貪るもの
お待たせしました
「ん……んぅ〜。なんか疲れたけど、よく寝れた気がする。こうやって自力で目を覚m」
「んぇぇ……♡」
白露が俺の上で寝ていた。安心仕切った様子で涎も垂らしている。こうしてみると幼げだな。
白露も監獄塔に捕まってたんだよな。看守長は男だった。毎日のように酷い目に遭わされてきたのは想像にかたくない。
こんなに安心した顔を晒してくれるってことは信頼出来ると思ってくれてるからだ。嬉しい限りだ。
いつも俺より先に起きていたのは心の何処かで安心しきれてなかった故だろう。こんな事にも気付けなかったんなんて……
俺がクソボケ野郎すぎる。いつか白露が敬語呼びも主様呼びも取りはらった超自然体になれるようにしよう……。
「ん、ふぁ」
「……」
「……」
白露が起きてしまった。涎が口の端から垂れていてとてもかわいらしい。
気まずい……なんというか見てはいけないものを見てしまったかのような……そんな気分だ。
「はっ……お、おおおおおはおはおはようございます主様」
「おはよう、白露」
「い、いいいいいいいい天気ですね」
まさかの天気デッキ。……よくよく考えたら白露ってあんまり話題提供をするタイプじゃなかったな。
……いきなりなにか話さなければいけないとなれば天気デッキに頼るか。なんか親近感がわいてくるな。
完璧に見えて欠点というか人間r……いや違う。好きな人に自分と同じ部分があると感じられるからより好きになってるんだ。
「曇ってるけど」
「そ、そそそそそそそうでしたね」
は?かわいい。かわいいをふりまかないと死ぬ病なのか?抱きしめて撫でまわし倒して困惑する白露の顔が見たい。
「よーしよしよしよし」
「主様⁉な、なんなななななななななんあなな」
「はぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……かわい」
「あばばばばっばばあばあばばbっばばばっばばば」
白露の挙動がおかしくなってる。んかわいいいいいいいい!こんな挙動見せられたらいたずらしたくなる。
「あ、ああああ朝からそんななっ」
「愛する白露が朝から可愛かったら褒めるものでしょ」
「ぁ……ぁ……ゆ、夢……?夢か……。主様が私の事をこんなに甘やか……思い通りにならない?……は、はわわわをわわわわっ!?」
「おはよう」
夢だと思って空に手を伸ばす……めちゃくちゃかわいいな?なんでこんなにかわいいんだ?白露だからか。
起きていたことに気付き、vibrationしながら料理を始めた、はずだ。いつもより速くて見えないから音で想像するしかないけど。
多分料理しているはず。いつもよりガチャガチャいって……あ、終わった。10秒くらいか。やっぱり動揺してる。いつもより遅い。
「いただきます……ん〜!」
「ふふ、おいしいですか?」
「美味しい!!……はい、あ〜ん」
「え、あ、そ、あ、な、んむっ」
あ~んに動揺してる。前にもやったことはある。でもここまで動揺はしてなかった。やっぱりたたみかけるのって大事だな。
「ごちそうさまでした」
「き、今日は……//どうしたん……ですか//」
「街も5つ壊滅させたし、皆もきっちり葬ったし、白露との未来を考える余裕が出てきたんだよ。むしろ本来もっとイチャつくべきだったのに全然出来てなかったのがおかしかったんだよ」
「そ、そうです、かっ……」
白露に抱き着いた。あ〜……落ち着く。いい匂いがする。愛し合う男女なんてなんの脈絡もなくベタベタしにいくのが当たり前。
それをしてこなかった今までが異常な事態だったんだ。白露が頭を撫でている。あー、白露成分が染み渡る。
「!!」
「おわっ!!な、なに!?」
次もこれくらいでだします