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崩壊

前回のあらすじ

森の主を倒した


「やったわね」

「二人のおかげよ」

「そうでしょ?」


 3人でハイタッチをして家のある方向に進む。3時間くらいは歩いたかな?ゴールはもう目前。


「森を抜けるよ!着いてきてる?」

「もちろん」

「舐めてもらったら困るわよ」


 木々の隙間から漏れる光に向かってひたすら走る。これでこんな面倒な訓練ともおさらばd


「なんだよ、これ······なんなんだよこれ!!」


 森を抜けた先に広がっていたのは地獄だった。完全武装の人間達が家具をひっくり返し森を燃やしている。


「対象を発見しまし······」

『速やかに抹殺せよ。D157、D157!応答せよ、応答せy······』

「無事だったか。見ての通りだこれを持って逃げてくれ」


 完全武装の人間の首を撥ねた父さんが一振りの剣を手に乗せてそう言った。訳がわからない。


「そんなの急に言われても訳分かんないよ!逃げるなら全員」

「無理だ。お前では足手まといだ!さっさと逃げろ!!」

「·······!!」

「行くわよ」


 サリアに連れられて森の奥に向かった。何が······どうなってるんだ。一体父さん達が何をしたって!!


「痛っ!」

「しっかりしなさい!二人の覚悟を無下にするつもりなの!?」

「······分かった」


 とにかく走る。何も考えずにただ走る。とにかく遠くへ、遠くへと走る。あっ······足がもつれた。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

「罠に引っかかったぞ!!殺れ、y──」

「大丈夫、立てる?」


 銃を向けてきた部隊を母さんがタックルで突き破った。肺が苦しい······酸素が、酸素が足りない。


「彼方は背負って逃げます」

「そう······後の事は頼むわ」

「はい」


 サリアにどこかに運ばれていく。有紗は顔を真っ青にしながら着いてきていた。何か知ってるんだろうか?


「彼方、私は残るよ」

「何を言ってるの、皆で逃げるのよ!」

「あの部隊は巫女直属部隊、私を探しに来んだと思う。でも、見つかったら殺される。異端の思想に染まってるのはすぐ分かる。私は何も出来ないから、せめて時間稼ぎに。サリア、彼方のこと頼むね」


 有紗の足は震えている。その震えを手で必死に押さえつけて俺を見ていた。有紗も怖いんだ。なら······なら一緒に!!


「最後の命令よ。サリア、彼方を連れて逃げなさい」

「······っ!!っ!!しょ······うち······しま······した」


 言葉を絞り出し、サリアは走りだした。動かない首を必死に後ろに向けて有紗を探す。

 ······見つけた。一人だけ犠牲になんてさせるか!絶対に全員で生きて帰るんだ!!


「あなた達は通さない、絶対に!!私は殺せないでしょ?異端審問前なんだもんね?」

「······我々とご同行願おう」

「ここから先に行かないのなら」

「承知しました」


 有紗の身柄を完全武装の人間が拘束した。そして、返事をした人間が様有紗を突き刺した。鮮血が辺りに飛び散る。


「ぁ······が······し······ぁ······が······」

「まだ生きているな」

「······」


 奴が完全に首を撥ねた。首がこちらに飛んで来た······一生忘れられないだろうその顔は驚きと恐怖に歪んでいた。


「神器の回収は終わった。速やかに異端の男を拘束せよ。奴はいい贄になる」

「はっ!了解しました。ターレンス様」


 許さない、許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!!!

 よくも、よくもぉぉぉぉおぉぉお!!絶対に殺す!!この手でその脳味噌を引きずり出してやる!!


「ちょっと!!」

「うぉぉぉおぉぉぉぉぉお!!」


 父さんから貰った剣を抜き、目の前の人間に向かって走る。邪魔な人間をいつもの戦術で殺し、奴に飛びかかる。


「死ねぇぇえぇぇぇぇえぇぇえ!!」

「軽い」


 突きが奴に当たることは無かった。それどころかそこら辺の木に叩きつけられた。つ、強い······


「ふふふ······お前はいい贄になる」

「ぐ······」

「ふんっ!大丈夫か?無事に逃げられたらカルウェナンという黒い剣を探すといい。きっと役に立つ」

「助かったわ」


 サリアが俺を抱えて走り出した。カルウェナン、忘れない!足手まといにはなれない······逃げる、逃げるんだ!


さぁ!始まってまいりましたぁ!

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