考えるな、感じろ
おまたせしました
何か含みがある……ような気がする。白露は俺が少食なのを知っている。だから特に違和感があるわけでもないのに……何故?
考えすぎか……?白露の言動が矛盾していない上、この後も考えればこれ以上当てにならない勘に振り回される必要もないか。
少し表情が曇っただけだ。前と比べて食べられなくなっているのがいたたまれなかっただけかもしれないしな。
「寝ましょう?」
「そうだな」
白露が自然に腕を組んできた。あまりに自然すぎて腕のぬくもりを感じるまで気付かなかったほどだ。
堂々と腕を組んで歩く白露……美しい。何か肌同士での触れ合いには何かしらの心理的影響がある気がする。
「ベッドだぁ……れ?」
「主様……フーッ、フーッ」
いつの間にかベッドに押し倒されていたのはいいとして、白露の目が据わっている上に獣のような息を吐いている。
様子がおかしい……4日目までは性的な行為は禁止のはず、そういう事をするつもりなら止めなければ。
「白露……4日目まで、4日目まで抱擁とキスしかしてはいけないことに」
「んちゅぅぅ……♡ぢゅゅゅゅゅ……んぢゅうううう……っ♡ぢゅゅゅゅゅ」
白露に顔を掴まれて唇を思いっきり吸われている。まだ舌は入れられてない。ただ、白露の目は相変わらず据わっている。
……不思議なものだ。こうして眺めているだけで幸せを感じるのだから。そう思いながら頭を撫でていた。
「んん……♪んちゅゅゅっ♡ぢゅゅゅゅゅ……んっ♡んっ♡んぢゅゅゅゅゅっ」
「んはぁ……取り敢えず上だけいいか?」
少し息継ぎをし、白露を抱き寄せる。一瞬震えた後俺の背中に手を回してきた。白露の唇を割ろうと舌を出すと、なにかに触れた。
白露の舌だ。目の前にある白露の瞳が三日月型になっている。考えることは同じだったか……愛おしい。
「れろ♡れちゅっ……じゅるるるる……♡じゅぱっ♡じゅずっ……れろれろれろ♡」
「ん、んんっ……」
白露の歯列をなぞり、下の歯の裏を丁寧に舐めとる。少したこ焼きの味がする。でも、それが愛おしい……。
「ぢゅるるるるっ♡んぐっ……ぢゅぶっ♡ぢゅぶっ♡ぢゅ〜〜〜〜っ……♡」
「はぁ〜……はぁ〜、んんっ」
白露が舌をねっとりとしゃぶる。舌に伝わる圧迫感と熱で意識がぼんやりとしてきた。
お互いに体を抱き寄せ、白露が垂らす唾液を飲み込む。特に美味しくはない。ただ、嬉しい。
「じゅるるるる♡ちゅっ……ちゅっ……♡れろぉっ……ぢゅぷっ♡ぢゅぷっ♡ぷはぁっ」
「はぁ……はぁ……はぁ……」
息継ぎに唇を離すと白露の唇との間に銀色の橋が掛かっていた。視線を上げて白露の顔を見ようとしたら目が合った。
しばらく止まった後、白露がいたずらっぽく微笑んだ。かわいい……好きだ。いつの間にか俺は涙を流して白露を抱き寄せていた。
「もう、どうしたんですか?」
「なんでだろうな……」
「私はどこにも行きませんから、ゆっくりゆっくり一緒になっていきましょうね」
「あぁ……あぁ……」
白露の胸で泣いた。たまにどうしょうもなく寂しくなる。愛情を感じた時には特にだ。
白露の手が一度戸惑うように震え、頭を撫で始めた。涙が後から後から溢れてくる。
「主様」
「な……」
「愛しています」
白露が額に口付けをした後、涙を舐め取った。心のざわめきにまかせ、白露を抱き締めベッドに倒れ込み眠気に任せ瞳を閉じた。
「おはようございます」
「おはよう……ん」
「……!!今日もいい朝ですね」
白露に向かって手を差し出す。何を今まで躊躇っていたんだろう。甘えて欲しい白露に甘える事の何を躊躇う事があったのか。
白露にお姫様抱っこをされながら廊下を進んでいく。まだ目がしょぼしょぼして気分が良くない。
「顔を洗いましょうね」
「ん〜」
白露に下ろしてもらった。というか、下ろされた。顔を濡らすだけなら出来るので顔を濡らした。
自分で出来ることはやらなければ白露に負担が掛かってしまう。俺は一人では家事も自分の事も出来ない。
だからなるべく負担は減らして、倒れるなんて事がないようにしなければいけない。
「主様〜」
「がらがらがらがら」
「洗いますよ〜」
「ぺっ、ん〜い」
白露にされるがまま顔を洗う。白露にしてもらう事、自分でやる事、きちんとメリハリを付けて行動するのが大事だ。
過度に甘えを抑制したり、過度に甘えたりするのは良くない。昨日ようやくそれに気が付いた。
「はい、出来ました」
「ありがとう」
「ぬ、主様……?」
「どうかしたか?」
白露の腕に自分の腕を絡めて廊下を歩く。目も覚めたし歩いてもふらつくなんていうことはないはずだ。
白露が目をぱちくりしながらこちらを見ている。これは……そそられるな。白露が色々と驚かしてきた理由も分かる。
「今日は何をしようか」
「そ、そうですね……何しましょう?」
次も日曜日です




