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誕生日

お待たせしました


「──ゅ♡──ろれろ♡──んちゅるっ♡」

「ん……んぅ……」


 白露との何度目かの同居も始まって早数ヶ月──朝ディープキスで起こされるのにも、悪い方の素朴な天井にも慣れた。


「んちゅるるるっ♡れるれるれるれる♡れろちゅぱっ……ちゅっ……ちゅっ……♡んれぇ♡」

「んっ……白r……んんんっ……そろ……んっ、んんっ……!空腹n……」

「んちゅるるるるるるるっ♡ぷはぁっ……♡そうですね♡んっ……上手に起きれましたね~♡えらいえらい♡」


 白露に片手を掴まれて腹筋の力で起き上がるのにも随分慣れた。いや、これは昔からやってはいた。

 いたけど昔はもっと恥ずかしい……というか情けないというか、そんな感情が邪魔して素直に受け入れられていなかった気がする。


「顔洗いましょうね~♡」

「ん……」

「はい、終わりました♡頑張りましたね♡」

「ん、ありがとう」


 最近……2ヶ月前は最近なのかは審議が入るだろうが、とにかく最近白露が事あるごとに甘やかしてくるようになった。

 白露に甘やかされる……毎日特に変わったイベントもないゆえに、甘やかす行動は大体一緒だ。

 だというのに、ありがたくも新鮮さは消えない。白露の一挙手一投足が俺に意識をさせてくる。


「問題です!今日は何の日でしょうか?」

「藪から棒にどうしたの……?」

「四、三、二、一……ゼロ!ざんねーん。間違えた主様にはペナルティがありまーす」


 はやいはやいはやい。寝起きの人間に5秒は早すぎる。ペナルティ……何がくる?肉体的な苦痛……?

 いや、白露の性格的にそれはありえない。ならなんだ?なにかを焦らすとかか?ありe


「罰ゲームのぎゅううううううう♡……本当に分からないんですか?」

「全く。記念日なんかあった?」

「はぁ……主様は本当に自分には疎いというか興味がないというか……駄目ですよ?自分は大事にしてもらわないと。まして誕生日なんて忘れてはいけませんよ?主様がこの世に誕生した記念すべき日なんですから」

「あぁ……そういえば、そうだったかな?」


 外にでないから日付の感覚もない。その上何年も祝っていない……忘れない方が難しいのでは?


「今日は上層からこっそり採ってきた食材で作ったご馳走はもちろん、プレゼントもありますよ♡」

「やった。何がもらえるの?」

「それはご飯の後のお楽しみです♡」


 白露のおっぱいを頭の上に乗せられながらあーんさせられるという堕落の極みみたいな食事にもなれ……るわけない。

 おっぱいなんて毎日触ってれば飽きるし興奮しなくなる……そう思っていた時が私にもありました。

 おっぱいは視覚的に性を意識させてくる器官……器官か?まぁとりあえず器官だ。見えなければどうということはない。

 ただの触り心地のいい脂肪の塊……二の腕と変わらない、などと思っていた。全くそんなことはなかった。

 まずなんかいい匂いするし、たまにどことは言わないがどこかに当たって喘ぐからえっちすぎるのである。


「どうしましたか~♡おっぱい吸いたくなったんですか?今日はセックスの時まで我慢ですよ~?」

「プレゼントの事を考えてただけだよ」

「ホントですか~?はい、あ~ん」


 おいしい。おっぱい当たって落ち着く……突然だが、どれだけお気に入りのオカズでもタイムが伸びる……そんな現象がある。

 白露もその現象は分かっているようで、同居が始まって数日経ったある日、白露からの性的アピールがないことがあった。

 その日の夜見た白露の裸体はいつもよりえっちに見えた。それからというもの定期的に焦らされる日が出来た。


「朝はこれで最後です……はい、あ~ん」

「ん……ごちそうさま」

「おそまつさまです♡ふふ……さ、着替えましょうね♡」


 あっという間に脱がされるのには慣れた。白露が作った服なんだからすぐ脱がせられるようにされているのは当たり前。

 自分が脱がされたところに特にえっちな要素など皆無。本当にこれには慣れた。


「今日もかっこいいですよ♡」

「ありがとう。今日の白露も美人だね」

「んふふ~……今日の夜はたっっっっぷりかわいがるから、楽しみにしててね♡」

「う、うん」


 白露がぬっと顔を近付けてきた。近い……好みドンピシャの美人顔が近すぎるっ!

 高く綺麗に整った鼻筋、自己主張はしつつも大きすぎないぷるっぷるの唇、バッチバチの睫に二重の大きな瞳……美しすぎて死ぬ……


「それはさておき……プレゼントです♡開けてみてください♡」

「三つも!?さて……何が出るかな」


 まずは指輪……か。白露の糸で出来てるのか。白露にしてはデザインが派手だな。次は……ネックレスか。これも白露の糸製か。

 最後のプレゼントは……物理的に一番重いな。何が入ってるんだ?これは……極太のブレスレットか。

 全部着けたら悪趣味な成金のような見た目になりそうなラインナップだ。ネックレスに指輪を通せればまだなんとかなるか……?


「ピッタリ……嬉しい。ありがとう」

「んへへ~♡着けて♡着けて♡」

「う、うん」


 ちゃんとネックレスに通せる。うーん……やっぱり趣味悪そうに見えるなぁ……鏡を少し撤去するか。


「はぁぁ……♡」

「そんなに似合う?」

「はい!似合います!!ずっと着けててください!」

「う、うん。わかった」


 何か特別な意味でもあるんだろうか?後で調べてみるか。熱を含んだ視線を全身に感じる。じっくり見られると落ち着かない。


「あっ、まだあるんですよ。今日は主様がこの世に誕生した記念すべき日ですから。もちろんこの程度で終わったりしませんよ」

「ほほう」

「じゃーーん」


 これは、本……?装丁は綺麗だけど……題名も著者名も乗ってない。中身も白紙……どういう目的の物だろう。


「これは念写本です♡大変だったんですよ~?魔法の勉強……魔核生活してる身からすると近代魔法は使い辛くて……」

「魔核……?近代魔法……?」

「あー……すごく簡単に言うと、感覚で確率を解いていた人が改めて公式を使おうとすると難しいな……といった感じですね。まぁちょっと違うんですけど。そんなことはいいんですよ。これ、私が作ったんです!」

「そうなの?ありがとう。大切にするよ」


 あ……これは。白露ばっかり写ることになりそうだな。でも……まぁ、そういうのも悪くないな。


「あ、早速……主様、これ///愛しています……愛してます……愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます♡」

「白露……?白露、白露?戻ってきてー」

「ん゛っ……ん゛ん゛ん。気に入ってもらえたようでなによりです。ふふーん。見てください。これ!」

「これは……なに?」


 いや、何かはわかる。何かは分かるし流れ的にも納得できる。できるけれども、俺の胃袋が……


「こんなに食べれないって思いましたね?ここ数ヶ月を思い出してください。きっと食べられます……主様は食べられるんです。たくさん食べてください♡」

「う、うーん……」

「はい、あ~ん♡」


 貝類、甲殻類、獣肉……どれも俺の好きなものだ。それを白露があ~んしてくれている。でも、本当に食べられるんだろうか……


「ご……ちそうさま」

「いい食べっぷりでしたね♡」

「お腹重い……動けない……」

「大丈夫ですよ♡主様はなーんにもしなくていいんです♡私がぜーんぶやってあげますから♡何も心配しなくていいですよ♡」


 白露を枕に横たわる……そんな至高の体験を前にしても、お腹が重い以外の感想が出てこない。美味しかったから後悔はないが。


「主様、生まれてきてくれてありがとうございます私と出会ってくれてありがとうございます私を好きになってくれてありがとうございます私と生きる決意をしてくれてありがとうございます。ずっとずっとずっっっと大切にします……後悔なんてしてる暇も無いくらいたくさん、たっっっくさん愛を注ぎます」

「料理と違って満腹にはならないからお得だね」

「はい。そうです……♡下手な冗談いっちゃうところも好きです♡」


 もう♡みたいな感じでかわいく笑っているが今はそれよりも、下手な冗談だったのか。そうか……下手な冗談なのか。

 ……白露の胸でも触るか。


「あんっ♡下手って言われて怒っちゃいましたか?よしよし♡私のおっぱいはいつでも触っていいんですよ♡フリーおっぱいです♡」

「フリーおっぱいの質感じゃない……」

「やる気のある人が育ててますから♡そんじょそこらの有料おっぱいとは違います♡……まぁ金なんて概念ここにはないんですけど(ボソッ)」


 まずい、やめられない……やめ時が見つからない。ただ規模の大きい二の腕なのに全然やめられない。あっ、沈むっ。


「んっ……♡やんっ♡私のおっぱい気持ちいいですか?あっ……♡」

「揉む手が止まらないくらい気持ちいい」

「んっ……♡はぁっ♡どうして私のおっぱいがそんなに気持ちいいと思います?んあっ♡私としか出来ないことだからですよ。私としか出来ないからそんなに気持ちいいんです」


 確かに……白露としか出来ないことならやめられないのも納得だ。なんか太ももあたりがくすぐったい。


「あっ♡どうしたんですか♡んっ……♡私はただ太ももを撫でてるだけですよ♡んんっ」

「いや、別に」

「はぁっ……♡私に構って欲しかったんですね♡かわいい……♡そんな事しなくても私は1日中主様のこと考えてますよ……♡んっ♡」


 白露の手が内腿……触ってないけど。触ってなくても気持ちいい事はあるんですよ!


「あっ……もう、いいんですか?」

「うん。とりあえず今は」

「そうですか……腹ごなしも済みましたしお茶にしましょうか。今日は消化を促進する効果もあるコーヒーを用意しておきました」

「助かる。ありがとう」


 ん……?なにか、大事な事を見落としている気がする。このまま漫然とコーヒーを待っていてはいけない気が……


「ふふっ♡出来ましたよ~♡」

「ち、近くない?」

「恋人なんだから~近くて当たり前♡美味しいから飲んで♡」


 なんか様子がおか……あー!!コーヒーで酔うじゃん!!いやそんな驚くことでもないけど、酔ってるねぇ。熱っ……熱い。


「熱い?熱いよね?ふー♡ふー♡ん……れろれろ……くちゅるっ……」

「ん……んん」

「これ美味しいでしょー。今日のために色々飲んできたんだ~」

「そうなんだ。ありがとう」


 今年の白露の誕生日はもう終わった。来年は盛大に祝わないといけないな。しかし、まぁ酔うとこんな感じになるのか。

 ……毎日これでもいいんだけどな。普段の白露がよくないとかそういうのではない。普段は普段で趣深い。うん。


「んふふー♡主様~」

「どうしたの?」

「ちゅっ……大好き♡生まれてきてくれてありがとう♡一生大事にするからね♡」

「……」


 酒は人を駄目にするのではなく元々駄目な人を炙り出すだけ……その通りだと思う。理性を通さずに出た言葉がこれか……。

 はぁぁぁぁ……我慢なんて出来るわけもなかった。


なるべく早く出します

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