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準備

お待たせしました


 ────


「んちゅうううう♡ちゅっちゅっちゅっ♡んれるれるれる♡ぷはぁ……♡」

「はぁ……はぁ……」

「はぁ♡はぁ♡好きです……愛してます……こんな月並みの言葉じゃ足りないです。どうすれば分かってもらえますか」


 足りない……こんな言葉じゃ足りない。主様は私の胸の中にある感情はどうすれば分かってくれる?


「分かるよ」

「どうして?私はまだ何m」

「糸で縛りつけてるじゃん。そんなに愛してくれて嬉しいよ」

「……ぎゅうううう。今日はこのままくっ付いてましょう」


 主様は何も言わなかったけど、自由になった手と表情で答えてくれた。心と心の純粋な触れ合い、そんな感じがする。


「主様」

「なに?」

「もう少しで夫婦になれますね。ずっと一緒ですよ。きっと主様の寿命が先にくるでしょうけど、契約がありますから私も一緒に逝けます。最後のその時まで、あなたの傍で、あなたを慰め続けますから」

「……………………そっか。ありがとう」


 嬉しそうな、悲しそうなそんな顔だ。私には幸せになって欲しいけど、自分の事を思ってくれて嬉しい……きっとそんな感じかな。


「幸せになりましょうね」

「うん、何も返せてる気がしないけど」

「たくさんもらってますよ。最期の時に全部教えてあげます」

「それは……随分先の話だね」


 主様は結構無茶な肉体改造をされていたからそう遠くははい……生きれて70年、平均的な(サピエ)(ンス種)寿命の六割くらいしかない。


「ん、んんっ……。おちんぽ入れたままぎゅーしましょ」

「ん……ずっと密着してよ」

「今日はあまえんぼですね」

「それは白露もでしょ」


 ぬくぬくする……主様の体温かい。このままひとつになれればいいのに……心までじんわり暖かくなる。


「スヤァ……」

「もう……かわいいんだから。ぎゅううううう……んふ。すーすー」


 キ────────ン


「んん……」


 高周波……もう起きる時間なの?主様の寝顔はかわいい♡おちんぽ入ったままだ♡ずっと繋がれてて嬉しい♡でも抜かないと……


「んしょ……さてと、お仕事お仕事」


 ん〜、今日は早めに終わりすぎたかもしれない。当日のケーキのデザインやら料理でも考えよ。時間は有効に使うのが出来た妻。ウェディングケーキか。包丁を通すんだから上に物を乗せたくない。土台が切られるなんて縁起がよくないし。オーソドックスなやつにしようか。いやでも特別なものの方が私と主様が結ばれるにふさわしいか?いやまて主様と私が結ばれるのは当たり前のことなんだから敢えてオーソドックスな物にすべきだろうか。いやでも特別な物に包丁を通すってことはイレギュラーを避けることに通じる。これから新生活を送るにあたってはそっちの方がいいのかも。いやd


「あ……よいしょ」


 そろそろ起こさないと。今日はどう起こしてあげようかなぁ〜。こんな時間ではセックスする時間は無さそうだしキスで起こそ。


「んちゅうううううう♡れるれるれるれるれるれるれる♡んれぇ……♡んちゅるぱっ♡」

「……」

「んむ……んぢゅるるるるっ♡ぬっぽぬっぽぬっぽ♡んれるれるれる♡んちゅるぱっ♡」

「ん……んん……んぅ……」


 主様が手を伸ばしてきてる♡か、かわいいぃぃ♡そんなことしても起きてもらうから♡顔洗いましょうね♡


「ううっ」

「明後日には私のものですよ」

「先読み……」

「出来た妻でしょう?」


 んふふ♡困った顔してる。かわいいなぁ♡口移しに熱入っちゃう♡キュートアグレッションしちゃう♡


「ん……♡ご飯終わりましたね。ちゅっ♡」

「そうだね……」

「どうしたんですか?そんな顔して」

「ふ、封殺っ……」


 同じ事2回も言えない主様かわいいいい♡もっと意地悪したいけど残念♡そろそろ着替えないと間に合わない♡


「バンザイが板に着いてきましたね〜♡」

「うっ……ぐぬぬぬ」

「んふふ♡好きですよ。ちゅっ♡」


 ほっぺにキスしただけで黙っちゃった♡ほんとにかわいいんだから♡よし♡これでバッチリ♡雌に寄られない格好になった。


「さ、出掛けましょっか」

「今日何も主体的な行動してないか?」

「呼吸してるじゃないですか。さ、大人しく抱っこされてください」

「おわっ……」


 雄は何も出来ないくらいがかわいい……昔の友達はよくそう言っていた。私はそんなわけないだろと思ってた。

 ごめん……私が間違ってた。あなたの言う通り雄は何も出来ないくらいがかわいいよ。

 

「今日も時間ピッタリですね」

「白露……そろそろ」

「嫌です」

「嫌です?拒否!?拒否制なの!?」


 おお……今日一新鮮な反応。食べちゃいたい♡絶対降ろさないからな。主様が誰のものになるのか分からせてやる。


「ようこそお越しいただきました。それではこちらへどうぞ」

「はい」

「早速ですが、明日のプログラムについてこちらでご用意させていただきました。いかがですかな」

「ふむ……入場、指輪交換、誓いのキス、ライスシャワー。問題ありません」


 私達の関係は賛美歌斉唱などという神の前で誓うような清い関係じゃない。もっとドロドロした粘っこいもの。無くて当然。


「指輪交換の前に入れて欲しいことがある」

「主様……?」

「独孤家には結婚する時に武器を交換する風習がある。だから、外したくない」

「分かりました。武器についてはどうなさいますかな」

「当日指輪と一緒に渡す感じで」


 もしかして結婚式を挙げるってなってからずっと考えてくれてたのかな。独孤家の姓になるんだよね。独孤白露……ふへへへ。


「次にBGMについてなのですが」

「風になりたいで」


 前歴音楽フェス民衆部で流れていた「風になりたい」以外ありえない。あれはまさに私達のための曲だ。


「お料理なのですが……」


 料理やらドリンクやらの細かい事はするする決まった。意味を込められない以上、使わないものに時間を割いても仕方ない。


「こちらがウェディングケーキのカタログになります」

「ふむ……どうしましょうかねぇ」

「これにしよう」


 主様が指し示したのは花のあしらわれたシンプルなケーキだった。この花は……アイビーか。へぇ……♡かわいいね♡


「どうしてこれに?」

「シンプルだったから、かな」

「そうですか」


 身体ちょっと暖かくなってるのは分かってるから♡恥ずかしかったんだよねぇ〜♡結婚は私達にとって自然なものだから華美な必要ないって思ってたって事だもんね♡私と同じだ♡絶対後でぐちゃぐちゃにする。


「次は、ヘアメイクリハーサルをしていただきます。奥様はあちらへ」

「はい」

「そのまま行かれるのですか?」

「ええ。髪なら問題ないでしょう」


 穏やかに微笑みやがって。分かったような顔をして……にやにやするなよ!チッ、心意気は汲んでやる。


「こちらへ……失礼いたします」


 慣れた手付きで髪が整えられていく。無難な髪型だ。この髪型にも何か意味があったりするのだろうか。


「良くお似合いですよ」

「まぁ、こんなものですね」

「あぁ……」


 主様の反応は上々。流石、素材の良さが光ってる。当日この顔の私が主様と向き合う事になるのか。ふふふ……楽しみ♡


「では、旦那様も」

「は……?」

「いえ、旦那様も当日は髪を整えていただかなくてはいけませんので」

「分かりました。……白露、あそこの神父さんの所にお願い」


 主様が真面目なトーンでこう言っている時に否定するのは良くない。強い意志を示した時は敢えてすぐに従う。

 そうしないと諦めの悪い所が出てくる。そんなもの泥濘のような結婚生活を送る上でよろしくない。非常に邪魔だ。

 

「覚悟は決まったようですね」

「言われるまでもなく決めていた」

「そうかな?迷いを抱えているように見えたけどね」

「……そんなものは元々なかった。あったように見えたなら、覚悟の差だろう」


 複雑な顔だ。そんな煮え切らない態度だから覚悟を決めきれなかったんだ。


「覚悟か……うん、その通りだよ」

「ここで式を挙げた他の人達も同じように言ったはずだ。そうだろう?」

「……皆そう言ってたよ。でもね、そう言ってた子達の中に、何人か外に出してるのを見てきたからさ」

「……そんな事にはならない」


 この世話好きめ。前日になっても尚お節介とはな……いや、これは生半可な覚悟で結婚に臨んだ人達の末路見てきたんだった。

 確かに、そんな物を見てきたなら最後に念押もしたくなる。私には要らないお世話ではあるけど。


「明日以降、あなたの旦那様の顔を見ない事を願ってるよ」

「二度と見ないとも」

「言うじゃん。あ……もしもし?うん。分かった。旦那様のヘアメイクが終わりました。こちらへお願いいたします」


 急に業務モードに入る流れも天丼されればどうということは無い。どんな髪にされているのか……あまり格好良くなりすぎていないと良いけど。


早めに出します

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