表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/126

フル・バースト


「よくも、私の体に傷を······」

「ふん!!」

「ぐぅえぇっ!!」


 奴の居た場所が潰れる。実験によって開花した障壁に似た感覚がある。だが、俺の障壁は気休め程度かつ動かすことなどできない。

 白露が?はるか昔、それこそ初代独孤家当主の小世代の分家側は自由に複数の障壁を展開できたと聞くが、白露もその類なのか?


「はぁ······はぁ······チッ、私のお気に入りを使われる事を名誉に思いなさい」

「地、震?」


 奴が触手を地面に刺すと、奴が地面にめり込んでいく。完全にめり込んだ瞬間、地響きと共に街の形が変わり始める。


「!?」

「主様、掴まってください!」

「助かった。ありがとう」

「どういたしまして」


 街の至る所に配管がある······。充電をしているのか······何の為に?こいつの能力、道具を操る物なのか?


「なーはっはっはっはっ!終わりですわ!!」

「ははは······これは凄い」


 中央の核になっているローティーのすぐ上には巨大な主砲、贅沢にも両手にも大きな副砲が備えられている。

 更に飛翔用のユニットまで背中に付いており、腕部分にはレーザーソードまで付いているという豪華仕様。


「ちっ!」

「このスピード、パワー!神器にふさわしいですわ!!女神の糧になりなさい!」

「頼みましたよ······アミノハバキリ!!」


 超重量の突進を躱した瞬間、巨大な矢がボディを僅かに傷付け明後日の方向に飛んでいった。


「なーはっはっはっはっ!オリハルコン製ですのよ!!死になさい!」

「ぬぅぅんっ!!」

「主砲の餌食になりなさい!」


 白露を掴むのに夢中になっていたローティー本体に切り掛かるも、あっさり白露を投げ捨て俺を叩き落とした。


「かはっ!」

「死ね!」


 熱い······久しぶりに感じる熱さと痛み。なるほど、こんな感覚だったのか。このまま続けば障壁も壊れ······たっ!


「なーはっはっはっはっ!男如きが私に勝てるとお思いでしたの?腹筋崩壊ですわ!」

「はぁ······はぁ······やるじゃないか」

「なっ、なななっ!!」

「らぁぁぁあぁぁぁ!!」


 地面を蹴って本体に肉薄、腕に阻まれるが切りつけた衝撃で跳躍、腕の後ろに回り本体に飛びかかった。


「馬鹿めっ!」

「くっ······ぬぅう!!」


 頭に何かぶつかった·······クラクラする。なんだ、何が!?これは分······銅ッ!!何ということだ!地面にめり込んでいる!


「ぬぐぐ!な、ぜ······?」

「スプリンクラーを撒いていたの、気付きましたの?」


 スプリンクラーだと?そんなもの付いt······付いているっ!?主砲をまともに喰らうのは非常に良くない。


「死ね······なーはっはっはっはっはっ!!」

「主様はこんな所で死にませんよ」

「助けられてばかりだな」

「連れ出してくれたのはチャラですね」


 白露が泥の中から拾い上げてくれた。しかし、決定打が無いことにはあのデカブツは倒せない·······。


「ふっふっふっ、面白い物見せてあげます」

「?」

「まぁ見ててくださいよ」

「あぁ······」


 主砲を放つ奴はデカブツから離れていく俺達を追いかけられない。だが、離れて何が見られると?


「3······2······1······0」

「!?ふふふふ、はははははははははは!!」


 俺達の頭上を極太のレーザーが通過し、轟音と共にデカブツに着弾した。衝撃は凄まじく、泥地にも関わらず盛り上がっている。


「どうですか?裏方担当のあの二人にも後でお礼を言ってあげてくださいね?」

「あぁ······盛大にやるさ。いくぞ!確実に止めを刺す!!」


 白露に抱えられたままローティーに接近する。恥ずかしいがこれが最速である以上、仕方ない。嫌な予感がする。


「白露、右に躱せっ!早く!!」

「え、どうs······分かりました」


 白露が動いた直後、先程まで居た場所を偽神の残り香が焼き払った。最期のあがきか、生きているのか······確かめなければ。


「······生きていたようですね」

「よくもF(ファイナル)F(フルバースト)を使わせましたわねぇ!!」

「例のあ」

「違う······今はそんな場合ではないだろ!!」


 父さんの子供時代に第40作目が発表された古株のRPGなど知らない。それよりローティーだ。

 主砲は胸に、副砲は両腕に、ブースターは足に装着され、顔はフェイスシールドのようなヘルメットで覆われている。


「良かったじゃないか。(しゅ)の為の兵器になれて。何がそんなに不満なんだ?ん?」

「使徒となるという事は、人を捨てるという事。よくもやってくれましたわね!」

「仮にも聖職者とは思えない発言だな。所詮はその程度か」

「五月蝿いですわっ!」


 副砲から放たれる弾幕を躱し白露の残像を追いながら障壁の位置を把握、障壁を蹴って奴に右上段からの突きを放った。


「消えなsぐぅっ!!」

「デカブツを捨てたお前に攻撃が通らない道理、ありますかね?」

「はぁぁあ!!」


 白露の足が奴の脇腹を切り裂いた。奴は瞬時に白露を薙ぎ払うが白露には当たらない。当然だ。いかに早くとも当たるはずがない。

 今、白露は音を置き去りにして動いているのだから当たるわけがない。ローティの少しずつ少しずつ兵装が削られていく。


「ぬぅっ!ふんっ!らぁぁあ!!」

「くっ!ちょこざいなぁ!!」


 右上段、左薙ぎ、上段兜割り······全ていなして主砲を突く。一撃はブースターで躱した奴の放つ爆発を突き破り、肩を掠った。


「くらえぇええっ!!」

「忘れてますよ」

「私とした事がっ!!」


 白露の突進で目を削がれた為にローシュの主砲は俺の髪を数本焼き、城壁を削るだけで終わった。


「これに頼るとは思いませんでしたわ······」


お待たせしました!!

ちなみにローティーの能力は道具を操る物です。

フル・バーストを使えば能力と肉体が1段強くなります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ