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武器って、いいよねぇ

前回のあらすじ

サリアに掘られた


「助かったわ。片付けよろしく」

「あれ?濡れてる······」

「そういう事。後はよろしく」

「あ、うん」


 汚れたシーツをなるべく乾かし床に寝転ぶ。寝相の悪さには自信があるから落ちたって言えば誰も疑わない。


「ふぁあ〜」

「おはよう」

「おは······おぉおおっ!!有沙!?」



 目を開けると有沙が物凄い近距離にいた。息が鼻にかかってくすぐったい。う〜ん、かわいい······。


「どうして床で?」

「寝相悪いのは知ってるでしょ?」

「懐かしいね。たまには一緒に寝る?」


 え、かわいい。どうしよう、これはからかわれてるのか?いやでも本気かもしれない。どう答えy


「そうする?」

「ふふっ、冗談だったけど······君が言うならいいよ?」

「やった!」

「いつも一緒なんだからそんなにはしゃがなくても······」


 はしゃぐに決まってるじゃん。こんなかわいい女の子と一緒に寝れるんだよ?はしゃぐに決まってるじゃん!


「いつもより長く居れるからね」

「そ、そう」

「それに、サリアに邪魔されずに済む」

「あぁ〜、なるほどね」


 サリアが寝室に侵入してきたのは昨日が初めてじゃない。事ある毎に悪戯に遭い安眠を妨害されてきた。


「なるほどねぇ······まぁ許してあげてよ」

「えぇ······」

「ま、そうだねぇ。一日くらいは解放してあげようかな」

「助かる······着替えるからちょっと」

「あ、ごめん」


 有沙がドアを閉めたのを見計らって普段着に着替えた。昨日のアレは痛恨のミスだったから繰り返す訳にはいかない。


「終わったよ」

「ん······行こっか、ほら」

「う、うん」


 有紗が手を掴んで俺を連れて行く。あ、好き······やっぱり有紗好きだ。このまま人生も導いてほしい。


「ようやくお出まし?」

「悪かったね」

「また、悪戯したんだね?」

「な、なんの事よ」


 悪戯······アレを悪戯なんて生やさしい行為と形容していいのか分からないけどまぁ、悪戯ではあるか?


「したんだね?」

「······そ、そうよ」


 バラテーラ。まぁ、有紗は誤魔化せる訳ないよねよね······同室だし。だからサリアが限界を迎えたんだろうなぁ。


「いくら彼方の顔が好みだからってそれは駄目だよ?」

「そ、それは違うわよ!!」

「ふ〜ん······」

「ま、まぁ、朝ご飯にしましょうよ」


 逃げた。まぁ、追求されてたらバレてただろうし良い判断。お尻痛い······絶対昨日のあれのせいだ。


「「「「いただきます」」」」


 うん、ご飯のラインナップは同じ。トマトとキウイ、ベーコンエッグ、ヨーグルト、そしてトースト。

 でも美味しいんだよなぁ。素材そのままを楽しむ感じのラインナップなだけで不味くない。


「今日はサリアの見張りしてていいかな?」

「懐かしいな。いいんじ」

「何言ってるのよ。こんな年の男女が一緒なんて許されないでしょ!!」

「そ、そうか······?だそうだ」

「そう······」


 このクソバ······ゲフンゲフン、過干······ゲフンゲフン、とにかく許さないからなぁ!!


「ごちそうさまでした」

「あんたいつも早いわね」

「ささやかな自慢」

「そ、そうなのね······」


 ご飯を食べ終わったら授業の時間までは別に何をやっててもいい。今日はどうしよっかな〜。


「あ、私の武器手入れしてくれない?」

「いいけど、有紗手入れ方法忘れない?」

「わ、忘れないよ」

「ならいいけど······」


 絶対に忘れる。でも武器を適当に手入れされるよりはマシだ。手入れを怠れば武器の美しさが損なわれるからね······。


「らばらばら、らばらばら、らばらばらばらばば、らぱぱやらぱぱやらぱぱぱらや······」


 武器の手入れ中はついトルコ行進曲が出てしまう。昔は天上界は多数の島に別れていたという。

 全く信じられないけどそうなのだ。で、その内の内の一つがトルコで、その国で作られた曲だそうだ。



「いい感じ······この剣はいつ見ても美しい」

「ごちそうさまでした。······分かる?家宝なんだ〜。持つ人によって咲く花が変わるらしくてね」

「え?でも、これまだ蕾······」

「未熟な人間では開花させられないんだよ」


 なるほど······いいなぁ。だと言うなら余計に丁寧に手入れをしないと······なまくらにする訳にはいかない。


「随分綺麗に研ぐね」


 気が付いたら有紗が隣に座っていた。びっくりして変な感じに研ぐところだった······。


「最小限にしとかないと刀身が折れやすくなっちゃうからね」

「なるほどね」

「ごちそうさまでした。ほら行くわよ」

「いぃいぃやぁあぁぁあ」


 授業の時間が来てしまった。やだぁ。やりたくないよぉ······今日の授業なんだっけ?予習がないのは嬉しいけど。


明日までは毎日更新します

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