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逃走、そして

前回のあらすじ

家が燃やされた

 ──足止め独孤壮太──


 木が爆ぜる音と共に二人が駆け出した。壮ニの攻撃が命中するもターレンスには傷一つ付いていない。


「残念だな······貴様の方が強いというのに」

「王剣!!」


 壮ニの剣が空間をまるまると切り裂いた。しかし、それでもターレンスに傷が付く事はない。


「無駄だ。地上界から脱出したと聞き多少警戒していたが······この程度だったか」

「穿て」


 言葉と共に空気が凍り、ターレンスに向かって突撃していく。これもターレンスに傷を着ける事はない。


「まだ分からないか?私の恩寵(のうりょく)と貴様の異能(ちから)の圧倒的な差が」

「分からないなぁ」


 壮ニの突きが装甲に当たるもターレンスに傷が付くことはない。だがその瞬間、装甲に罅が入っていた。


「装甲はそこまで固くないようだな」

「何故だ······私の恩寵は完璧なはずだ······」

「絶・金剛王剣」

「何っ!?」


 壮太が分身してターレンスに同時複数攻撃を放った。当たった瞬間、装甲が砕けた。

 その装甲の中から翠玉色の髪と瞳を持つ女の顔が表れた。


「貴様······くだらんトリックを使ったな?」

「時間稼ぎとしては十分だろう?」

「私は銃は嫌いだ。アレは達人には向かない、貴様もそう思うだろう?」


 そう言ってターレンスが篭手を装着し壮ニに殴りかかった。拳は壮ニは当然防御していたがやすやすと防御を貫いた。


「が、はぁ······」

「冥土の土産に教えてやろう。私の肉体をはらゆる物質を破壊し、あらゆる物質から干渉されない。残念だったな」

「俺······の役目······終わっ······ふふ······」

「全部隊に通告する。西方向だ。西方向に追撃をかけよ」

『はっ!!』


 ──時は戻って独孤彼方──


「ここまで来れば流石に大丈夫よね」

「サリア、フラグ······」

「っと、そうね。油断は出来ないわ」


 3km進んだが油断は出来ない。父さんが足止めに回らざるを得なかったあいつが来れば一瞬で捕まってしまう。


「居たぞ!確保しろ!!多少傷付いても構わないそうだ!!」

「どけ、雑魚共が!!」

「ぐわぁあぁあ!!」


 サリアが特殊部隊の首を折っていく。もう見つかったか······。しかし、それは逆にあいつが追ってこれないという事!!


「行くわよ!!流石に疲れは癒えたわね?」

「もちろん!」


 森の奥へと駆けていく。森の奥に特になにかあるわけじゃない。でも、とにかく奥へ逃げていく。


「居たぞ!撃て、撃てー!!」

「ぐっ!」

「サリア!」

「かすり傷よ、行くわよ」


 後ろからの弾丸が苛烈になってきた。誰でも使える······恐ろしい武器だ。だが、パスォーマンスは変わる事はない。


「相手は二人だ!!当てられる」

「ぐぅっ!」

「よくも······」


 ──始まった


「撃て、撃てーー!!」

「ぐっ!!」


 銃弾の軌道が見える。肩と右腿に命中し転倒した自分に隊員が近寄ってきている。抵抗するサリアは蜂の巣になって死んでいた。


 ──戻ってきた


「撃て、撃てーー!!」

「ふん!」

「か、こぉっ!」

「ぉ、く!」


 弾丸を躱して隊員を突き刺し、刺した剣で残りを薙ぎ払う。よし、後はサリアを抱えて逃げるだけ!!


「居たぞ!撃てー!!」

「ふ、ぐ!!」

「サリアッ!」

「ぁ······」


 サリアを撃った隊員の首をへし折り、サリアの元に駆け寄った。変えられなかった······変えられなかった!!

 お腹、取り敢えず止血しないと······見えていたのにッ!!未来はしっかり見えていたのにッ!!


「早く······逃げるのよ」

「逃げられる訳ないでしょ······!!」

「最後だから言っておくわよ」

「嫌だっ!聞きたくないッ!!」


 満足したら死んでしまう!!まだ、まだ希望はある。これだけ離れてるんだ。サリアを背負って逃げるくらいの時間······


「あいつはそんなに甘くないわ······逃げなさい。話、聞いてくれるわよね?」

「分かった、聞く、聞くから······」

「ふたなりに義理立てはいらない。私は、私よ。あなたの好きなようにしなさい······あんたと過ごした日々、悪くなかったわ。生きるのよ!!」


 物凄い衝撃で吹き飛ばされた。ずるい······大人はいつもそうだ。こんなタイミングでそれはずるいよ。

 ······逃げなくては。有紗や父さん、サリアの死と思いを無駄にする訳にはいかない。



「はぁ······はぁ······はぁ」

「ここまでだ」

「なっ!!」

「お前の父は立派に戦ったが······お前は私に捕まる。全て、無駄だったのだ」


 こいつが、こいつさえ居なければこんな事には······!!父さんが殺せないなら、今こいつに勝つことは出来ない。


「おらぁあ!」

「馬鹿の一つ覚えのように、効かないと言ってい······逃げるか」


 こいつはそんなに早くないはずだ。全力で逃げれば撒ける。それに相手は地理に詳しい訳でもない。この勝負、貰った。


「私が早くないとでも思ったか?」

「くっ」


 ──始まった


じりじりとまるで熊に対応するように後ろに下がっている。奴もじりじりと近付いてきている。膠着······


 ──戻ってきた


「大人しく着いて来る気になったか?」

「ふー······そんな訳ないだろ?」


 さっきの未来ではじりじり下がってたから失敗したんだ。ならやる事は一つ······全力で逃げる!!


「清々しさすら感じる。だが······無駄だ」

「ぐっ!銃弾······」

「銃は嫌いだが······こういう時は役に立つ」

「······」


 銃はこっちも嫌いだ。うるさいし自由度も低い。しかし、同意する義理はない!!


「それは無理だ。貴様を献上すればヴィクトリア様に大きな利がある。そんなチャンスをみすみす逃すわけにはいかない」

「けっ······」

「ほふく前進······執念には感心するが」

「が、はぁっ!!」


 頭を足で踏まれて動くことが出来ない。しかし、諦めるわけにはいかない。手を動かすんだ!!そうすr


次からはカットされるシーンがたっくさんありますよ。

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