暇潰しに壊される街
お待たせしました!
「そこは安心みたいですよ」
「都市防衛システムか······暇潰しにはなりそうだ」
「殺りますか」
「あぁ······」
都市防衛機構······聞こえはいいが言ってしまえばただの自動砲台。例え最新式だろうがこの程度、やすやすと躱せる。
「遅い······」
弾丸の雨を躱し、脇に生えたマシンガンをFfさせ坂を駆け上がる。
「はい、終わり」
「便利だな、その糸」
「そうでしょ?」
糸で砲身が塞がれ自爆した。地面を割るほどの轟音が響き渡る·······悲しい事にこの程度では俺の鼓膜は破れない。
「はぁっ!!」
「ぬぅぅんっ!!」
極太レーザーを避け跳躍、白露の拳に合わせて主砲の装甲に踵を落とした。固いっ!
なんだ?主砲に何か生えてきていr······なるほど、流石最新式。3連式副砲とはな。
······その動力にどれだけの人間の魔力がつぎこまれたのか、考えたくもない。
「ふんっ!!」
傷すら付かない······?剣が抜けない!このままではまともに喰らってしま······極光が俺視界を覆い尽くしていた。熱い。
「はぁ······上の服が台無しだ」
「大丈夫なんですか?」
「この程度はかすり傷にもならない」
「······」
絶句している。そこまで驚く事か?白露は知らなかったな······それなら無理もない。
砲身の内部に跳躍、突きを放った。素では罅が限界か······なら黒ではどうだ?よし、壊れた。
「遊びは終わりだ。白露、蹴りに自信は?」
「え、あ、はい」
「足を蹴り上げてくれ」
「あ、分かりました」
跳躍に合わせて白露が俺を蹴り上げた。空中で前に体重を掛けて回転する。風を切る音が聞こえる······
「はぁぁあぁぁぁあ!」
魔力を纏わせ、地面に隕鉄剣を砲身に突き立てた。都市防衛機構が地面もろとも崩壊、辺りは荒野と化した。
「こんなものか。いい運動になったな」
「······そうですね」
「入口で張り込むとしようか」
「はい······聞いてたか?」
『了解了解』
アンテー、疲れているな?錯乱を掛け続ければ疲れるか。ゆっくり休ませておこう。
明日、領主······ローティーが来る。ようやく、ようやく世界の浄化が始められる。
「着いたな」
「これから張り込みですね!?」
「あぁ、あの二人が来るまで仮眠を取る。着いたら起こしてく······終わっ······寝ろ······」
「主様?主様?」
体が揺らされている。だが、まだ眠い······久しぶりに寝られたのでもう少しだけ寝かs
何故久しぶり······?はっ!!そうだ、確か起こせと頼んでおいたはずだ。誰に?
「ぅ······ぅう。おはよう」
「おはようございます」
「あぁ、帰ってきたか······お前達6時間程仮眠を取れ。何かあったら起こす」
水、水はどこだ······水筒がこんな所に、早く飲まなければ。美味しい······ようやく目が覚めてきた。
「はぁ、はぁ······早く寝るんだ」
「はい」
「了解です」
「はっ!!」
3者3様の場所で横になり······一名巣を張って寝息を立て始めた。いつの間にか服が用意されている。
白露が用意してくれたのだろう。糸は強力だが熱に弱い、過信してはいけないな。
「地上界の月と違っていい色だ······」
銀白の世界を照らす金色の月······なんと美しい······だというのに見入れないのは残念極まりない。
「もう9月か······お月見の時期だったな」
懐かしい······昔はよくやった。偽神に季節感を消され、今はどこも秋の様らしい。
いつか四季を味わいたいものだ······適切な気候なのかもしれない。だがそれは比較対象があってこそ。
「久しぶりに団子を食べたいな······」
昔は月見の雰囲気を利用した色々な商品があったという。副都には残っているのだろうか?
「夜は冷えるな······」
少し歩きたいが······この“駅”から離れる訳にはいかない。石が冷たい。だが、触覚が残っているだけマシというもの。
「朝日か······白露、起きろ」
「んぇ······おはようございます」
「朝日が登ってきたぞ」
少し、身長が伸びたような気がする。気のせいかもしれないが······他の二人も起こさなければ。
「起きろ······朝だ」
「ふぅ······ん〜?おはようございますっ!!」
「うむ。アネーモを起こしてくれ」
「分かりました。あいつは寝起き悪いですからね。正解ですよ」
そこまで寝起きが酷いのか?しかし、知っているという事は付き合いが長いという事。
昔を思い出す。皆もう居ないが······こんな人間を増やす訳にはいかない。
「起きろ〜」
「んぎぃっ!!」
「そうするのは分かってるんだよ!」
「んあ······おはようございます」
背負い投げをしないと目を覚まさない上に寝技を掛けてくるのか。役得ではない。なにせ絶······名誉の為に言うのはよそう。
次は一週間後です。心の安定をください!私に心の安定をーーーーー!!




