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どんな目に遭おうとも

前回のあらすじ

ふたなりの絶望に喘ぎながら(意味深)脱獄の計画を寝る


『グギガグルゲェェェェェェェェ!!』


 なんて酷い目覚ましだ······。徹底的に心を潰しにかかってるな。あの奴隷が嫌がった訳だ。


「さて、やるか······」

「「グギギギギギギギギギ!!」」

「ふんっ!はぁっ!!」


 獣が何匹来ようとこの五連牙の前には無意味。しかし、肺が痛い······。この状況で来られたら不味い。


「グギゲェェェェェェェェ!!」

「来るかぁ······来いよ!」

「ゲ······グゲェ」

「おいおい、どうしたんだ?」


 謎の男子っ!!なんて偶然······また会えるなんて思わなかった。これで脱獄がやりやすくなる。


「解体はできるか?」

「もちろん」

「よし、なら心臓を取り出してくれ」

「分かった」


 常識と知識が豊富な味方が居るのは強い。多分この行為にも意味がある。この状況を改善できる······!


「はい」

「よし。この心臓は莫大なエネルギーを蓄えている。そのエネルギーを凝縮、開放そうすればこんな場所、一瞬で消し飛ぶ」

「おぉ〜」

「だが、エネルギーが大きすぎて俺達が吹っ飛ぶのは避けられない······制限装置を作る必要がある。取り敢えず爆弾はこっちで作っておく。明日小型化したものを渡す」


 制限装置······作るの難しそう。たぶんこの体なら耐久出来る気もするけど対策するに越したことはない。


「グゲゲゲゲゲ!!」

「煩いな」

「ゲ、ガァッ······」

「どうだ?意外と便利な物だろ?」


 大きさを変える······以外に凶悪だ。シンプル故に強い······未来が見えるなんかよりはよっぽど使える。


「明日に会おうぜ」

「頑張るよ」

「なんだそれ?」


 地面が下がっていく。この地質、人工素材だ。地下技術まで使われてるのか······。気合いの入れ方が違う。


「おらっ!来い!!」

「うぐっ·······」


 また······?2日連続だぞ。お前ら一体どんな生活してるんだよ!!サリアありがとう、おかげで髪が抜けないよ······。


 ──自主規制──


「大人しくしてろよ!」

「うぐっ!」


 矯正帯さえなければ簡単に首を撥ねられるのに······クソっ!だが、後数日程度の命。ふくくく、くはははは!!······寝るか。


『グギガグルゲェェェェェェェェ!!』


 相変わらず最低な目覚ましだ。矯正帯も首だけだったのが腕にも着いてる。より動きにくい·······。


「グギュルゲガガガガガ!!」


 よりによって巨大獣か······。やってやろうじゃないか。ドカンと一発!汚い花火をうちあげてやるよ!!


「来いよ」


 ──始まった


「グギョルォォオォォォオ!!」


 巨大獣が足を地面に叩きつけた。2秒といったところか。このスピードなら間に合う。腱でも破壊するか。

 ──戻ってきた


「グギョルォォオォォォオ!!」

「浅いっ!」


 足を避け腱に突きを放った。くっ、威力が落ちてる。だが、こんなところで死ぬ訳にはいかない!


「グルォォオォォォォオ!」

「っ!危なっ!!」


 打ち付けられた拳を躱してその上を進み目に突きを放った。やっぱり浅いっ!だが······


「グル!ォォォオォォォォオォオ!」

「馬鹿め······おらぁっ!!」


 殴りかかってきた腕が目に当たった隙にかかと落としで腕を切り落とした。よし、脚の筋肉は動く。


「ギルォォォオォォォオ!!」

「はぁ!」

「ギィィイィィィィィイィィィイ!!」


 今度は脚を切り落とした。父さんの言うとおりだ。脚を使わないなんてもったいない事この上ない。


「打ち上がれ!!」

「グゲェ!!」


 巨大獣の腹を渾身の力で蹴り上げ、腕に食らいつく、ゲロマズい。そうこうしていると巨大獣が打ち上がって砕け散った。


「おぉ、派手にやったな」

「はぁ······はぁ······遅い······爆弾は······?」

「ちゃんと作ってあるぞ」

「助かる······モノは?」


 謎の男子の体を眺めても爆弾がありそうな気配はない。小さくしてるにしても一体どこに隠してるんだ?


「ちょっと我慢しろよ」

「え、あ、うん。いぎっ!!」


 歯を折られ、そこに何かが埋め込まれた。変な感じにはえてた歯だからまだいいけど痛い。いきなり何を······


「そこに嵌めたのが爆弾だ」

「え······?」

「壁に叩きつけたりしたら発動する。会心の出来だ。だが······相変わらず制御装置だけは完成しない」

「そう······」


次も、カットシーンあると思います

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