表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/126

拷問

「取って食おうというわけではない。ただ、その男を殺してほしいだけだ。どうだ、興······聞くまでもないか」


 少女は一瞬戸惑ったもののすぐに首を縦に振った。よく見れば体が衰弱している。

 もしかすると俺と歳が変わらないかもしれない。どうやら正解だったらしい。


「これで出来るだろう?」

「ありがとう、ございます······!!」

「感謝は是非ともいい光景で返してくれ」

「はいっ!!」


 首輪を切ると少女は喜々として男を押さえその心臓を抉り、食った。髪が汚れているのが残念だ。絵になっただろうに······


「ぁ、貴様」

「ぐちゅ、べちゃ、くちゃくちゃ」


 彼女が男の内臓を引きずり出し、噛み砕いている。だが、男は未だに死ぬことが出来ない。ショック死しないように痛みを調整しているようだ。


「ぁ、ぁあ……」

「べっきぃっ!!」


 そして、彼女が心臓に付着していた石のような物──神エネルギーの塊を引き剥がし、噛み砕いた。その瞬間、男が苦悶の叫びをあげた。


「がぁぁあぁぁぁあ、ぁぁぁぁぁぁあ!!」


 男はしばらく手足をバタバタとさせた後、力尽きた。だが、偽神の加護は強力だ。この程度では死なない。

 それがこの男にとって良いのか悪いのか、それはこの悲鳴を聞けば明らかだかな。皮肉な事だ。


「死ねッ!!」

「ぁ、かぁっ……」


 彼女は男の脳味噌を引きずり出し、握りつぶした。男は動かなくなった。ふむ、体を損壊されるとどうやら魂は脳に宿るようだ。


「気分はどうだ?」

「最高です!」


 華とはまさにこういう物を言うのだろう。美しい······なんと美しい光景だ。ゴミも引き立て役としては役に立った。


「達者でな」

「あ、あのっ!」

「なんだ?」

「私も連れて行ってください!」


 この少女は何を言っているのか······。何故わざわざ危険に突っ込むような真似を······。


「全殉神教徒抹殺······付いてこれるのか?」

「はいっ!是非ご一緒させてください!」

「口ではなんとでも言える。少女g」

「私は今年で18になります!」


 同い年······なのか?信じられない。この男······!!どこまでも下衆な!!食事すらまともに与えていないのかっ!!


「そこまで言うのであれば······名は?」

「まだありません······良かったら付けてくれませんか?」

「······白露はどうだろうか?」

「白露······素晴らしい名前をありがとうございます!」


 こんな眩しい笑顔、直視すれば死にかねない······ん?この剣はまさか!やはりそうだ。こんな所に隕鉄剣が······。


「血相を変えてどうしたんですか?」

「父の形見があってな······」

「そうなんですね······」

「見つかってよかった······そんな顔はしなくていい。全て俺の力不足故だ」

 この白露という少女、優しい。しかし、その優しさに甘えている時間はない。やるべき事をやらなければ······


「着る物がないな······済まなかった」

「いえ!そんな。自分で用意できますから」


 そう言うと彼女は服を織り、羽織った。器用なものだ。流石はアラクネと言うべきか。


「さて······」


 全ての牢の扉を開いた。これで下にいた囚人達も出られるだろう。こんな物騒な塔ともおさらばというわけだ。


「この服では目立つ······すまないがフード付きのコートを作ってもらえないか?」

「もちろんいいですよ!ちょっと待っててくださいね······はい、出来ました!」

「早いな······ふむ、素晴らしい」


 なんという着心地······権力者が血眼になってアラクネの糸を追い求めるのも分かる。

 そんなさんさんと輝いた顔を向けないでくれ······眩しくて死んでしまう。


「これくらい追ってこれるか?」

「······?」


 窓から降りて塔を切り裂いた。少し切れ味が落ちているか?後でしっかり手入れするとしよう。


「流石ですね」

「いいや、まだまだだ。これだから縦斬りは嫌いだ······やはり突きでなければ」

「じっとしててくださいね」


 白露の糸が俺を包み込む······これだけ大規模な物をこの短期間で編み上げた?なんという速さだ······。


「どうですか?」

「素晴らしい速さを持っているな」

「ふふっ、そんな事ありませんよ」


 そう言って本人は謙遜しているがこのスピードは異様だ。父さんですらこの位置には一生かけても至れない、極地。


「謙遜することはない。つい先程までの俺を殴り飛ばしたい程の力だ」

「そ、そうですか?ふへへ······」


 なんだこの生命体、概念上の存在なのか?汚れているのはもったいない。早く人並みの生活を確保させてやらねば······。


「な、なんだこれは」

「誰がこんな事をしたの!?」

生々しい拷問を書けなくて申し訳ありません。なにぶん脳味噌を潰したことがなくて……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ