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花火

おまたせしました!

「分かってはいるが逆らう事は、ふぁ……」


 足も、舌も上手く動かせない。今こうしている間にも瞼が降りてきている。今寝ると芝生の上で寝れなくなってしまう。


「あと少し、頑張りましょう」

「そーらな……」


 白露が目を閉じて妙な仕草で動いている。まさか、やらないよな?そんな事をされt

 白露に抱きつかれた。だが、俺は最後の力を振り絞って白露を振り解いた。こんな温かいものに包まれれば睡眠は避けられない。


「ど、どうしたんですか?」

「寝てしまう……」

「そ、そうですか」


 白露が若干驚きながら半歩下がった。そこまで驚くような要素があっただろうか?睡眠欲の深さに驚いたのだろうか?


「さ、着きましたよ」

「あ……あぁ。着いたか」

「大丈夫ですか?」


 白露が俺を床の外に連れ出した。目の前は申し訳程度に生えている木以外は全て草原。

 ピクニックをするのに適した地形と言う他ないだろう。教会派帝国市民の建造物にしては中々趣があるではないか。


「首の皮一枚な……」

「氷使いますか?」

「あるのか?」

「無いんですけどね」


 正直な所目が死にそうだ。だが、目覚めたまま辿り着く事が出来た。これで芝生で昼寝ができ、る。

 安心が一気に眠気を連れてきたようだ。目が開けられない。限界だ……もう立つ事すらまともに出来ない。


「おっと……おやすみなさい」


 ──睡眠欲からは逃げられない──


「はっ!」

「早いお目覚めですね」


 白露が脇に座っ……座って俺の頭を撫でていた。背中に芝生を感じる。どうやら芝生で昼寝をする夢は叶ったようだ。


「おはよう……何時間経ったんだ?」

「そんなに経ってませんよ?三十分かそこらです。昼寝っていうより仮眠ですね」

「そうか……良かった」


 白露の手が背中の土を払ってくれている。手付きがいやらしいな……何か別の事を考えよう。

 三十分……ピクニックに支障がない時間で良かった。勢いに任せて来たが、ピクニックには何をするんだ?草滑りか?


「主様暇そうですね。ドキドキ☆ターザンゲームでもしますか?」

「なんだそれは……聞いたことがないそ?」

「私が作りましたから」

「そ、そうなのか……」


 不穏な名前のゲームだ……。だが、白露がわざわざ考えてくれたというのにやらないというわけにもいかない……やるか。


「やるよ」

「今説明しますね。ここに私の糸があります見えますか?」

「あぁ」


 白露が指をさす方向にはやや細めの綱があった。何となく想像がつき始めたがまだ確証はない。白露の説明を聞こう。


「そしてここに端を潰した主様専用の刃のブーメランがあります」

「なるほど?」

「これを糸に引っ掛けて移動します。千切れる直前に手を離してください。長い距離を出せれば高得点です!!」


 謎の得点要素はさて置き中々楽しそうだ。ピクニック要素も盛り込まれている……何も突っ込み所がないのでは?


「なるほど、分かった。これを使うのか?」

「はい、そうです」

「こういう時は叫ぶのが礼儀だったか?」

「……?はい、そうですね」


 何故こんな事を聞いたんだ?まぁいい。さっさと始めよう。中々楽しそうなゲームだ。この台に乗って……よし!


「た〜まやぁぁあぁぁあ」


 糸とブーメランが糸と擦れる金属音のようなものが響き、片腕から振動が伝わってくる。き、キツイ……。

 思った以上にスピードを感じる。それに片手で体重を支える必要がある。切れる寸前まで保つか……?


「この感覚は……!!」

「おぉ〜、中々やりますね」


 刃のブーメランが落ちる音がした。音が聞こえたという事はコンマ数秒は余裕があったはず……抜かった。


「主様の記録は75ポイントです!!流石、主様高得点です!!」

「そう、なのか?」

「はい、私に次ぐ得点ですよ」


 白露が嵐のような拍手をしている。一人でそんな音を出しているのも気になるが、そもそもポイントはどう出すのだろう?

 距離から切れるまで残っていた秒数×100でも引くのだろうか?その計算だと0.3秒程度残っていた事になる。中々ギリギリだ。


「では私が行きますね。ふふふ……格の違いを見せてあげますよ」

「あ、あぁ……」


 白露が前かがみになり俺の目の前で人差し指を3回ほど振り、腰に手を当ててドヤ顔をした。それに合わせて胸が豪快に揺れる。

 このゲームに謎の自信があるようだ。まぁどちらにしても見るのは変わらない。後方で腕組みすればいいだろう。


「行きますよ〜!」

「おぉ〜」


 白露が台から跳躍し、勢い良くブーメランを掴んだ。片手だというのに微塵も表情が変わっていない。ニコニコしたままだ。


「か〜ぎや〜〜〜〜」

「……」


 こちらに微笑み掛けてきている。掛け声を合わせたんですよ。褒めて褒めて!!という、声が聞こえてくるようだ。

 じっと見つめていると何を感じ取ったのか頬を染めて下を向いた。後で何を言われるのか怖い……。


「よっと」

「おぉ……!!」


 白露が糸が切れた瞬間に着地した。これは成功しているのか……?俺の動体視力では判定が出来ない。

次はカットがあるかもしれません

次も日曜日です

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