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クリスマス2

お待たせしました

 セックスの後の白露がこんな風によく感傷的になる事はよくある。快楽を貪った後は愛を確かめ合いたくなるんだろう……分かる。


「ぬふふふ♡はい、あ〜ん♡」

「ん……あれ?なんで食べるm」

「細かい事は気にしない気にしない♡はい、あ〜ん♡」

「美味しい」


 白露の作る料理はいつも美味しい。それここ時間でも圧縮したのか?と思う程短時間で出来たものでも凄く美味しい。

 ……胸に頭を挟まれながら食べさせられてるからそう感じるだけかもしれない。分からん……俺は雰囲気で白露の料理を味わっている。


「しかしまぁ、クリスマスに誕生したとかいうキリストさんは凄いですよね。人類の罪を贖うために敢えて1人磔になったなんて。私にはとても真似出来ません」

「それは、まぁ、そうじゃないの?」

「当然ですよ……主様を置いては逝けませんから」

「そっか」


 ……連れて行かれるのか。まぁ、1人置いて逝かれたら数年で発狂する自信がある程白露に依存しきっているからなにも言えないが。


「昔はこの曲、嫌いだったんですよ」

「敢えて好きって言う人もいなさそうだけど、なんで?」

「この曲を聞くと人目も憚らずにイチャイチャしてるカップルを思い出すんですよ。いつもなら気にならない背景なのにこの音楽が鳴ってる時だけ妙に気になってしまって。だから、嫌いだったんです」

「なるほどね……。そういえばさっきからずっと過去形だね?」

「今は好きですよ。クリスマス。恋人とちゅっちゅしても怒られませんから」

「……そっか」


 クリスマスじゃなくても白露はいちゃいちゃちゅっちゅっしてる気がするが……かわいいからヨシ!


「あぁ、そういえば今年は……ホワイトクリスマスにする年でしたね」

「……ぉ、あぁ」

「……雪、見た事ないんですか?」

「ない……初めて見た」


 白露の胸が頭の上に乗っている。おっぱいはエロと安心、両方の性質を併せ持つとはよく言ったものだ。


「今も雪が降っているクリスマスは特別らしいですよ。不思議ですよね。今は自由に降らせられるのに、皆ありがたがっている」

「確かに言われてみれば……」

「特別感のある時間にかこつけて盛り上がれるから、なんて単純な理由かもしれませんけどね」

「そうだね……でも、白露もそんな特別感にかこつけて色々しようとしてる人達の1人なんじゃないの?」

「さぁ、どうでしょうね?」


 白露は答えない、が……ニチャァという笑顔を見れば、質問の答えなど分かろうというもの。

 冷蔵庫辺りに行った白露が中々戻ってこない。言う程でもないが、いつもなら秒で戻ってくるのに今日は遅い。何かあったのか?


「じゃ〜ん」

「これは」

「そう、ケーキです。クリスマスと言えばこれですからね。食べないと始まりません」

「今まではクリスマスではなかった……?」


 そんな事を言ってはみたが、白露は意味深に笑うだけで何も答えない。これは……もしかして……すb。

 考えてはいけない。無我の境地、無我の境地。呼吸を通じて原子との繋がりを意識して世界とのt


「はい、あ〜ん♡」

「ん……」


 口の中に美味しい物が放り込まれた。もっと味を堪能したいのに飲み込むのを堪えられない……!


「どうですか?」

「んきゅ……美味しい」

「そうですか、そうですか〜!美味しいですか!!私が作ったんですよ〜。美味しかったですか〜。そうですか〜」


 白露が料理でここまで喜ぶとは珍しい。上手く作れた自信がなかったのか?そんなことはないか。涎……?嘘だろ、涎垂れッ!?


「ふふ、まだまだありますからね♡あ〜ん」

「んん……んん゛ん゛んぅ゛ぅ゛う゛」

「美味しそうですねぇ♡」


 ふぅ……美味しかったぁ。イボテン酸マシマシのベニテングタケでもなんなに美味しくはない。断言出来る。


「白露は食べないの?」

「私っ!?私はもう食べましたよ安心してくださいやっぱりこう違いが出てきちゃうんですよねプロフェッショナルなので」

「そ、そう」


 妙に早口だ。これはかの有名な貧乏だけど皆には沢山食べさせたいという!……違う気もするが、考えても仕方ないか。


「はぁ……♡はぁ……♡」

「ん゛っ!んんっ゛!はぁ……はぁ……ふぅ。どうしたの?体調が悪いなr」

「いやいやいや、大丈夫です。大丈夫ですのでそのまま食べ進めてください!」

「お、おう」


 暴力的な甘味で脳を破壊してくるケーキに没頭して白露を忘れること数分。ケーキがなくなった。

 皿から顔を上げると湯気が漂っていた。立ち上がろうと地面に付けた足がそこに水溜まりがあると申し付けてきている。


「おっふ」

「ん……♡んん゛っ!!もう少ししたら鳥に色々詰めた物が焼き上がりますよ。なんのチーズフォンデュも着いてきます」

「……そう」

「……おかしくないですか?」


 ……?今までの流れの中に何かおかしい事あったか?なかった気がするけど白露にだけ分かる微妙なアレがあるとでもいうのか。


「んもぅ……主様ったら♡私を煽ってるんですか♡ん〜〜♡」

「……ん?」

「んちゅ〜〜〜♡れるれるれるれる♡んちゅるっ♡ちゅるるるるるっ♡れるれるれる♡」

「ん、んんっ」


 ────


 あ゛ぁあ〜……持ちいい。頭もふわすわする。なんか白露に覆いかぶさられてるけど目の前チカチカしててなんも分からない。


「あ、焼き上がりましたね」

「……何を?」

「そんなにかわいい反応しても何も出ませんよ?主様からは沢山出るかもしれませんけどね♡」


 頭のもやが晴れてきたと同時に香ばしい匂いが鼻腔を突く。そういえば、鳥の詰め物を焼いてたとか言ってたな。

 さて、クリスマスにこれがなければ始まらないなんて言うんだからさぞかし立派なんでしょうn


「うおっ、でっっっか」

「上層で私が見繕ってきましたからね。だるい鳥でしたよ」

「そ、そう……」

「そして、これがチーズになります」


 こちらは至って普通のとろけるチーズ……パッケージに健康で文化的な最低限度の生活チーズというロゴが貼られていたはず。

 チーズフォンデュの食材は普通の……というか最低限度品質の食材達だ。まぁ、白露が調理すれば全部美味しくなる。


「さ、いただきましょう」

「いただきます」


 うっっっっまっ。この鳥めちゃくちゃ美味い。何だこの美味さ、野生動物はパサパサしてるもんなのにパサパサすら美味い。

 そして、中身!米と後なんか入ってるけどまぁこれが肉と合うこと合うこと。美味しすぎる。照りと米の相性が良すぎてさぁ!


「美味しいですか?」

「めちゃくちゃ美味しい」

「そうですかそうですか。沢山食べてくださいね♡自分で食べれなくなったらあ〜ん♡してあげますからね♡」


 ふ〜、食べた食べた。久々に胃がはち切れそう。食事の時、白露はいつも俺の顔をニコニコ眺めていて食べた所を見たことがない。

 まさか、俺が食べ終わる頃にやっつけ仕事で食べてる?そんな事ないか、ないよな?


「ごちそうさまでした」

「お粗末様です。私は先にお風呂に入ってきますね」

「え、あぁ、うん。どうぞ」

「いい子で待っててくださいね♡ちゅ♡」


 白露がカサカサ風呂場に消えていった。1人で入るなんて珍しいな。いつもなら一緒に入るのに。明日は槍でも降るのか?


「……」


 しかし1人になると暇だな。ピアノでも始めてみるか……?最低限度品質といえど最悪玩具のピアノなら出るだろう。

 まぁピアノでないにしても何か楽器的な物を始めるのはいいかもしれない。もちろん、片手で出来る物に限られるが。


「主様〜、どうぞ」

「ん」


 タオルで髪を拭きながら出てくるのも珍しい。害があるとかそういうわけではないが、落ち着かない。

 

「……」


 いつも洗ってもらってたから中々上手くいかない、などということはなく。割とスムーズに洗える。

 バランスを取るのに神経を使うが、まぁそれはいつもの事だ。こういう時の為にあるのか?義手。


「ふぅ〜」


 タオルを使えないから不便だと思った?残念。俺には魔法がありま〜す。ここで全身に付着している水滴を加速……はい終わり〜。

 時間操作はエロでも戦闘でもないこういう時にも使える便利アイテム。一家に一台どうですか?

 ふぅ……なんか変なテンションになってしまった。それもこれも白露のせいだ。後で……っ!


「主様ぁ……♡来てぇ♡」

「……」


 ────


「……何か食べて寝ましょうか」

「そうだね」


 イカを食べて布団に戻った。布団、白露の肉布団が布団と言えるかどうかは審議が入るかもしれない。


「おやすみなさい……」

「おやすみ……」


 白露のおっぱいからいい匂いがただよってくる。ほんとになんでこんなにえっちなんだろう。瞼が降──りてきてる──のに──

なるべく早くします

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