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おらっ、いちゃいちゃだぞ食え

おまたせしました!


「んっ……ぢゅるる♡れろれろれろ……♡ぷはぁ……はぁーっ♡はぁーっ♡」

「はーっ……はーっ……」


 白露の口元が若干チョコレートで汚れている。白露の唾がまだ口内に残っている。粘性すら帯びた唾が信じられない程美味し。

 ポッキーゲーム……やってよかった。本来は飲み会や合コンでやるものらしいが、恋人同士がやっても問題ない。

 むしろ恋人同士でやる方が健全なのではないだろうか。いや……この言い方は種族差別か。恋愛模様は十n……十種十色だしな。


「お腹空きましたか?」

「いや……あまり」

「かと言って抜くのはよくありません。お粥にしますね」


 感情の落差が激しい。これ以上やると止まらなくなるのを分かっているからだろうとは思うがな。

 せっかく2日我慢したというのにここで開放してしまえば全て水の泡……それに、ただキスをするだけの時間は何というか特別だ。

 せっかくその時間を過ごしていたのに別の事に移行するというのは……よろしくない。


「はい、出来ましたよ〜」

「……」

「鯉みたいに口を開けると詰まりますよ」

「……」


 少し口を閉じた。だが、お粥で喉を詰まらせるかどうかは、正直微……上を向いていたから詰まらせる可能性はあったか。


「あ~ん」

「ん……」


 お粥だというのにしっかり美味しい。塩見と野菜の甘味がはっきりと感じられる。葉物も入っている為消化にも優しい。完璧だ。


「あ……あ〜ん」


 白露にお粥を差し出すと、たどたどしく口を開け、お粥を飲み込んだ。物を噛んでいる白露をまじまじと見るのは始めてだ。

 意外と大きく表情筋を使って噛むな……てっきりもっとスマートに噛み切ってすぐに飲み込むかと思っていたのだが……。


「んくっ……ど、どうしましたか?」

「いや、なんでもない」


 あまり動揺していない……多少動揺してはいるが誤差の範囲だ。食事を見られるのは珍しくないのだろうか?

 多種多様な世界で生きてこなかった生の知識が不足している俺には分からない。まぁ、反応的に食事の凝視は珍しくないのだろう。


「ん……」

「あ、あ~ん」


 ついこの前まであ~んをされて申し訳ないと思っていた。だが、する側になってみると全く面倒ではない。

 確かに、この前のように上に座ると無理な姿勢になり体に負担がかかる。しかし、今のように隣に座ればそんな事はない。


「主様」

「あ……」


 肩を叩いた手で振り返った人間の頬を突くなんていう古典的な手段に引っ掛かってしまった。

 ただ、ニヤ〜と微笑む白露を見てしまうとそんな感情は吹き飛んだ。こういう表情を見るのも初めてだな。


「ごちそうさまでした」

「はい、お粗末様でした……どうかしましたか?」

「いや、なんでもない」

「そうですか?主様がそう言うならそうなんでしょうね」


 そう言う白露もどこか満足げな表情をしている。多分俺もそんな顔をしている。だが、本当になんでもないのだろう。

 ……そう、本当になんでもないのだ。しかし、それに説明の出来ない達成感に似た感覚を覚えている。


「お昼寝でもしますか?」

「そうだな……布団を」

「す〜……す〜」


 白露の方を見ると既にソファーの硬い背もたれに当たっている……枕がいるな。穏やかな寝顔だ……こちらまで眠くなる。

 さて、毛布は……有った。枕は、寝室から取ってくるか……一人で歩くには遠い。


「よし、あったあった」


 日光がない分廊下が暗い。腕力で解決できない霊の類は苦手だ……。生物の本能を逆撫でするような行動原理も大嫌いだ。

 アンデット系の亜人とは違う。彼等はあくまでもこの世のモノ、だが、霊はこの世のモノではない。


「ふぅ〜……寝よ寝よ」


 白露の頭の下に枕を起き、肩に頭を預けて同じ毛布に包まった。暖かい……規則的な寝息で段々と眠く……なっ……て……


「ふ、ぁ〜」

「おはようございます」

「んん……おはよう」


 声が聞こえる……多分目の前に白露の顔があることだろう。まだ眠い……夜ふかしの分も計算して寝ているのにどうしてこんなに

 冷たっ……冷たいっ……瞼を上げても、視界は塞がれたままだった。手のひらだ。


「おは……こんばんは」

「ん〜……」


 いい匂いがする。夜ご飯の時間まで寝てしまったのか……それとも時間まで寝かせてくれたのか……多分寝かせてくれたんだろう。

 白露が差し出している手を握って立ち上がる。ふらついて上手く左右に揺れる俺を白露があっという間に椅子に座らせてしまった。


「今日は秋刀魚が採れたんですよ」

「秋刀魚……?嘘だろ?」


次は一週間後です

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