしよう。向きを変えようか······。


「えっち」

「!?!?」


 起きてた!?もしかしてからかわれてた?くっ、有紗に嵌められた······!!もし動かなかったら続いてたの?


「おやすみ」

「んあ·····zzz」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「おはよう、彼方」

「······おはよ」

「さ、行こ?」

「······うん」


 なんだっけ?何か忘れている気がする。あ······有紗の胸気持ちよかったなぁ。大きさはサリアに負けるけど······。


「昨晩はお楽しみでしたね」

「そうだね」

「あんた、寝てるの?」


 寝てはない。ただ寝起きは運動と思考能力が普段の半分くらいになる。顔洗お······。


「ん、んん〜」

「起きた?」

「······起きた」


 さっきの自分に会えるならぶん殴ってたところだ。サリアにからかわれる······出だしは最悪の日だ。


「お楽しみだったみたいじゃない」

「べ、別に······」

「おやぁ?そうだねって言ってたわよ?」


 頬を突くな頬を。こいつの(あお)り性能高すぎるだろ。有紗、ニヤニヤしてるの見えてるからね!!


「寝ぼけてたからね。間違えるよ」

「間違えた、ねぇ?」

「あ、ご飯食べないと······」


 取り敢えず逃げよう。うん。どうせ明日になったら忘れてだろうし······忘れてるよね?


「「「「「いただきます」」」」」


 今日のご飯も安定してる。特別美味しいわけじゃないけどマズくもない。実家のような安心感。


「ごちそうさまでした」


 さて、武器でも手入れするか······。フェイルノートでも手入れするか。矢もしっかり研いどかないと。


「なつーかしーきカーわよー、モールダーウよま、きよーきみなもはいまーも······」

「ごちそうさまでした。あ······」

「フェイルノートがどうしたの?」

「それ、特級呪物じゃない?」


 特級呪物······何それ?高次元の存在を打ち払う遺物を捕まえて何を言うか。それにフェイルノートはそこまで性能の······


「そっか、殉神教の洗礼を受けたらこれ触れないもんね」

「ごちそうさまでした。どうしたのよ?」

「特級呪物を手入れしてたから」

「あぁ······アンノニウムの事ね?今日丁度説明しようと思ってたところなのよ」


 アンノニウム······聞いた事ないな。金属の一種か何か······?まぁ、今日の授業で分かるならいいか。


「さ、行くわよ」

「ちゃんと行くから掴ま、あぁぁぁぁ!!」

「強く生きて······」


 なんで毎回頭を掴まれるんだ······。それで擦りむけない体も体だよ!!全く······そのせいでいつまでも引っ張られる。


「で、今日は技術の話だったわね。神歴になってからというもの一般人が触れる技術はおよそ1200年ほど前のものになったわ」

「え······そうなの?」

「特に顕著なのは医療や資源ね。神歴に入る前は脳さえ残っていれば健康な人間に治療できるそうよ。そして、資源これは有紗なら分かるわよね?」


 資源······?地球上に存在するものなら端末から全て手に入れられるものじゃないの?理論上の話だけど。


「教会が独占してるんだよね?」

「そう、正解。ただ、地下技術だけは奪えなかったらしくてね。地上界の地下には未だにFlügel schlagen朝が広がっているらしいわ」

「へぇ〜」


 魔人、モンスター、人間が暮らしたFlügel schlagen朝······地上界の地下か。いつか行ってみたいな。


「で、装備よ装備。フェイルノートはアンノニウムで作られた数少ない武器よ」

「アンノニウムって?」

「今はもう製法の分かっていない金属よ。殉神教徒が触れるとたちまち灰になるわ」


 なるほど······。そんな金属なら確かに特級呪物なんて呼ばれるのも納得だ。遺物と呼ばれるのもこのためかな?


「ま、そんなところね······そろそろ時間ね」

「抜ける!抜けるからっ!!」

「大丈夫。また生えてくるよ」

「抜ける前提!?」


 遂に有紗が反応に匙を投げた。まぁ、この運び方も5年続いてるし、ネタも尽きてくるよね······。


「着いたわね」

「げふぉっ!」


 前に向かって突きを放ち、胴体を蹴り、首を落とし勢いで突き、投げつける。そして、とどめぇ!!


「よし、いい感じだな」

「ふぅ〜」

「さて、今日、なぎ払いを教えようと思う」

「薙ぎ払い?」


 おかしいなぁ、つい昨日突きマスターになったはずなんだけどなぁ······。薙ぎ払い苦手なんだよなぁ。


「まずは基本動作だ。よく見ろ」

「うん」


 父さんがゆっくり、ゆっくりと体を動かし始めた。踏み込みと剣の動きがリンクしている。


「これをひたすらやってもらう」

「分かった」

「そうだな······これで翡翠を切断してみろ」


 これって······木剣?本気で言ってる?翡翠って凄い固いんだよ?切れるかなぁ······。突き破る自信はあるけど。


「はぁ······!ふんっ!たぁ······」


 当然翡翠には傷一つ付いてない。絶対にこの翡翠を打ち破ってやる······見てろよ!!


「はぁ······はぁ······はぁ······」

「今日はもう終わりにしよう」

「ま、だ······だ」

「あ······っと」


 クッ······体が動かない。意識が混濁してきた。こういう時だけ丁寧には······こ······b


「起きたのね」

明日は短いかもしれませんね

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